2002.2.5順位戦C1 

負け方に表れる棋士の個性

投稿Name : T. Serisawa Time : (2002年2月9日<土>04時30分)


コメントはありがたいんで

ここなら、なんでもアリでよろしいです。 それに、藤井−佐藤戦のように、後で考える材料でてくるかもしれないですしね。 確かに、室岡−神崎の将棋、神崎のページの日記に本人の解説ありましたな。なるほど。二枚落ち定跡か。 それではC1の第二弾、書き終えましたので。

Name : T. Serisawa Time : (2002年2月9日<土>04時30分)


神崎批判 群盗理論は村外でしか通用せん 2002年2月9日<土>11時30分 摩修陀

ではまたコメント。神崎の自戦記自己批判なさすぎ。あの12歩ははっきりタコ手。勝負所であんな手ない。美的センス疑う。今読んだら飛車を28に室岡引いたからタコ手が成立した様子。室岡が36飛と横に使えば室岡勝ちというのはタコ手のカモフラージュ。こーゆー類の自戦記にみんな騙されとるだけ。自戦記は美化と自己弁護の権化。その証拠に神崎、その棋譜使用で著作権利上の問題あるなら新聞社が自分のとこに一報よこせと傲慢カマシとる。アホかと。新聞に紹介しないボロ棋譜と自認するなら室岡に同意得て堂々と全棋譜だしたらええがな。クレームあったら陳謝しますって根性からして腐ってる。プロの自覚まるでない。プロなら著作権意識あって当然。新聞社に先に了解得るのは村内プロなら常識。群盗理論は村外でしか通用せんの。アマに好き勝手に棋譜垂れ流せっていう煽りと解釈する以外神崎は弁護できん。神崎にそれだけの根性あるなら評価できる。正々堂々と論戦張らず、こそこそ既成事実つくって取り巻きに代弁させるプロは卑怯者。そんなこと平然とやって取り巻き煽っとんじゃフリークラス行きじゃね。神崎に助言することがひとつ有るとすれば「悪役に撤しろ」。落武者やセミの脱殻みたいなアホ装った手法は手ぬるい。摩修陀


2/5 順位戦C1 負け方に表れる棋士の個性(1)Name : T. Serisawa Time

 私が棋譜を見ることを面白がりはじめたのは、携帯電話を買って、毎日のiモードサイトの順位戦から棋譜をダウンロードしはじめてからです。それまでは、まぁ、NHK杯の対局やらタイトル戦の中継をふつうに楽しんだり、たまに気がむいたとき、少し自分の将棋が強くなるかなと、将棋世界のタカミチのページを盤に並べたり、それくらいでした。

 ただ、今では、あんまり、自分の棋力向上とか関係なく、棋譜を眺めること、それ自体が、かなり面白いことに気がつきはじめたところですね。指し手をいっしょに考えるとか、最善手がなんだったかとか、ほとんど考えないのですが、棋士の個性だとか、将棋にあらわれる棋士の表情を、あれこれ想像するのが楽しい。

 順位戦は、その気になれば、ひとりひとり10数局の将棋を見ることができるわけですし、すると、全然、名前しか知らなかった棋士にも、なにか親近感がわいてきたりとかするのです。去年のちょうど今頃、私が順位戦の棋譜を仕入れだしたときに驚いたのが、B2の北浜ー鈴木大戦。大介の見事な逆転を目の当たりにしまして、こりゃ、下手したら、A級とかの観戦記を読んでるより面白いんじゃないかと。やはり、その将棋は、数週間後、新聞や雑誌で取りあげられるのですが、自分で発見したという喜びもありまして、面白い将棋を自分の力だけで見て楽しむのも、一興であると気がついたわけです。

 ただ、将棋を自分で指すのが好きという人は多くても、まだ棋譜の見方に練達した人とか、順位戦の棋譜を下位クラスのほうまで、せっせと眺めてる人は、少ないでしょう。たぶん、昨日のA級順位戦にしても、勝敗を気にしている人は多くとも、将棋を気にしている人は少ないゾ、きっと。

