東海道線のサロ110−1200

最後の赤モケットグリーン車


国鉄2等車の面影が残る『サロ110−1200』

 サロ110−1200は”バッタンシート”と悪評高い簡易リクライニングシートを装備しているので、個人的には回転クロスシートのサロ110やサロ111の方を好んで利用しました。しかし、今や最後の赤モケットグリーン車となってしまったサロ110−1200を改めて見ると211系以後のグリーン車では味わえない国鉄2等車の匂いを感じることが出来ます。

「サロ110−1200の簡易リクライニングシート」
設備的にはサロ113リクライニングシート車や最新の2階建グリーン車と比べるとかなり見劣りしますが、グリーン車として営業運転する車内は普通グリーン車としての風格だけは備わっています。

サロ110−1284の車掌室寄り入口上にあるグリーン車表示は2枚の表示がされています。

「サンドウイッチ」大船軒
1898年誕生の日本最初の駅弁サンドイッチ。サンドイッチ自体はハムとチーズのシンプルな組み合わせですが、コンビニのサンドイッチとは一味違った昔ながらの味を楽しめました。なおポークハムは鎌倉ハムを使用しています。

「シウマイ」崎陽軒
冷めてもおいしい崎陽軒のシウマイは東海道線東京口で最もメジャーなおつまみです。

「都こんぶとボンタン飴とポンジュース」
古くから旅の友として親しまれてきた3品を買い求めてみました。ポンジュースは時代の流れで缶からペットボトルに変わってしまいました。
かつてはどこにでも売っていた『冷凍みかん』も探してみましたが、どこにも売っていませんでした。

「トンかつ弁当」万葉軒
千葉まで行って買い求めた万葉軒の「安とんかつ弁当」です。今はなき総武快速サロ113を思い出しました。

「復刻版 特急とき号復刻運転記念弁当」NRE
平成14年12月に183系を使用して想い出のとき号が運転されました。その際に販売された弁当が第11回鉄道フェスティバルで復刻販売されました。中身が昔懐かしい幕の内弁当の再現だけに赤モケットグリーン車で食してみました。

「元祖 洋食屋さん」常盤軒
「お好みそば」で人気がある品川駅常盤軒の洋食弁当です。掛け紙には「洋食弁当」と書かれていますが、商品名は「元祖 洋食屋さん」となっています。蓋を開けるとまん丸の目玉焼きが目に入りますが、ハンバーグ、エビフライ、スパゲティ、鳥唐揚げ、生姜焼き、ポテトフライと洋食弁当を名乗るに相応しい内容です。

「洋食弁当」常盤軒
品川駅常盤軒の「元祖 洋食屋さん」は「洋食弁当」として3ヶ月ごとにリニューアルされるようになりました。写真は3代目にあたる05年3月バージョンです。おかずも野菜の煮物や鳥ももたれ焼き、焼肉カルビ、カニコロッケと全面的にリニューアルされています。

「お楽しみ洋食弁当」常盤軒
品川駅常盤軒の「洋食弁当」は3ヶ月ごとにリニューアルを繰り返しています。写真の5代目にあたる05年9月バージョンではハンバーグとチキンライスの組み合わせとなり洋食ファンを唸らせました。ただ「お料理弁当」と書かれた汎用弁当箱を使用している点が残念でした。パッケージを変えれば子供を中心に名物弁当になるかもしれない出来栄えだけに今後の改良に期待したいと思います。

「網入りみかん」
かつての旅の定番「冷凍みかん」も東京地区では姿を消してしまいました。しかし、季節販売の網入りみかんを東京駅新幹線ホームで見つけましたので、早速サロ110車内に持ち込んでみました。

「チキン弁当」NRE
日食時代から売られている伝統の「チキン弁当」はパッケージや付け合せこそ変化していますが、サロ110に一番似合う弁当かもしれません。

「さよなら さくら・あさかぜ記念弁当」NRE
平成17年2月28日で廃止された寝台特急さくら号とあさかぜ号の東京駅で売られたさよなら記念弁当です。中身は「復刻版 特急とき復刻運転記念弁当」とほぼ同じでした。東京発ブルトレの食事と言えば”食堂車”でしたが、さくら号では”長崎ちゃんぽん”のような名物メニューもあったくらいなので内容にはもう一工夫して欲しいところです。
昔の幕の内弁当は赤モケットグリーン車サロ110が良く似合います。

