風船多段ロケット

論題:
ロケットの段重ね
目的:
どうやって多段式ロケットをデモするかということは、ひとつのロケットを重ね式にすることで運用できる。
説明:
一本の道上でつながれている二つの膨らませた風船は、多段式ロケットの打ち上げを模擬する。それらは風船から噴出する空気によって作られる推力で張り渡された釣り糸に沿ってすべる。
寄稿:
Gregory Vogt,オクラホマ州立大学
編集者:
Roger Storm,NASAグレン研究センター
材料と用具:
長いパーティーバルーン2本(エアーシップ)・・・スタジアム用風船
テグスつり用の糸(縒り線でないもの、号数は問わない)
ストロー2本(ミルクセーキ用)
スチレン製コーヒーカップ
マスキングテープ
ハサミ

手順:
1、2本のストローを釣り糸に通す。室内の壁から壁に釣り糸をピンと張り渡す。糸は人が安全に行き来できる高さに取り付けること。
2、スチレンカップのへりが輪になるようにハサミで半分に切断する。
3、風船を膨らませて、あらかじめやわらかくしておく。ひとつめの風船を7割程度に膨らませて、ノズルをしぼる。ノズルに輪を通す。助手が2つ目の風船を膨らませる。2つめの風船は先端を少し輪に通しておく。2つ目の風船が膨らむにつれて、1つ目の風船のノズルをリングの中で圧迫し、最終的に一つ目のノズルの折り返し部引っ掛けて完全に塞ぎ、2つの風船がつながった状態になる。
4、風船を釣り糸に通したストローのところへ持って行き、それぞれの風船をテープで止める。風船は長手方向を糸の方向と一致させること。
5、望むならロケットの秒読みをして、得意げに2つ目の風船から手を放す。噴出する空気が釣り糸に沿って、2つの風船を推進する。後方の風船から空気が抜けると、前方の風船のノズルが緩み後方の風船を置き去りにして推進する。
終りにのぞんで:大気圏外空間への旅行は、膨大なエネルギーを費やす。その多くのエネルギーは後の飛行段階の推進燃料自体を運ぶために大半使われてしまう。外宇宙に達するための巨大な一体型ロケットを建造する技術的問題解決と膨大なコストを節約する手段としてNASAは、16世紀の花火師Johann Schmidlapによって工夫されたロケットテクニックを選択した。より高い高度に到達して花火を開花させるために、Schmidlapは大きなロケットの先端に小さなロケットを取り付けた。大きいほうのロケットが燃焼を終了した後、小さなロケットは更に高みを目指して上昇した。Schmidlapは彼の発明を、ステップロケットと呼んでいた。NASAはSchmidlapの発明を、「多段式〔マルチステージング)」として利用している。最初の瞬間は大きな1段目ロケットが小さな上段ロケットを運搬する。1段目は燃料が燃え尽きると切り離されて、地球に落下する。そうすることで上段はずっと効率的に目指す目的を遂行できる。空になった1段目の燃料タンクを切り捨てると、ロケットの構造は効率の良い状態になる。宇宙ロケットは軌道に宇宙船を運ぶために3〜4段式に設計されることが多い。
討議:1段目ロケットは上段にくらべて重く大きい。スペースシャトルでは、その段は側面に2つ取り付けられている。その固体ロケットブースター(SRB)は、外部燃料タンクの脇に2本取り付けられている。外部燃料タンクも、宇宙船の外に取り付けられている。SRBは燃焼が終わると切り離されて落下する。やがて外部燃料タンクも同様に切り離される。
学習要点と質問:
・何回かの発射で、2段目風船の運動は教室を横切ってしまう長さが必要かも知れない。
・生徒を励まして、3段式風船ロケットとか、束ね式風船ロケットなどの実験をさせてみる。
・2段式風船ロケットは、釣り糸に通さないで飛行するとどうなる? どうやれば釣り糸ガイド無しの飛行が可能になるか?
警告:

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