2003.04.17 第61期名人戦七番勝負第1局初日 東大寺決戦

横歩取り85飛68玉型-三角門定跡

森内俊之VS羽生善治

空中地獄の舞

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40手め封じ手 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)18時03分40秒

5時55分に羽生は封じ手を告げる。6時になると1時間の夕食休憩となるところであった。
羽生は苦悩している。飛車の空中ショーは飛龍ではない。色気づいて三角門に噛み付いたヤブヘビ。


39手め35歩! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)17時12分27秒

2時間の大長考で名人が選択した手は最強手であった。森内の真髄を見る。二年前の順位戦堀口木村戦でシーザーが木村の狂乱手に応じた手と同じ。羽生はなぜキムカズの狂乱の舞を選択したのか理由は明解。堀口朝日選手権者をも同時に葬る算段である。


38手め55飛! 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時40分59秒

羽生狂乱の舞!次に45桂跳ねを見せ同桂-同飛からさらに15角打ちの26飛狙い。飛車が逃げれば48角成の強襲。後手が受ければ85飛で先手からの82角打を未然に防ぐ。


37手め66歩 先手の三角門定跡 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時28分43秒

横歩取り先手特有の攻防地点。この66は森内が横歩取り総本山丸山を封じ名人奪取の原動力とした白眉の地点でもある。本局では玉筋拡張と同時に45桂-同桂-44角打の飛車香取り「原始三角帽子(別名富士固め)」を未然に防ぎつつ後手の65右桂跳ねの一撃必殺を牽制。後手の空中地獄門に対抗する三角門定跡。67地点を解放したことにより67金の受けや34歩と連動した67角の攻防手が発生。


35手め33角成 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時16分25秒

後手は8筋に飛車がいない為にここで角交換が有効である。47銀や5筋を補強する58金は次に後手から24飛とぶつけられ歩を打たされる。無論先手は飛車交換には応じることができない。端歩など突いていては65桂跳ねで後手必勝。66歩は纏足手となりやはり24飛。興業将棋であれば33角成以外ない。
先手はこの角交換後82角と打つ権利を保有する。後手は同桂と取る以外にない。


34手め54飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時11分05秒

ここで85飛と逃げては先手から角交換を挑まれ後手の33桂の一手に35歩と突かれて敗勢に陥る。そこで飛車の横利きを生かす54飛となる。端歩などを突いていては無論25桂跳ねで先手勝ち。


33手め45歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時08分11秒

そこで飛角交換後44角と打たれないように45歩と先手が突くのが定跡となる。


32手め55飛 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時06分31秒

中座飛車の大特異点。これを先手が次に同角ならば後手も同角で次の99角成と44角打の飛車取りを先手は防御できない。


23手め68玉北斗の玉 24手め74歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)16時02分27秒

中年の星という将棋界の慣用句がある。米長がかつてそうであったが最近では青野である。そして今は桐山が中年の星である。この星に敬意を表して名人は68玉とした。41玉の不動の北極星に対し先手は動く北斗の玉という提示となる。

対して羽生は24手めに1時間を費やして74歩とした。本来後手の最も華麗なパッセージであるべきこの74歩は本局の楔となる。帰納法思考はここで一旦終了し後手は加速定跡を自ら強いることになる。


20手め85飛 気息の一致 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)15時48分57秒

衛星放送解説の内藤國雄は横歩取りとこの85飛戦法を同一視している。4手め以降からすでに85飛戦法と言っている。これはイケナイ決めつけである。84飛からの地獄門定跡も有り得たからである。森内の87歩を見て羽生は躊躇なく85飛としたのであった。後手はすでに角を33地点に定め玉型を晒している。33角では33桂もあった。今回副立ち会いの脇を始め康光も森内もこの33桂馬を最近指している。33桂馬の方が実は選択肢が多い。それは先手の手損をメインにした思考法となる。ところが一歩損したという決定的な流れをメインにした場合後手は33角を選択する。33角は華厳である。そしてこの85飛は海印となる。
羽生は33角の華厳から思考を始めているということである。玉型を先に提示し85飛の海印を示したことで森内既存の特性と呼応し華厳の連続性が生じる。
羽生のキメツケがなぜ帰納法になるのであろう?
この85飛が大乗位相分岐点として双方気息の一致を見ているからである。


19手め87歩 名人の選択 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)15時19分35秒

横歩取りにおける後手番は最善手を導く為に全ての選択肢を思考する傾向をもつ。帰納法という。森内は本局において選択肢を狭くする演繹法を選択。これは最善手をどちらの方向から見いだすかという方針の違い。名人の主張は15手めに必然的に生じた決定的な一歩得にある。これは4手めに後手の羽生がすでに決定したものであり先手の名人はそれを促したという気息。この気息は初手からすでに始まっている。先手にとって歩得を正当に主張する指し方とは19手めに87歩と打つ行為。それが名人の選択であった。


