サービスコーナー

品川駅に停車中の300系先行試作車J1編成

 JR東海は民営化後の運転の中心を東海道山陽直通列車から東京ー新大阪間の運行に力を入れる方針にしたため、JR東海最初の新車として登場した100系G編成ではこれまでの食堂車の替わりに持ち帰り専用の売店”カフェテリア”を設けました。その後登場の300系は高速化に重点を置いたために、2階建車は設計されませんでしたが、100系G編成のグリーン車定員を確保するためにカフェテリアを設けるための床面積を確保することが出来ず、”サービスコーナー”と名付けられた小売店が設けられました。このサービスコーナーはグリーン車を挟む形で7号車と11号車に設けられたため、普通車乗客のグリーン車通り抜け防止を兼ねていました。また設備的には電子レンジも設けられており、登場時はグリーン車専用の食事を加熱調整していました。なおJR西日本の300系F編成や500系W編成にも同様のサービスコーナーが設けられました。しかし、その後登場の700系ではサービスコーナーを設けずに、そのスペースに自動販売機と車販準備室を設置し、ワゴン販売中心のスタイルを確立させました。

 営業面ではのぞみ号が臨時を含む300系・500系で運転される全列車で、ひかり号は定期列車のみで営業が行われました(こだま号での営業はされていない)。SPSとJDが02年10月に合併してJRCPになりましたが、02年の冬頃より300系で運転されている定期ひかり号の内、片方のサービスコーナーが営業されない列車も見られるようになりました。
 03年10月1日に東海道新幹線の品川新駅が開業しました。その際に車内販売もシステムを大きく変えましたが、同時に300系と500系のサービスコーナーの営業は廃止されました。

300系J1編成7号車
量産改造後のJ1編成ではサービスコーナーも量産車と殆ど違いが見られなくなりましたが、7号車サービスコーナー横の客用ドアは左右非対称な配置になっている点が大きな違いとなっています。

300系J1編成7号車

300系J29編成7号車
先行試作車J1編成は量産改造時に量産車とほぼ同じサービスコーナーに改造されましたが、天井などに若干の違いが見られます。

300系J29編成7号車

300系J31編成11号車
カウンター位置は7号車・11号車共に海側に設置されているために11号車のサービスコーナーレイアウトは7号車とは向きが違っています。

500系W1編成11号車
500系にもサービスコーナーが設けられましたが、300系とは違ってカウンター部客用ドア側に衝立が無いため広々した印象です。

500系W1編成11号車

500系W7編成7号車
300系同様に7号車と11号車では配置が逆である。

 03年10月1日は東海道山陽新幹線からのサービスコーナーの廃止だけでなく車内販売の大改革も行われました。従来は国鉄時代からの流れである車販会社ごとに担当列車を割り当てる方法で運営されていましたが、新大阪を境にJRCPとFSNの営業エリアを完全分断させる運営方法に改められました。そのため東海道山陽直通列車では境界の新大阪で必ず交代することになるのですが、新大阪の僅かな停車時間に全ての荷物の積み下ろしをしなければならず、特に搭載品が多い東海道側のJRCPではそれを解決させるためにワゴンに全ての荷物を搭載出来るようにした新型ワゴンを開発しました。10月1日のダイヤ改正以降は基本的にワゴンのみの積み下ろしに変わりましたが、不足分は別に積み込んでいるようです。
 廃止されたサービスコーナーですが、営業運転から外れている300系J1編成を除いた全編成で現在サービスコーナーのカウンター部分を車販準備室にする改造工事が終了しています。


04年03月よりJRCP車販クルーに微妙な変化
 04年03月より車販クルーはグリーン車担当のパーサーを除き脱帽した姿で列車に乗り込むようになりました。また、これと同時にエプロンの着用が廃止され、制服姿でワゴン販売をしています。

JRCP車販クルーその後の変化
 04年09月頃よりJRCPの車販クルーは制服・着帽姿の正装(男性クルーはエプロン姿)で列車に乗り込み、ワゴン販売はエプロン着用という従来のスタイルに戻りました。

FSN車販クルーがグリーティング開始
 開始時期(04年8月に目撃)は不明ですが、FSNの車販クルーは博多や新大阪でワゴンを車内に積み込み後、デッキ外側に立ってグリーティングをするようになりました。

JRCPグリーン車担当パーサーがホーム上でのグリーティングを復活
 05年のGWを目前にした4月下旬よりのぞみ号に限ってJRCPのグリーン車担当パーサーが8号車出入口外側でグリーティングをするようになりました。グリーン車前のグリーティングはJR化後の100系G編成登場時に開始されましたが、いつしか立ち位置がデッキ内側になっていました。今回ホーム上でのグリーティングが復活したことで「のぞみ号」のサービスが少しだけ向上したと言えましょう。

JRCP車内販売用ワゴンがリニューアル
 05年9月より車内販売用のワゴンが順次木目調の新型ワゴンに切り替わっています。これまでの黄色いパステル調ワゴンは車内販売の担当エリアが大幅に変った03年10月の品川新駅開業ダイヤ改正に合わせて登場したもので、ワゴン自体を毎回列車から積み下ろしさせることを前提に設計されたものでした。今回の新型ワゴンではデザインが木目調に変った以外に、通路での乗客との擦れ違いがスムーズに行えるように幅がスリムになった他、ストッパーがハンドル操作から足踏み式に戻されました。
 新型ワゴン切り替え後はワゴンの向きが変えられない500系の先頭車でも対面販売が出来るように、後ろ向きで車両前方へ進むといった工夫も見られるようになりました。

2007年3月1日JRCPの車内サービスリニューアル

コーヒーグレードアップ宣言
2007年3月1日より車販コーヒーのカップデザインが変更され、容器も蓋をしたまま飲めるタイプの物になりました。
また同時にコーヒー豆も自然環境保護(RA)認定を受けた農園で栽培された豆を30%使用したものになりました。
シュガー、コーヒークリーム、マドラーが個々に配られるようになりました。

3月1日より5日までコーヒーを購入するとチョコレートがサービスされるキャンペーンが行われています。


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