物理教師のための学習と活動のガイド

アメリカ航空宇宙局(NASA)
人的資源教育事務局教育部

本書は開放資料であり著作権による保護を受けない。
また複製を制限しない。

参考
本書は、アメリカ航空宇宙局の教育プログラムのために、オクラホマ州立大学をはじめ多くの教育者の協力によって製作されたものである。


作者:

Gregory L.Vogt 教育学博士(NASAジョンソン宇宙センター、宇宙教育プログラム)


編集者:

Carla R.Rosenberg(NASA本局、宇宙教育プログラム)、Loger(NASAグレン研究センター・クリーブランド、オハイオ)


訳者:

久下洋一(ロケット雑伎団)


このガイドの活用

ロケットは現存する自己内蔵型輸送機のもっとも古い形式である。2000年以上前に登場する。そして長く劇的な歴史をたどって、長い筒に火薬をいっぱいに詰めただけの単純なものから、遠く銀河系の外にまで宇宙船を運ぶ輸送機にまで発展した。他にロケットほど興奮をもたらす乗り物はない。大人にも子供たちにも、ロケットによる遠い世界への飛行の夢は、壮大な想像力や夢をもたらせる。

少々の単純で安い材料があれば、たとえあまりロケットについて専門的な知識がなくても、子供たちのために非常に刺激的で建設的な自然科学体系を教えることができる。図画工作・化学・歴史・数学・理科など単体科目教育のための使用も可能である。この教育ガイドの活動は、「手作り」を強調している。あなた自身を専門家にしてしまうような、ロケット工学と歴史のの基本的な背景情報を包括した。

このガイドはロケットの歴史的背景・ロケット推進原理・実際のロケット仕組みの概要からはじめる。ロケットの原理では、ニュートン運動力学第3法則に基づく。ロケットがなぜ飛行するか、より効率的にするためにどうするか説明する。

そのほか、ロケット実験を多く取り上げて説明した。それぞれの実験は、身の回りの材料、で安く簡単にできることを配慮した。実践の参考になるよう、各章ごとに必要材料や工具リストをあげた。実験活動・それによって得られる概念のディスカッション・指導要点と設問、という構成でまとめてある。

これらの実験活動はひとつひとつが複数の学習テーマにまたがるので、科目と実験をマトリックス表にした。生徒の疑問やより深い理解につながるように、柔軟応用的にデモンストレーションや実験活動として行うとよい。

所要時間は生徒の年齢や発達水準によるが、高度測定以外の項目では、デモンストレーションであれば数分、生徒自身の実験としても1時間以内で完了するだろう。


使用単位についての注意


材料表は一般に使われている、英式単位表記とした。本文および計算式などでは物理計算において世界標準であるメートル法を用いた。米国では木材やネジ・釘などの規格表記についてメートル法は英式表記より一般的でない。よって材料入手に配慮して英式表記を用いた。(以下訳者注)表記はすべてメートル法とした。


学習内容−実験活動、マトリックス表


リンク


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