これより棋王戦第三局実況 　 投稿者：摩修陀一家 　

投稿日：Mon Feb 25 09:36:48 2002

先手佐藤康光九段　後手羽生善治棋王

投稿日：Mon Feb 25 09:44:05 2002

「後手四間飛車です。すでに15手まで進んでいます」

「57銀。25歩もついて康光らしー」

「羽生棋王がここで考えています」

「10手め94歩を康光受けなかったからね。ここで突き越すかどうか」

投稿日：Mon Feb 25 09:50:08 2002

「対藤井対策で羽生は一年ががりで30局以上試みた手慣れた戦法じゃからね。ただ後手では自信があるというほどでもない。念頭にあるのはこの前のＡ級での藤井佐藤戦。ここで突きこすのは勇気いる」

「佐藤九段が優勢になった将棋ですね」

「羽生は後手ではあの展開にはできん」

投稿日：Mon Feb 25 09:55:00 2002

「やはり藤井システムでは康光に勝てる自信ないか」

「対して佐藤九段17手め36歩！」

「凄まじい迫力！」

「18/62玉」

「そりゃ逃げたくなる」

投稿日：Mon Feb 25 10:00:10 2002

「62玉に対応。71と必ず行くから74歩からの桂馬活用が遅れる」

投稿日：Mon Feb 25 10:01:18 2002

「これは康光穴熊に組める」

投稿日：Mon Feb 25 10:03:54 2002

「羽生は余り頭使っとらんな。顔みたいね」

「普通に美濃に組みましたが」

「36歩にビビったんじゃろ」

投稿日：Mon Feb 25 10:09:14 2002

「羽生が何の工夫もなく美濃にまっしぐらでは当然」

「藤井システムはやはりむずかしいんですね」

「康光が相手では羽生でも真似できん」

「真似したくないのでは？」

「ならば穴熊に組ませるだけのこと」

投稿日：Mon Feb 25 10:12:19 2002

「妥当。古典美濃はすぐに崩したくないからね。康光次第で向かい飛車もある。持久戦なら41金をどうするか注目」

投稿日：Mon Feb 25 10:21:35 2002

「おお、いいね。15分前に対局室で瞑想か」

「気息を整えているんですね！」

投稿日：Mon Feb 25 10:23:44 2002

「なんじゃ、毛が立っておらん」

「水つけられましたね」

投稿日：Mon Feb 25 10:54:32 2002

「65銀なら75歩ということならそれもあるね」

投稿日：Mon Feb 25 10:59:01 2002

「妥当な所ですね」

「36歩がこの将棋の原点。羽生はこの弱点を一手パスにするか、直接狙いに行くかという将棋になるね。主導権は羽生に渡った」

投稿日：Mon Feb 25 11:13:38 2002

「45銀と出たいんですかね」

「ならば38飛」

「26飛と浮くと？」

「すかさず15角で16飛と逃げる一手。14歩で飛車は身動きできん」

「そこで46歩は？」

「33桂で25歩がただ」

投稿日：Mon Feb 25 11:16:52 2002

「早速きたか！」

「次に角が引いて35歩ですね」

投稿日：Mon Feb 25 11:22:54 2002

「羽生は74歩で稲妻落しと角頭狙いの一歩が入りそうだから緩手」

投稿日：Mon Feb 25 11:29:25 2002

「どうも36歩と98香のバランスはむずかしい。入るしかないかもしれんね」

投稿日：Mon Feb 25 11:38:27 2002

「おお！康光ええぞ！迫力の稲妻落とし3タイプ」

「16歩も突けますかね」

「受けなければ角交換」

「45歩なら？」

「58金でも堂々入城でも65銀は受かる。むしろ飛車が3筋に回った一手で逆襲を計る強手！」

投稿日：Mon Feb 25 11:44:16 2002

「なんせ康光陣はスケスケじゃもんね。強気も強気！」

「51角からの展開がむずかしそうですね」

「74歩ときたら37角があるからね」

「64歩からこじあけますか？」

「それを来いと康光は脅しておるわけ」

「先に45歩なら？」

「58金で受かっちゃう」

投稿日：Mon Feb 25 11:53:02 2002

「穴熊にされたらかなわんからね。攻め筋を探すのは大変。康光相手に後手番はだれも持つ気せんよ」

「これで勝てば二勝で決まりですか？」

「早めに95歩突けば康光も藤井システムを受けてたったかもしれんね」

「やはりあの36歩で腰が引けたと？」

「急戦も恐い」

「どっちも恐いんですね」

投稿日：Mon Feb 25 11:58:29 2002

「53銀一枚でかろうじて突っ張っておるね。左右の盤がびりびりしとる」

「32飛車は仕方なかったのでしょうか？」

「36歩突かれた上に穴熊までされてはかなわんからね」

投稿日：Mon Feb 25 12:05:06 2002

「右か左か迷う。2筋もかなりの脅威。飛車角だけで手が作れる」

「角筋でいくっきゃないですか？」

「すると32飛が役立たず」

「それで右か左か迷うと」

投稿日：Mon Feb 25 12:11:58 2002

「悩ましいとこじゃね。康光の飛車角がフル稼働しておるのに玉は野ざらし。羽生は挑発されて攻めるっきゃないが手作りはむずかしい。ここで悠長に美濃に入城したツケがまさか来るとは思ってなかったかもしれんね」

「28玉が緩手だったと？」

「これは一挙に形勢が傾くかもしれん」

投稿日：Mon Feb 25 12:27:05 2002

「康光一本とったね。後手は攻めを急がされておったのに59角が攻防手。カウンター狙いよりもっと積極的。羽生は6筋を攻めるしかないが、それではあの32飛車はなんだったのかということになる」