 一度、対局サイトとしては最高峰である、将棋倶楽部24の掲示板で、iモードの順位戦棋譜のことを紹介したことがあります。まぁ、私も、夏や秋の順位戦は、下のほうまで全て見ているわけではないので、なにぶん数百局ある棋譜の中から、面白いのを探すのはたいへんなので、情報交換できないか...と。ところが、結果はまったくの無反応。がっかりしましたね。似たようなこと、マリオのサイトでも書いて、ひとり、関係者らしき方から反応があったのみ。

 私は、将棋の他に、別の道楽ーーフカウラ超合金と同じ趣味、すなわち、草サッカーチームの監督をやっていまして、常日頃から思っていることなのですが、スポーツとかの世界でも、日本代表の試合はみんな見るが、それより下を見ているのは、身内、関係者、ないしは、半分関係者といってよいマニアックなファンだけです。

 棋譜の著作権うんぬんの話よりも、とりあえず、どうすれば棋譜を面白く眺められるのか、それを将棋ファンに伝えることも、一考する価値のあることかと思います。

それは村外の人間がやる以外ない。村は一枚板じゃないと自分で自分の首しめるだけ。摩修陀

 今回は、星勘定が真ん中くらいの棋士の対局メモです。


2/5 順位戦C1 負け方に表れる棋士の個性 (2)

勝又(3勝5敗)−有森(3勝5敗)<後手四間飛車から力戦>

1勝の3人が勝ったので、ことによると3勝でも危ないのかな?後手、有森は四間飛車で、美濃囲いにしたね。勝又、17手目▲68銀で、急戦になるか。

先手は、▲57銀左と出た。後手有森は、とりあえず美濃囲い完成で、有森陣は古典美濃プラス△54歩に△32銀型。勝又、▲38飛に、有森△45歩で角にらめっこ。勝又▲28飛と戻る。よくわからんね。歩は戻れんが飛車はD1-2と解釈。先手なのに有森に攻めさせるという姑息な手段。M

△53金!勝又は角交換、△77同銀。有森△52金上。有森の囲いの駒がどんどん前へ。さらに△63銀。もはや美濃の面影なし。力をためて押せ!これは相撲か?中田功だとふっとびそう。

力将棋だ。相撲だ。ドスコイ。有森、角打って金と交換。3筋から押せ!60手目△36歩。 ▲38飛に、有森ガガンと△27金打ち。まぁ、どっち勝ってもええわ、この将棋。

100手までで、ようやく2−5筋の相撲は一段落ついた模様。これから攻め合い。有森がさっき打った金は遊んでるので、勝又が受けきれるだろう。 勝又、2枚の馬を引きつける展開になれば、有森は完全に切れ模様。で、そのとおりになって有森投了。 <123手目、▲39歩まで、勝又勝ち>有森は水戸泉。好感もてる。M


堀口弘治六段(3勝5敗)−真田(6勝2敗)<横歩取り>

真田はまだ昇級の目もあるんだろうけど、堀口いるから見ちゃおう。横歩取りの出だしから、よく見かける将棋になるかと思いきや。▲34飛、△33角から、▲58玉とすると、ここで真田、18手目△76飛!なんかヤケになったんじゃないでしょうな。いや、相横歩取りで結論でていない変化への突入。最近ないから研究じゃなくって堀口の挑発を顔面受けした真田のド迫力!M

先手、▲84飛を△82歩と受けるまでは必然。 両者、結局、きれいな中住まい。先手の飛車が8筋で、後手の飛車が2筋。ヘンなの。形勢判断の先生だったら、後手は82歩打たされていて、先手はさらに9筋の位とってるから、先手不満なし? こりゃ先手ええがな。やはり飛車交換しないと後手駄目な将棋。先手良しの結論は覆らんね。村山みたいに命張らんと後手の新手はでない。M

