錠剤レース
- 目的:
- 化学物質の表面積を大きくすると、反応速度が速くなるということをデモンストレーションする。
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- 論題:
- ロケット燃料と推進剤
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- 説明:
- そのままの制酸錠剤と、錠剤を粉末状態にしたものを、同じ条件のビーカーの水に落として、反応速度の違いを比較観察する。
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- 寄稿:
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- 編集者:
- Roger Storm(NASAグレン研究センター)
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- 材料と用具:
- 制酸錠剤(1回の実験で2錠)
ビーカー2つ
ピンセットまたは鉗子
紙片
秒針付時計かストップウオッチ
小さな木片
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- 手順:
- 1、同じ温度の水を半分入れたビーカーを2つ準備する。
2、紙片に錠剤をひとつ包む。硬い台の上に置いて、上から木片を当て、錠剤を押しつぶして粉にする。
3、紙を開いて、ビーカーの上にかざし、ストップウオッチをリセットする。水に粉末を注いで,同時にストップウオッチをスタートし、薬品が水に溶けきるまでの時間を測定する。
4、錠剤を摘み上げて、ビーカー内の水に落とし、同様に錠剤が溶けきるまでの時間を測定する。
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- 討議:
- この活動は、錠剤を砕いて粉末にすることで表面積が増え、水に溶解する速度が大きくなることをデモンストレーションする。これはロケットの推力を、推進剤の燃焼表面積を増すことによって、推進力を上げることができることと類似した状況である。より多くの燃料が酸化剤にさらされると、燃焼面積が増大し燃焼速度を向上する。固体ロケットでは、中心延長方向の空洞部がより多くの燃料を一度に燃やすために設けられている。これはロケットエンジンから噴出するガス速度を上昇させるのでより大きい加速度を発生する。
液体推進薬は、その燃焼表面積を大きくするために、燃焼室にスプレーされる。より小さな霧粒がより速く反応し、噴射速度を上昇する。
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- 学習要点と質問:
- この活動は、ロケット推進薬の燃焼速度を、生徒が火を使わないで、安全に見せる、観念的手法である。類似した活動として、キャンディー(もしくは角砂糖)を使っても同様のことが出来る。2つを準備し、片方はそのままで、もう一方を砕いて粉にする。そして2人の生徒の口をあけさせて、キャンディーと粉を放り込む。どちらが先に溶けてなくなるか?
または、同じ大きさの木片を2つ準備する。片方をナイフで細かく裂く。両方にマッチで点火して、どちらが速く燃えるかを見せる。
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- 警告:
- 火を用いる場合は、安全対策を十分施す。また二酸化炭素や一酸化炭素の発生にも注意すること。化学実験室などを使用する。