SPESSARTITE(GARNET)


オクタゴン ステップカット 4.55ct


SPESSARTITE(スペサタイト)/和名 満礬柘榴石/結晶系 等軸晶系/モース硬度 7/別名 スペサルタイト、スペサタイン、スペサルティン、スペサルティン/アルマンディン
ガーネットとは、共通の結晶構造を持ちつつ、その構造に取り込まれる成分が少しずつ異なる鉱物の総称で、鉱物上は16種類に分類されています。そのうち宝石としては6種類。成分の構成上から、赤色系のガーネットである『パイラルスパイト系列』に三種類と緑色系ガーネットの『ウグランダイト系列』に三種類、そしてそれぞれの成分が微妙に混ざり合って、様々な類質同像(同形)の変種を作り出している多彩な宝石なのです。
ガーネット族の中で、パイラルスパイト系に分類されている、明るいオレンジから暗赤色のガーネットです。スペサルタイト、スペサタインともいーます。宝飾品としてのガーネットは非常にメジャーな貴石ですが、このスペサタイトが宝飾品に使われる事は余りありません。美しい石なのに、何でだろ?単純にジェム・クオリティーの供給が少ないんだろーか……。
オレンジ スペサタイト
オクタゴン ステップカット 4.55ct
所謂ファンタカラーといわれるスペサタイトで、非常に明るいフレッシュなオレンジ色をしています。この橙色の発色はマンガン(Mn)によるもので、純度が高い事を示唆しています。
ファンタカラーの人気は高く、この色合いを特にマンダリン・ガーネットと呼んだりします。いや、ホント、舐めたらオレンジの味がしそうなくらい。しかも、酸っぱ系じゃなくて、とろり甘い系の、いよかんみたいな。
レッド スペサタイト
オーバル フラワーカット 9.87ct
こちらはコーラカラーと呼ばれるスペサタイトで、鉄の含有量が多くなってアルマンダインに近付いて来るにつれ、この様な赤色になってきます。
元々色が濃い所へ持ってきて、かなり大きな石目なので、黒く見える印象がありますが、ちらちらと煌く赤色は、とても魅惑的です。
画面の関係で割りとはっきりオーバルだとは判るんですが、実際はラウンドのような、クッションのような、微妙なプロポーションです。
冒頭でご紹介した通り、ガーネットには様々な固溶体としての変種が存在しますので、ほぼ全てのスペサタイトもアルマンダインも厳密にはスペサルティン/アルマンディンの混合ガーネットであり、さらにパイロープやグロシュラー等の成分を多少なりとも含む、複雑な組成の結晶として産出します。


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