堀口は、▲94歩から、後手の香車つりあげて、▲92角打。私でも浮かぶ筋。真田は桂馬はねて5筋殺到。私でも浮かぶ筋。そんなんでいいのかよ。 なんか、堀口ももたもたしてるなぁ。最初、真田が△76飛とやったところから、ちっとも驚かせてくれる手がないのよ、この将棋。北島が指してるなら、それはそれでも良かったりするんだけど、少しずつ真田追い上げてるにしても、全体的にちょっと平凡すぎ。堀口は新車で高速道路入ってからも平均速度維持。もう少しスピード感覚つけてくれんと。若獅子戦優勝棋士じゃったのに。M

さっきの譜の最後、80手目が△31金だった。堀口、▲23桂打の金香取り、真田は金を玉に寄せて、▲11桂成。スカッとしないね。真田陣は、中住まいの玉に駒が張りついているだけなのに。真田の左金は、△32から、△31,△41、△51と3手もかけて玉にへばりつき。まぁ、これが順位戦という好意的な解釈もあるかもしれんけど。どうやら、真田勝ちですか。

ほう。真田玉にくっついてた角が、△95角行なんて手順で出れれば、堀口陣はダメそうですね。この将棋はなんといったらいいかなぁ。あくまで好意的にみれば、不利な真田が我慢して逆転勝利なのかもしれないが、面白くはなかったねぇ。 <104手目、△64金まで、真田勝ち。>

Name : T. Serisawa Time : (2002年2月9日<土>04時35分)


2/5 順位戦C1 負け方に表れる棋士の個性 (3)

真部(5勝3敗)−岡崎(4勝4敗)<先手三間飛車・石田流>

真部、3手目で飛車を四間にふると、一直線に美濃囲いに囲う。真部、6勝目あげると過去の降級点が1コ消えるんだよね。角道通したまま、13手目、▲75歩から、△42銀みて、▲78飛と三間に振り直し。石田流にしたかったの?

先手、真部は▲76飛車と浮いて石田流。後手の岡崎は、とりあえず△55歩と位とって、4筋で1歩もつ。真部陣は高美濃完成しているんで、後手はこれから陣形をまとめなければいけない。

41手目▲77桂、43手目▲97角、真部陣は高美濃に石田流本組で将棋のお手本ですな。後手、岡崎は、陣形まとめるにあたわず、金も角も前線に。55手目、▲56銀と△55の金に当てると、岡崎かわして△66金。真部の飛車は死ぬが、6筋にと金つくって、▲97の角にらんでるし、先手の囲いは堅い。真部勝つでしょ。

終盤、特に何もなし。真部オメデト。岡崎、冴えなさすぎ。ただ、あっさり理想形に組まれて、何もできず負けなわけ?東や淡路の将棋を見た後だから、よけい腹たってくる。 <69手目、▲44銀まで、真部勝ち>真部は不思議な力あってね、羽生も誘惑された位の魔力。岡崎もハマった。コンタクトにすりゃもっと勝てる。M


杉本(5勝3敗)−中田宏(4勝4敗)<藤井システム対居飛穴模様>

こちらは、杉本の先手藤井システム。すぐ▲15歩伸ばす。後手の中田宏△33角をみて、杉本▲36歩。後手居飛穴にするのかと思うと、20手目、中田△24角!序盤駆け引き満載。楽しみ。中田の序盤感覚興味深い。M

なんだ、結局△24角は牽制だね。後手は、とりあえず△22玉まで囲って△33角と戻すが、杉本、7筋で先攻。飛車は互いに、▲78と△72。杉本の左銀が▲75まで来てるんで、なんとかしないと、後手まずい。

40手目、中田、△45歩。これは角交換決定。 ここも、後手苦しいね。角交換しても、杉本▲61角のパンチ入って、7筋壊滅。銀さばかれて、▲77飛車成。△42飛と逃げて、どこまで粘る?

