特集:公務員制度改革と学校事務職員
発行:2002年11月
A5判 64ページ 500円(送料160円) |
特集テーマは、公務員制度改革と学校事務職員です。 大きく揺れ動いている公務員制度「改革」のなかで、学校事務職員制度はどのように扱われているのか、 制度研の視点で迫っています。 |
「『教育改革』のゆくえと学校事務職員」は、8月にヒロシマで開かれた
第26回制度研ヒロシマ集会のテーマ別学集会での、市川哲氏(京都教育センタ−)の報告を
加筆・再録したものです。 「教育改革」がめざすもの、根っこは「この国のかたち」を変えるための「構造改革」、 今必要なのはヒュ−マンサ−ビスとしての学校事務、の各章で構成されています。 「(多様な住民運動)と結びついて地方自治体の民主化と子どもや父母、 住民と教職員、行政が一体となった学校づくりをすすめるという展望の中に、 今日の『教育改革』の持つ問題点を克服し、子どもや父母、教職員の立場に立った、 あるべき教育改革を進めていく可能性もあるのではないだろうか。」との指摘もあり、 丹念に読んでほしい論文です。 |
宮崎県での30人編成をめぐってのからくりや、専科教員の廃止・職員の労働強化の現実を通して、
第7次定数改善や「標準法」改正の危険性について警告を発しています。 公文書公開請求の取り組みの経過も書かれています。 |
各地で行われている「共同実施」加配を「32年通達」や「任用一本化」政策との関連で論じ、 学校事務職員制度の歴史の中で共同実施」を考える手がかりを提供しています。 |
広島県での再任用制度の運用の実態と、この制度の受け皿としての共同実施の導入状況と その問題点や、効率化の名の下でのIT化、教育事務所の統合などにも触れています。 |
ある県での人事評価システムの内容とその問題点、本来の評価のあり方などについて分析しています。 |
行政改革推進事務局の公務員制度改革大綱、関西経済同友会(教育社会委員会報告)、 大阪府(総務サビスセンター)の文書から公務員制度の基本理念や能力給、 職責給、業績給、能力・業績評価などについて、ピックアップして紹介しています。 |
これはヒロシマ集会のテーマ別学集会での大田英雄さん
(ヒロシマの県立高校の元校長で、海軍司令官の長男)の講演の記録で、特におすすめです。 人生を方向づけた3つのこと、戦争がもたらすもの、しのびよる戦争、という3つの章立てになっていて、 ご自身の戦中・戦後の体験、父親の戦死をめぐるさまざまなエピソ−ド、 オキナワでの戦闘、平和教育への視点などを通して、平和への熱い想いが語られています。 |
サブタイトル(学校統合の取り組みを通して)が語るように 学校の統合が方針化された地域での取り組みです。 統合が既成事実化されるなかで懇談会を企画し率直に話し合うなかで、 統合の2年延期へと結びつき、地区から学校がなくなっても、 地域の人たちのつながりのなかで子どもを守り育てる場が失われない、 という確信を持つにいたったレポ−トです。 |
特色ある学校づくり予算を活用した取り組みです。
予算委員会や職員会議で話し合う中で校内に学習情報センタ−プロジェクトを発足させ、
子どもの居場所づくりを念頭に「学校中が学習空間」を実践しました。 教職員の合意を得た施設改善で学校が大きく変わるということが、力強く語られえています。 |
ヒロシマ集会(第6分科会)で話題になったレポ−トです。 初めての異動で大きく変わった執務環境とその中での自分の居場所探し、 事務研での後輩との出会いとそれによって自分自身が学んだことなどが、 素直な、飾らない言葉でかかれています。 |
今回は高校の事務職員の登場です。職員の数が多く、職種もさまざまな高校で、 文字によるコミュニケ−ションで同僚性を発揮しようとする取り組みに注目してください。 |
効率化=善、非効率化=悪という風潮のあるなかで、本当にそうなのか、非効率にも大事な側面がるのではないか、そんな観点が貫かれています。 教育についても「子どもの権利が本当に実現していないところで義務だけを強化したら、これはもうとんでもないことになる」というような文もあり、学校教育を考えるうえで参考になります。 |