三途の河シリーズ1

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2002.01.05

CHAPTER1 嵐の前の静けさ


「全員参加は無理ですよ」

「なんで?」

「年よりの冷や水で溺死者もでます」

「まさか自分じゃ答えんだろ」

「それが真っ先にピンポンの雰囲気です」

「正解すればいいわけだから」

「タイトル保持者はどうします」

「正確にはタイトル保持者などだ。連盟の棋士紹介ではそうなっている」

などと言いますと?」

「中原誠永世十段と米長邦雄永世棋聖がなど

などの他には?」

「タイトル保持者だ。

羽生 善治 竜王(棋士番号175)

丸山 忠久 名人(棋士番号194)

郷田 真隆 棋聖(棋士番号195)」


「出演交渉開始」

「名人と棋聖はOK一発でした」

「なんで名人が竜王の下なんだと思う?」

「読売に配慮です」

「せめて夜ぐらい入れ変えてもらいたい」

などよりマシかと思いますが」

「十段は竜王戦の前身だから顔が立つが、棋聖戦主催紙は面目丸潰れだ」

などですもんねえ。でも王将、王座、王位、棋王は名前も隠れてます」

「羽生効果だ。で、などは出演OK?」

「ごねてます。居留守です」

「代弁しろ」

「なんでナイクニが閻魔大王で俺が亡者なんだ?せめて舌を引き抜く鬼の役にしろ」

「リクエスト何でもOK。で、もう一人のなどは?」

「留守電に入れときました。返事待ちです」

「なんて入れた?」

「羽生竜王王将王座王位棋王も出演と入れときました。聞きとれたかどうか」

「それはまずい。羽生は今では長嶋だ。裏番スポンサーがつかない」

「でももう言っちゃいましたけど」

「もう一度留守電に入れとけ」

「なんて?」

「ブーハは王将戦で多忙ドタキャン。しかしヒフミンは改宗しても出ると。しかも回答者側で」

「入れときます。会長はどうしましょ」

「当然、審判役をお願いしろ」

「永世十段は副審判ではいかがでしょう?」

「それではミソギにならない。大衆は怖い。クライアントが納得しない」

「しかし無理ですよ」

「作戦がある。まず真田を説得しろ。真田と言えば?」

真田圭一六段 連盟理事(再任) IT事業(正)・普及事業(正)・出版(正)です」

「それだけでは聖なる犠牲者に失礼だ。言い直せ」

真田圭一六段。1997年度勝率第一位賞・連勝賞・新人賞 

第9期竜王戦1997年度挑戦者

「そう。茶髪を捨てたポリシーの無さは丸坊主でミソギしてもらおう。茶髪は若禿のいたりでしたというセリフ台本に入れとけ」

「丸坊主で出演ですか?」

「IT事業を停滞させた罰だとか言って脅かせ。巨匠をなどで放置した責任大だ」

「でも詰め将棋クイズ、正解だしたら河に飛び込めませんけど」

「真田は模範演技を示す」

「間違えたらこうなるということですね」

「着物も着てきてもらおう」

「自前で?」

「クリーニング代は出す」

華原キ-ッ-ク!

諸手をあげて三途の川にダイビングする真田圭一六段

回答者席の棋士たちに走る戦慄!

ポカンと口をあけている行方

硬直した笑顔に眉だけが蠢く福崎

眼鏡に手をかけるニヒル中村

年中真顔ソノマンマ富岡

まばたきしながら赤鉛筆を握り締める屋敷

なにかブツブツいいながら髭を抜いている泉

破滅の言葉を口ずさむ神谷

顔が逆さまになっている中川

思わず旦那の髪にしがみつく大姉御

ヒフミンの横で不遜にも頬を膨らます大介

以上インサート編集

3カメ、ヒフミンからパンして、回答者席最後部右ズームイン

豊川が鼻くそほじっている。 驚きの表情。

コマーシャル直前

三途の川でずぶ濡れとなり仁王立ちする真田!

顔面アップ!

「お茶の間卒倒しますぅー」

「これで真田グッズもバカ売れ。スポンサーが飛びつく。

トコトコ真田ちゃんロボット!

真田ちゃん目覚まし時計!

真田ちゃん仁王立ち抱き枕!

そして売れ筋はサナダムッチー!」

「なんでしょうか、それ?」

「俺にもよくわからん」

「企画買ってプリーズ

「そのためには毎回模範演技で真田ダイビング!」