三桂-聖杯固め 名人戦第2局後 2003.04.29岡崎将棋まつり
MashudaBBS2003.04.28-05.01
そこで最初の話に戻る。谷川はこの素晴らしい寄稿の直後、本筋では勝てないという羽生への畏怖を「違和感」と混合しながら岡崎の将棋祭りを迎えたのであった。ネットは素晴らしい。この棋譜には最強の棋士たちの心理が反映されている。谷川ほど愛された棋士はいない。人間は迷うから面白い。
戦型:四間飛車菱型美濃VS桂離宮端詰め型
先手:竜王 羽生善治
後手:王位 谷川浩司
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6六歩 ▽3四歩 ▲6八飛 ▽6二銀
▲1六歩 ▽4二玉 ▲7八銀 ▽3二玉 ▲6七銀 ▽5四歩
▲3八銀 ▽5二金右 ▲4六歩 ▽3三角 ▲5八金左 ▽4四歩
▲3六歩 ▽4三金 ▲3七桂 ▽8五歩 ▲7七角 ▽4二角
▲4八玉 ▽3三桂 ▲3九玉 ▽2一玉 ▲2八玉 ▽3二金
▲6五歩 ▽7四歩 ▲2六歩 ▽7三桂 ▲5六銀 ▽5三角
▲4七銀引 ▽5一銀 ▲5六歩 ▽4二銀右 ▲1五歩 ▽2二銀
▲5五歩 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 角 ▲8八飛 ▽8五歩
▲6六角 ▽6四歩 ▲7五歩 ▽6五桂 ▲5四歩 ▽同 金
▲7四歩 ▽9五角 ▲7三歩成 ▽同 角 ▲7八飛 ▽7七歩
▲同 桂 ▽7六歩 ▲6五桂 ▽同 金 ▲4四角 ▽5三歩
▲4八金寄 ▽8四角 ▲5八飛 ▽4三金 ▲4五歩 ▽同 桂
▲2二角成 ▽同 玉 ▲4五桂 ▽5五桂 ▲4六銀 ▽4四歩
▲5五飛 ▽同 金 ▲同 銀 ▽5四歩 ▲4一銀 ▽2一角
▲2五桂 ▽5五歩 ▲3三桂打 ▽同 銀 ▲同桂左成 ▽同 金
▲3一銀 ▽同 玉 ▲3三桂成 ▽2四桂 ▲3二金 ▽同 角
▲同銀成 ▽同 飛 ▲4三桂 ▽4一玉 ▲6三角
谷川王位の名誉の為に付記するが王位は囲碁将棋ジャーナルでハッキリ72玉と述べている。それでも以下のような変化には絶対に羽生はしないと王位も知っている。だから光速ノート26は以下のような本筋の手を指したら超一流にはなれないヨとわざわざ最初に注意書きを書いたのであった。
棋戦:第61期名人戦第2局田中寅彦&東京大盤解説会結論変化71玉で羽生が94手め42龍とすると思っている温泉勝ち変化
戦型:角換わり腰掛け銀
先手:羽生善治竜王
後手:森内俊之名人
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲7八金 ▽8五歩
▲7七角 ▽3四歩 ▲8八銀 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽4一玉 ▲1六歩 ▽1四歩
▲7九玉 ▽3一玉 ▲5六銀 ▽7四歩 ▲5八金 ▽7三桂
▲3六歩 ▽4四歩 ▲6六歩 ▽5四銀 ▲2五歩 ▽3三銀
▲3七桂 ▽5二金 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲1一角 ▽3五銀 ▲4五銀 ▽2二角 ▲同角成 ▽同 玉
▲4一角 ▽7四角 ▲2八飛 ▽3一玉 ▲3二角成 ▽同 玉
▲5四銀 ▽同 金 ▲4三銀 ▽同 玉 ▲2三飛成 ▽3三銀
▲2五金 ▽8六歩 ▲同 銀 ▽8八歩 ▲同 玉 ▽6九銀
▲3五金 ▽5八銀成 ▲4四歩 ▽同 金 ▲同 金 ▽同 玉
▲4五金 ▽4三玉 ▲4四歩 ▽5二玉 ▲3二龍 ▽4二銀
▲4三歩成 ▽6一玉 ▲5二銀 ▽7一玉 ▲4二龍 ▽8六飛
▲同 歩 ▽8七歩 ▲同 金 ▽7八金 ▲9八玉 ▽8八金打
▲同 金 ▽同 金 ▲同 玉 ▽8七歩 ▲9八玉 ▽9七銀
▲同 玉 ▽8五桂 ▲8七玉 ▽7六角 ▲7八玉 ▽6七角成
▲8八玉 ▽8七歩 ▲同 玉 ▽7六馬 ▲7八玉 ▽7七金
▲同 桂 ▽同桂成
4月27日の日付 (UPは4月30日(水)17時47分21秒) でわざわざ名人戦第2局における71玉の後手勝ち変化を書いている。タナトラが囲碁将棋ジャーナルの直後に71玉で後手勝ちだろーと電話をしたそうなので義理で書いたのであろうか?71玉には桂馬を王手で取られ金で受けるしかないのでこの詰み手順は消滅する。
羽生がこう指したらどうするのであろう?