「UCC缶コーヒー」
サロ110にはグリーンアテンダントの乗務が無いので湘南新宿ラインのように車販コーヒーを楽しむことは出来ません。そのため飲食物は乗車前に準備しなければなりません。
UCCの缶コーヒーは激戦の缶コーヒー界の中で最も歴史が古く、且つその姿は30年以上不変です。

「シウマイ御弁当」崎陽軒
横浜駅の伝統駅弁「シウマイ御弁当」です。幕の内弁当に名物のシウマイを加えたこの弁当もサロ110が良く似合います。

「小鯵押寿司」東華軒
小田原駅の伝統駅弁「小鯵押寿司」です。小田原らしく箱根ラベルの缶ビールでいただきました。

「冷凍みかん」
かつての旅の定番「冷凍みかん」を小田急線小田原駅で見つけましたので、早速サロ110車内に持ち込んでみました。

マコト「ハンバーグ弁当」
このハンバーグ弁当は洋食好みの私としては東京駅の気になる弁当の一つでしたが、東京から乗る場合は東海道新幹線では”JRCP”を、東日本の新幹線では”NRE”の駅弁しか食べないので食べる機会に恵まれませんでした。そこで今回サロ110乗車に際して白羽の矢を立ててみました。

「スターバックスコーヒー」
東海道沿線の駅ビルにはスターバックスコーヒーがある場合が多いのでサロ110車内へも手軽に持ち込むことが出来ます。湘南新宿ライングリーン車の「有機栽培コーヒー」とはまた違った味が楽しめました。

「懐かしの 特急とき号記念弁当」NRE
2005年第12回鉄道フェスティバルで販売されていたものです。復刻版幕の内弁当はNREの得意分野なので味もなかなかです。掛け紙の181系が持つ郷愁感は赤モケットグリーン車にピッタリです。

「山手線環状運転80周年記念弁当」NRE
9つのブロックにはそれぞれ山手線沿線にまつわるごはんやおかずが満載です。
弁当箱がサロ110のミニテーブル上に置けない大きさのため座席に置いて撮影しました。

「横濱炒飯」崎陽軒
550円で本格チャーハンが楽しめる「横濱チャーハン」がリニューアルされました。従来8角形であった容器は丸形に変更され、同時に掛け紙も箱に変更されました。
リニューアル前の「横浜チャーハン」はこちら

サロ110車内ビデオ

サロ110
車内ビデオ
1分603KB80Kbpsrm形式 サロ110の乗車感を残すことが出来ないかと車内ビデオ撮影を試みてみました。赤シートがズラリと並ぶ狭窓車内では隣車のMT54の唸り音や金属の振動音が響きわたり「赤シート」と共に独特の空間を作り上げています。

 東海道線東京口の113系は04年10月改正以降も沼津以東でその活躍を見ることが出来ます。終焉までにはまだ時間が多少あるのでサロ110−1200で名物駅弁を食べながら、二階建グリーン車では決して味わうことが出来ない国鉄2等車の世界に浸りたいと思います。



ありがとうサロ110

 サロ110−1200は06年3月18ダイヤ改正を前にした3月17日に引退することになりました。そこで引退を前にサロ110に想い出の駅弁等を持ち込んで最後の赤モケットシートを堪能すべく乗り納めをしてきました。 

「ありがとうサロ110」
さよならサボは購入品を持ち込み


「廃止10日前の車内」
網ポケットに入れられた「モバイルSuica」のパンフレットが置き換え間近であることを実感させてくれました。
携帯電話内臓カメラで撮影

「東京弁当」NRE
まずは高級駅弁の部類に属する「東京弁当」でサロ110のお名残乗車をスタートさせました。


「チキン弁当」NRE
サロ110乗り納めを締めくくる最後の駅弁は東京駅の定番弁当である「チキン弁当」にしました。


「マカデミアナッツ&チーズ」NRE
東海道新幹線のJRCPがSPS時代より同様の商品を輸入販売してきましたが、NREの売店でも日本のメーカーによる商品が販売されるようになりました。


サロ110置き換え後の東海道普通グリーンは湘南新宿ライン同様のグリーン車Suicaシステムに移行しますが、その案内がグリーン車近くで配られていました。


「ボックスサンドと有機栽培コーヒー」NRE
サロ110ではグリーンアテンダントによる車内販売は実施されませんでした。そこで売店売りの有機栽培ホットコーヒーとサンドイッチでサロ110の最後を飾ってみました。


番外写真「復活!湘南電車」
藤沢駅KIOSK
113系電車の終焉が目前に迫った06年3月10日、藤沢駅の東海道線ホームにクハ86を模したKIOSKがオープンしました。



番外編
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