江戸後期(文政年間以降)に刊行された『農人往来』(大阪・伊丹屋善兵衛ほか板 ※写真下)に挟まっていたもの。本往来には別掲の恋文も挟まっており、源之助が学習者本人かその親であるかが気になる所である。文面に見える『諸国書状指』は寛政以降に数度にわたって再刊されており、本往来との関係から、この文書は文政年間以降に書かれたものと推定される。また、2行目の『虫尽』は未見だが実際の題簽題ではないかもしれない(例えば『万字尽』などの一部の内容を指すものか)l。

[全文]
    覚
 ・諸国書状指 横本一冊
 ・虫尽 絵入 一冊
   江戸日本橋通二丁目
    山城屋佐兵衛様より
 信州高井郡下木嶋村・源之助


■原寸 縦141mm×横247mm