61手目、▲34桂。桂馬のふんどしで王手飛車取りですか?そんなのアリ?まいった。杉本、▲37歩打で自陣のキズ消して、終わったねぇ。

粘りモードの中田宏。△53香、△52香の重ねうちの2段ミサイル。むむ。△24桂、△44桂の「W2」桂馬打ち。△48歩、△58歩の手筋連発。杉本は竜と馬をひきつけて守ってる。むむ。後手陣は、まだ杉本の攻めの竜一枚いるが、とりあえず金銀4枚のカベ。「W2」桂馬打ち>そりゃ双子褌。別名オカマ双生児。筋悪すぎ。M

おお。まさかの逆転劇!遠く△89の馬の筋から、△45金打!杉本の守りの竜を叱りつけた!中田宏、駒全部働かせて、見事!良いときの内藤の終盤みたいだ。いや、△58の歩まで働いて、ギリギリの寄せ決まる!終盤型の棋士だということは、何かで読んで知っていたけど、強いね。その前のところの、桂打ちが効いた。杉本も、竜と馬ひいて守るのに、よく寄せきったよ。今、この棋譜が最後で、ちょっと頭が疲れてきたんで休むが、この将棋は、また見てみる。杉本のどこがおかしかったのか?△53香あたりからの中田の追い込み、すごかった! <128手目、△36銀まで、中田宏の勝ち>中田は穴熊モドキが作戦じゃから終盤でようそこまで競り合う!オカマ双生児が贅沢じゃね。三回もフンドシかけると+山みたいな目にあうゾ!M


2/5 順位戦C1 負け方に表れる棋士の個性 (4)

野月(5勝3敗)ー北島(5勝3敗)<相がかり>

飛車先伸ばして、▲78金、△32金。むろん相がかりなんだが、野月の7手目は▲16歩。すぐに▲24歩といかない、これ、室岡ー神崎戦と同じ。北島、8手目△94歩に、野月▲96歩。ここで、後手から飛車先交換後、野月▲15歩と伸ばす。端に2手かけた先手をみて、北島は△72銀、△83銀と棒銀へ。

ふうむ。よく考えたら、これは将棋世界の新連載対決なんですな。私は、北島の文章のファンなんだけれど、北島の将棋観だと、将棋とは積み木のようなもの。積み木のように、小さな好手を積み上げていくもの。だとすれば、野月のこの作戦は、挑発したというか、誘ったというか、そういう気がしないでもない。野月は、▲26飛の浮き飛車。北島は△82に引いちゃってたからね。野月、△36飛からタテ歩取りに、北島は角交換。野月、1歩得。北島は△54角と打った。この角は目標になってしまうのか。△63銀バックだから、北島棒銀は断念。

ああ。野月、ゆっくり左に銀冠つくって、北島は手がない。52手目、△27桂打ちは早くも形づくり。この将棋、北島の時間配分見たい。野月にやられたね。早い投了。 <63手目、▲75歩まで、野月勝ち。> 先後入れ換え▲15歩で圧迫する将棋。タテ歩取り以下角交換はハマリ。△83銀のしぶとい睨みが減少。康光は王将戦第2局▲95歩の圧迫でうまく指してるけど、北島は羽生の真似しないとこ偉い!よく踏みきったとむしろ感心!M


敗勢の将棋の指し方に表れる、棋士の個性

とくに最近、棋譜を眺めていて思うのは、棋士によって異なる、負け方のパターンですな。勝ち将棋は、ともかく、どんな勝ち方でも勝つしかない。ところが、負け方、あるいは、敗勢の将棋の指し方に表れる、棋士の個性が面白い。

 先月の、B2の対鈴木戦、大介の(いばるほどの手じゃないと思うが)決め手を見て、考慮1時間、形作りに入る内藤。今回の、北島や、東。C2の若手たちの、わりと早い投了は、まだ怖さを知らぬか。もちろん、竜王戦の藤井猛や、その藤井と戦った順位戦の康光の負け方。

岡崎なんかは、かなりこの文章では悪く書いたかもしれないが、かつての全日プロ決勝の谷川戦のことを思い出してみる。ほぼ、何も手を出さず負けおった。ならば、この男の心情を察するならば、ただ消極的だとかいう批判も必ずしもあたらずかもしれない。

 そんなこんなを想像するのも、また楽し。

 次は、いよいよC1の勝ち残り組。これから見るので、ちょっと時間かかります。


また今日も楽しませていただき大感謝!摩修陀