棋戦:第61期名人戦第2局田中寅彦&東京大盤解説会結論変化71玉ではハブタン勝ちの変化
戦型:角換わり腰掛け銀
先手:羽生善治竜王
後手:森内俊之名人
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲7八金 ▽8五歩
▲7七角 ▽3四歩 ▲8八銀 ▽7七角成 ▲同 銀 ▽4二銀
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲4六歩 ▽6四歩
▲4七銀 ▽6三銀 ▲6八玉 ▽4一玉 ▲1六歩 ▽1四歩
▲7九玉 ▽3一玉 ▲5六銀 ▽7四歩 ▲5八金 ▽7三桂
▲3六歩 ▽4四歩 ▲6六歩 ▽5四銀 ▲2五歩 ▽3三銀
▲3七桂 ▽5二金 ▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀
▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲7五歩 ▽同 歩
▲2四飛 ▽2三歩 ▲2九飛 ▽6三金 ▲1二歩 ▽同 香
▲1一角 ▽3五銀 ▲4五銀 ▽2二角 ▲同角成 ▽同 玉
▲4一角 ▽7四角 ▲2八飛 ▽3一玉 ▲3二角成 ▽同 玉
▲5四銀 ▽同 金 ▲4三銀 ▽同 玉 ▲2三飛成 ▽3三銀
▲2五金 ▽8六歩 ▲同 銀 ▽8八歩 ▲同 玉 ▽6九銀
▲3五金 ▽5八銀成 ▲4四歩 ▽同 金 ▲同 金 ▽同 玉
▲4五金 ▽4三玉 ▲4四歩 ▽5二玉 ▲3二龍 ▽4二銀
▲4三歩成 ▽6一玉 ▲5二銀 ▽7一玉 ▲2一龍 ▽3一金
▲1二龍 ▽4三銀 ▲6一銀成 ▽8一玉 ▲8二龍 ▽同 玉
▲7五銀
昨日は愛知県岡崎市の岡崎公園で第10回岡崎将棋まつりであった。
羽生VS谷川がメインとなる。羽生は先手で藤井システムからビッグ4。藤井から竜王奪取した貯金で余裕というか手詰まりでもなんとかなると思っている所が祭りらしい。杉本がダイヤモンド美濃と解説したらしいが菱形美濃と呼ぶべきであろう。谷川の方針は一貫性を欠く。桂離宮で端の手抜きは難しい。どうせ谷川なら切りあいに来るので満ち潮で羽生も仕掛けるが中盤で突如谷川美学が思考を邪魔する。66手めで飛車金取りの桂馬のフンドシでは恰好悪いと思ってしまうのであった。馬を作られ飛車イジメを嫌ってなんと53歩と打ってしまった。これが敗着である。それ以後2度も二枚換えを許してしまい後手陣には受けがない。素直なフンドシでよい場合もあるのであった。金があれば受かる。おかげで角切りのチャンスまで逃してしまう。羽生が桂馬を3枚使った珍しい聖杯固めで桂離宮は修復不能に陥ってしまった。端の手抜きは難しい。
25金への森内の対抗手86歩は24歩型で羽生が丸山研究を外した相転化手86歩と違いウナギの頭への釘刺し。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030305kiou4.html
炭火で焼かないと食えないウナギ。
申し上げて、今回の2五金は素人目にも取り敢えずビールならぬ入玉を阻止しといて、という消極的な意味以上のものは余り感じませんでした。難しいんでしょうけど、新手の持つ、人をして瞠目せしめる斬新さとは程遠かったように思います。そういう種類の感動はありませんでしたが、やはりこの二人の将棋には一線級ならではの「こく」を感じました。終盤名人の9五歩は形作りなのか、詰めてみよなのか、勝ちを確信した手なのか、皆目分りませんでした。本調子なら名人は勝ちを逃さなかったのでしょうが。
粟ならぬ 鰻濡れ手を 待っており
「簡単に悪くなるとは思えない」が「負け筋だったのかも知れない。」と思わせるのが鰻流。米長ではないが、森内が2時間考えて分らないのであれば、羽生にも分ってない筈。微差の優位は最も肩に力が入る状況である。肩でなく腰に力を溜めてやれば今頃鉄板の上で蒲焼が出来上がっていたかも知れない。
今期の羽生は格好の相手を得て本気である。森内は連休中に奥さんとサーフィンでもしに行ったらどうかと思う。1回でも上手く波に乗れれば何かを掴めることだろう。