「昼食のどに通りませんかね」

「心理的にも羽生は苦しい局面。じっくり腰を落としたいが」

「でなおしますか」

「いや。やっぱ行くっきゃない。穴熊に組まれたらおしまい」

投稿日：Mon Feb 25 13:55:19 2002

「昼食後45歩に予想通りの58金右でしたが」

「そりゃ受かるって言ったがな。やっぱなーんもあそこでなかったワケね」

「82玉は緩手にされましたね」

「32飛車がマイナスでは情けない。藤井は流石にここの間合、上手いと思うね」

「今ごろ突いても遅い」

「78金とようやく固めましたが」

「羽生も昼飯食って戦意喪失したかもしれん。局面が単純化する」

投稿日：Mon Feb 25 14:06:46 2002

「羽生はそれっきゃないんだから仕方ない。考えることない」

投稿日：Mon Feb 25 14:14:04 2002

「康光一気に決めにでたか！」

「67金では手ぬるいと？」

投稿日：Mon Feb 25 14:17:52 2002

「声がでかい。ちゃんと聞こえとるワイ。羽生はそれっきゃ手がない。同銀も当然」

「同角なら39角打ちでおしまいですものね」

投稿日：Mon Feb 25 14:29:26 2002

「55銀とはでられませんか？」

「同銀-同歩-66銀打」

「同銀-同角なら？」

「同角-同歩-39角で馬を作られる」

「そこで24歩は？」

「6筋への飛車回りがあるからね」

投稿日：Mon Feb 25 14:33:48 2002

「康光押せ押せじゃねー！」

「57銀では手ぬるいと！」

「あとは一直線！」

投稿日：Mon Feb 25 14:39:59 2002

「羽生はそれっきゃない。これで康光手持ちは角と歩。53銀が75に出征して攻撃体勢万全。この角は同桂の一手じゃから角桂銀歩に二筋の主砲でイケイケ娘」

投稿日：Mon Feb 25 14:43:29 2002

「これはつらい！」

「やはり序盤の緩手は恐いですねー」

投稿日：Mon Feb 25 14:48:10 2002

「24歩は手抜きで攻めあわんと仕方ないんじゃね。4筋なら手抜きは金あたりじゃから一歩とにかくれということ」

「歩切れは痛いですね」

「それよか54銀がわんわん泣いとる」

投稿日：Mon Feb 25 14:50:44 2002

「そりゃ血も涙もない」

「お友達なくしますか？」

投稿日：Mon Feb 25 14:54:10 2002

「こりゃもっと残酷」

「お友達どころか、回りに誰もいなくなっちゃいますね」

投稿日：Mon Feb 25 15:02:22 2002

「あとはどうやって形作りできるかじゃね」

「ここでさすがに投了はないですよね」

「それでは友達なくすどころかスポンサーまでなくす」

投稿日：Mon Feb 25 15:06:55 2002

「46歩-同歩-35歩ですけどー」

「王将戦第4局とおんなじ。とにかく一歩欲しい」

「つらいですか」

「砂漠で水を欲しがるだけ」

投稿日：Mon Feb 25 15:13:57 2002

「では雑談でも。この前の王将戦第4局は手数が長すぎますか？」

「おかげで楽しみにしてた衛星解説が前半すべてカットじゃい！一番聞きたい局面まで丸ごとカットされては呆れてなーんも言えん」

「かなり終盤の醍醐味を力説されていましたが」

「早く投了せんから人間が最も考えるべき部分を誰もが見過ごす。その場しのぎの悦楽じゃね。44角の筋も説明できんのじゃ話しにならん」

投稿日：Mon Feb 25 15:25:20 2002

「逃げますか？」

「逃げたら羽生は角打つからね。38飛なら49角。48飛や18飛なら28角」

投稿日：Mon Feb 25 15:30:05 2002

「当然の49角打です！」

「下にさがるっきゃない」

投稿日：Mon Feb 25 15:34:35 2002

「47金とボコ打か」

