ニュートンカー

目的:
載せた質量を使ってその反作用でコロ車を加速することで、ニュートン力学第二法則をデモンストレーションする。
論題:
推進力
説明:
この活動で学生は、パチンコのような装置で木のブロックを投げ飛ばすことが、車を反対の方向に動かす原因になることを実験する。
編集者:
Roger Storm (米国航空宇宙局グレン研究所)
材料と用具:
10cm×20cm×2.5cmの木の板1枚
7.5cm×5cm×2.5cmの木片1箇
7.5cm程度の長さの木ネジ3本(丸頭)
丸鉛筆か短い丸棒12本
輪ゴム3本
木綿糸
マッチ
釣り用オモリ6箇(10〜15g程度)
ドリル錐(オモリの大きさに合わせて錐の径を選ぶ)
万力
ねじ回し
メートル尺

手順:
1.図を参考に、大きいほうの木の板に、3本の木ネジをねじ込んでたてる。
2.小さいほうの木片を万力にはさんで、オモリを入れる穴を2本開ける。
3.木綿糸をしばって同じ大きさの輪をいくつか作る。
4.輪ゴムに糸輪を通して、板に立てた2本の木ネジに引掛ける。
輪ゴムに通した木綿糸の輪を引っ張ってパチンコのように輪ゴムを伸ばし、糸を3本目の木ネジに引っ掛ける。
5.水平な机の上に、丸鉛筆を鉄道の枕木のように並行に並べて、その上に板を置く。丸鉛筆のコロの位置は、実験に正確を期すために毎回同じ位置になるよう印をつけておく。ゴム輪の中に小さいほうの木片を置く。
6.マッチに火を点けて車の上に置き、糸の端を燃す。糸が燃え切れると、輪ゴムは木片を車から弾き飛ばす。そして同時に車は反対方向に転がる。どれくらい車が動いたか測定する。
7.装置を組みなおして、2本目の輪ゴムを加える。再び糸を燃して車が動いた距離の記録を取る。3つめの輪ゴムを加えて実験と測定をする。その次にはオモリを1つから4つまで加えて輪ゴムの本数と組み合わせて実験記録する。
9.各実験の結果を、図にしめしたようなグラフにプロットする。
討議:ニュートン車は、Isaac Newtonの運動力学第二法則の優れたデモンストレーション方法である。実験のなかで、車が移動する距離と、輪ゴムの本数や弾き飛ばしたブロックの質量に明確な関係があることが解る。オモリをブロックに加えることで、ブロックの質量は大きくなる。ゴム輪を加えることで、ブロックの加速度を上げる。
 (この法則のより詳しい理解のために、ロケット原理の章を参照すること)
その章の大砲と砲弾は、ニュートン車とブロックに類似している。
学習要点と質問:この活動は、科学と数学を総合的に取り扱う機会を豊富に提供する。数学分野は距離測定とその記録、データーをプロットし、グラフとして解釈することが要点となる。またマッチを使うので、安全には十分配慮すること。
警告:
マッチを使うと燃焼ガスがあるので、十分換気をしながら実施すること。マッチの代わりにハサミを使うことも考えられるがあまり効果的ではない。ハサミは糸を切ったあと、すばやく引っ込めなければ反作用で動き出した車の動きを妨げてしまうので馴れが必要である。生徒に静止したスケートボードにすばやく載ったり、飛び降りたりする実験を自分自身でさせてみるとよい。スケートボードがどれくらい移動するかに注意する。
警告:
生徒がスケートボードから飛び降りるときに転んで怪我をしないように、生徒の監視者をつきそわせる。
この実験を水ロケットの実験と比較する。

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