18手め41玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)14時59分35秒

この手を指す前に羽生が長考する所が良い。17手め36飛は76歩を守る手として森内は当然のように指す。34飛のまま他の手を指す趣向は位相の連続性に反する。表象としては単発的に昨年はそれが青野や谷川には可能であったと言うことであった。既に先手は横歩取りにより一歩得したことを主張するのが第一義となる。18手めは22銀か41玉かで流れが変わる。選択肢が多くなるか少なくなるかという問題になる。


興福寺の平安時代の駒 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)14時19分47秒

NHK衛星では1993年に興福寺旧境内で発掘された1058年の将棋の駒を紹介している。わざわざ天喜六年と銘打った駒であるがこれらは臨時に作られたクズである。学校教育で教師が工作室で不器用に作ったようなシロモノである。このようなモノを発掘する度に有り難がっているから研究書が腐る。
発掘の内訳(表記は現物通り)
玉将3枚
金将4枚
銀将1枚(裏には金の文字で成り駒を指示)
桂馬1枚
歩兵5枚


新聞社の談合 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)14時01分19秒

それにしても桐山清澄の12連勝中は54歳の狂い咲きサンダーロードである。昨日も勝っている。米長など引退宣言を後悔している場合ではない。54歳で狂い咲きなら60歳でボッタクリも有り得る。そのヨネちゃん掲示板によると名人戦は第3局からネット中継は有料になるらしいがイカガナモノカと臭わせる。曖昧な臭気である。フザケルナと言ってもらいたい。新聞社まで談合するようになってはオシマイである。新聞社の談合にも独占禁止法は適用される。


羽生のア 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)13時28分44秒

内藤國雄がなぜ当代最高の解説者であるのか?羽生へのインタビューを嬉しそうな顔をして見ることができるからである。こういう言う顔を見せられるのは内藤國雄しかいない。
内藤は言う。「(羽生は)投了するときも今みたいに、ア、という声を出す。ア、負けましたと」
このアが好きらしい。内藤の着眼は素晴らしい。羽生はアとマーを使い分ける。アとは誕生の象徴母音。マはインド・ヨーロッパ語族で母を意味する基本音節。


躊躇なく横歩を取り33角型へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)13時18分03秒

立ち会い人は現在12連勝で自己記録更新中の桐山清澄。
衛星放送解説は内藤國雄。当代最高の解説者に現在最強の立会人となる。
内藤國雄は森内が鉄板流という本人が嫌がるネーミングはさほど悪くないと言う。槍を通さない鎧のイメージとフォローする。関東では鉄板流は大人にはモンジャ焼き、子供には縁日の焼きそばのイメージである。
内藤國雄は横歩を取るのは気合いであると言う。関東の森下は横歩は気合いで取るものではないと言う。
我々はウダウダ考えずに早く取れと言う。鉄は熱いうちに打ち、モンジャは熱いうちに食うものである。

対局者へのインタビュー
森内「(羽生が挑戦者になったことに対して)最高の舞台で最高の挑戦者」
羽生「(対森内は6連敗中という質問を受けて)前のことは重視しない」


名人戦第1局 東大寺決戦 横歩取り 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月17日(木)12時50分48秒

46年ぶりの奈良県での名人戦。東大寺では初めての対局。名人戦で寺院対決は4局め。
8時51分挑戦者羽生が先に入室。羽生は2キロ離れた宿泊先から歩いて来た。主催紙毎日の山村英樹記者が付き添っている。続いて森内名人入室。
対局室の掛け軸はマンダラ。それを背にし座る名人。それを終始見なくてはならない挑戦者。
記録係池田将之初段の振り駒で歩は4枚。名人先手となる。
初手を指すまでに森内は瞑想しやがておしぼりを握る。握ったまま元に戻す。
名人の初手は76歩。



ハブの選んだ揮毫「克」は逆さに読む 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月16日(水)17時59分05秒

「克」の文字は逆さまに読むのがマシュダ一家である。口は円となりせむしは双翼の翼となる。このヘルメスの符号は4を象徴する十字が逆行相を現す。


名人戦の揮毫 信と克 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 4月16日(水)14時06分46秒

今年の名人戦記念扇子の揮毫は森内名人が「信」、羽生が「克」。
森内名人の「信」=人になる構造を象徴化した文字。言の上部の4つの線はATGCの4種類の塩基。口は音声。記号による設計図でモノが出来、音声が加わるとヒトになる。
ハブの「克」=兄とは口の下にせむしの人の形がへばりついたもの。古代では、せむしの人は神と人の仲介をする聖なる奇形。それを十が制する。