「飛車逃げるっきゃないですか」

「角取られて飛車走られてはかなわんな」

「逆転？」

「いや。こりゃわざとやっとるね。やはり45/35同歩と水を与えない指し方が手堅い。康光この辺りは57角打と一貫しとらんね」

投稿日：Mon Feb 25 15:45:28 2002

「今58手め46飛と歩を取って佐藤九段の手番です。飛車成り受けますか？」

「27飛もあるかも。そのあとの寄せの構想考えとかんとね」

投稿日：Mon Feb 25 15:49:41 2002

「羽生に勝ち筋があるとすればそれっきゃない」

投稿日：Mon Feb 25 15:52:55 2002

「56に馬が作れるね」

「32とですと」

「23歩でだめ。こりゃ飛車回れんね」

投稿日：Mon Feb 25 16:03:12 2002

「やはり56馬はきつい。まあ普通の受け。逃げ場所はむずかしい」

「逃げないというのは？」

「羽生は得意じゃからね。角打ちやるかも。48角打」

投稿日：Mon Feb 25 16:09:15 2002

「残り時間は、佐藤九段が１時間13分、羽生棋王が１時間24分です」

「なんかあっけないね。もうそんななる？」

投稿日：Mon Feb 25 16:11:13 2002

「羽生らしい」

「67飛-75角成ですかね！」

「いや56飛と歩をとるかもしれん」

投稿日：Mon Feb 25 16:14:39 2002

「馬取ってくれませんかね」

「取ってあげたいがここまできたら飛車取る」

投稿日：Mon Feb 25 16:18:49 2002

「羽生が涙ぐましい玉砕しとるんで今度は塩おくるかもしれん」

投稿日：Mon Feb 25 16:27:41 2002

「では雑談でも」

「湯島天神の太鼓保存会はすばらしー」

「イキですね」

「シバ神が存分に舞い踊る醍醐味」

投稿日：Mon Feb 25 16:30:28 2002

「そりゃ取る」

「違いますってば、すぐに61手めに取ったんです！」

「ん？すぐ取った？そりゃ塩送りすぎじゃがな」

投稿日：Mon Feb 25 16:32:22 2002

「一手勝ちの寄せあい読み切ったね。27で飛車打ち先攻か」

「馬が逃げれば32とですね！」

投稿日：Mon Feb 25 16:35:12 2002

「禿シー！」

「取れば？」

「62歩で痺れる」

投稿日：Mon Feb 25 16:41:48 2002

「金は逃げていられませんか」

「とにかく攻め味つくっとかんと」

投稿日：Mon Feb 25 16:44:44 2002

「66歩なら68歩と？」

「それなら62歩打が消えて41金は逃げられる」

投稿日：Mon Feb 25 16:47:04 2002

「いや。68金打で馬にあてるだけ」

投稿日：Mon Feb 25 16:50:09 2002

「やはり金で叱りつけられたらかなわんか。こりゃ喜んで41金取るよ」

「大差になりましたか」

「66桂打しか楽しみないね」

投稿日：Mon Feb 25 16:53:18 2002

「二回くらいは協力しとるね。先に27飛と打っとれば完勝。32とはサービスじゃろ」

「羽生棋王はまるで考えていないようですが」

「48角打のサービスしたぐらいじゃね」

投稿日：Mon Feb 25 16:56:50 2002

「これで丸々金得か」

「と金も生きてます」

「康光にもう１回くらい形つくりの協力要請せんといかんな」

97/76銀　緩手。龍に手順に逃げられる。76桂打は恐くない。むしろ桂馬が欲しい。角打ちで勝負すべき

107/44角　最後の緩手。まだしも63銀。13手詰めの詰めよなので羽生に時間を使わせることができた

109/63銀　敵に贈るおいしいパン

110/69銀　厳しい俗手。佐藤九段秒読みに。

持ち時間各４時間のうち残り時間は羽生棋王が３分、佐藤九段１分