特許情報の多様な情報源

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1.はじめに

 最近、特許情報をめぐる環境が急変していることを 実感されている方が多いのではなかろうか。これまで 特許情報を利用するには、オンラインの商用データベ ースを利用したり、抄録誌や索引等を見てそれを手が かりに実際の公報を入手する判断をつけたり、あるい は特許庁の資料館や地方閲覧所を利用したりという手 段を用いてきたと思う。これに対してインターネット 上での特許情報の提供が始まり誰でもが比較的容易に 特許情報にアクセスできるようになってきた。この背 景には比較的早い時期に特許出願の電子化がなされ、 特許の公報自体がCD−ROM化されていたという事 情もある。また日米欧の3極のハーモナイゼーション の動きに連動して特許情報がマージナルコスト(デー タの複製費、データを格納する空の媒体費、送付費等 、複製のための追加的経費。データ作成、メインテナ ンスの費用は含まない)にて提供されるようになって きた。これはインターネット上で提供される場合には 実質的に無料であることと同義である。このようにし て原稿執筆中の現段階で、米国特許商標庁、日本特許 庁、世界知的所有権機関(WIPO)、カナダ特許庁 で無料で特許情報が提供されている。また3極ウェブ サイトで英文抄録が無料で提供される予定(うち日米 は既に提供)となっており、これで世界の特許情報の およそ9割がカバーされることになる。
 これら公の機関が提供する以外にもインターネット 上では早い時期から特許情報が無料であったり、ある いは非常に安い価格で提供されてきている。これらの 状況をさして特許情報ビックバンと称している人もお られるが、まさに現状は特許情報の情報源の多様化が 進んでいると言えよう。
 ここではこれらの多様な特許情報の情報源について 概括的に述べることにし、具体的なメディアや検索方 法といった利用方法については他の方の論文に譲りた い。

2.特許情報とは

 ところで特許制度はよく知られているように一定期 間その発明者に独占的にその発明の実施権を与えるか わりに、その技術内容を開示し技術の発展に、ひいて は社会の発展に寄与することを目的とした制度である 。従って権利が発生する場合には必ず発明が公開され ることになる。この発明を公開することによって生じ る情報が特許情報である。通常、特許および実用新案 にかかわる情報を狭義の特許情報と呼ぶ。また工業所 有権全般すなわち意匠、商標、審決等の公報や工業所 有権に関する統計資料、ニュース等も含めて特許情報 と呼ばれる場合もある。ここでは前者のみを扱うこと にする。
 日本の場合なら、現在では公開公報および登録公報 が特許の1次情報と呼ばれ、最近ではCD−ROMに よる発行に変わり、それにともなって紙媒体での発行 は停止された。これら1次情報である公報をもとに作 成された抄録や索引、目次類は2次情報と呼ばれる。 ただし索引や目次類は1次情報である公報や2次情報 としての抄録への手がかりとなる情報という意味で3 次情報と呼ばれる場合もある。
 ところでこれらの特許情報の特徴を機能的にみると 権利情報および技術情報、さらには経営情報としての 側面を持っていると言えよう。権利情報、技術情報に ついてはよく言われることで説明の要はないものと思 われるが、経営情報としては例えば二重の研究開発や 投資を未然に防いだり、競合企業の動向の確認や自社 技術の将来を占うような場合には非常に効果的な役割 を果たす。このように特許情報は一般科学情報や学術 文献情報とは性格を異にしていると言ってよかろう。
 また内容的な特徴としては、以下のものがあげられ る。

3.情報源

 さて、既に述べたように現在、特許情報に関しては 多様な情報源が存在する。しかしながら、あくまでも もともとの情報源としては1次情報としての公報類、 これが全ての始まりとなる。ここでは、1次情報とし ての公報類、更に2次情報としての抄録類、また電子 化されデータベース化された従来の商用オンラインデ ータベースおよびインターネット上の特許情報につい て述べる。

3−1.1次情報としての公報類

 日本においては、現在特許公報としてはCD−RO Mによる公開公報と登録公報が発行されている。公開 公報のCD−ROMは、平成5年1月公開分から発行 を開始し、平成6年以後には登録実用新案公報および 平成8年以降は公表・再公表公報をも同じCD−RO M中に含んでいる。また公告公報のCD−ROMは平 成6年1月公告分から発行されているが、特許法の改 定に伴い平成8年3月29日発行分で発行を終了し、 現在は登録公報のCD−ROMとなっている。なお、 CD−ROM公報の発行によって、従来の紙媒体での 公報は公開公報については平成5年末で、また公告公 報については平成6年6月で発行が停止されている。 ただし公告公報については公告制度の廃止による平成 8年3月までは特許庁にかわって発明協会が紙公報を 発行した。
 なお日本特許庁では特許庁から最初に発行されたも のを1次情報と定義づけているが、ここでは他の国々 との整合性をとる意味で一応全文明細書を指して1次 情報と言うことにする。
 そういう意味では、現在は既に発行されていないが JAPIOの公開CD−ROMも1次情報として扱っ ても差し支えなかろう。

 外国については全文明細書がCD−ROMで発行さ れているのはヨーロッパ公開特許、ヨーロッパ登録特 許、PCT公開特許、ドイツ特許、イギリス公開特許 、アメリカ特許であるが、このうち公報に準じるのは ヨーロッパ特許庁が発行するヨーロッパ特許およびド イツ特許庁が発行するドイツ特許だけである。他のも のは特許公報の発行メディアとしてではなく、特許情 報利用のための有効なメディアとして作成されたもの である。これら外国特許全文明細書のCD−ROM一 覧を表1に示す。
 また主な外国特許情報の一覧を表2に示す。

表1 主な外国特許全文明細書CD−ROM

名称内容 発行元発行頻度収納件数(件/枚)年間発行枚数
ESPACE-EP-AEPヨーロッパ公開特許EPO毎週約1,000約100
ESPACE-EP-BEPヨーロッパ登録特許EPO毎週約1,000約80
ESPACE-WORLDPCTPCT公開特許EPO隔週約500約40
ESPACE-DEDEドイツ特許(公開・登録)ドイツ特許庁毎週約1,00052
ESPACE-UKUKイギリス公開特許EPO3週間毎約1,000約18
PATENTVIEWUSアメリカ特許Research Publication社毎週約1,000約100
PATENTIMAGESUSアメリカ特許MicroPatent社毎週約1,000約100


表2 主な外国特許情報

全文明細書抄録索引
アメリカPatent Specification(特許)
Reissue Patent Specification(再発行)
Design Patent Specification(意匠)
Defensive Publication(防衛出願)
Plant Patent Specification(植物)
Official Gazette(USPTO公報)

米国特許抄録(U.S.Patent Abstract)
Index of Patent
Part 1 List of Patentees
Part 2 Subjects of Invention

米国特許索引
イギリスUK Patent Application(公開,'79-)
UK Patent Specificatio(特許)
Patent Specification(旧法)
Abstract of Patent Application(公開フロントページ)
Abridgement of Patent Specification(旧法)
Official Journal Patent(特許庁公報)
Names of Applicants
ドイツOffenlegungsschrift(公開,'68-)
Auslegeschrift(公告,-'83)
Patentschrift(特許)
Auszuge aus den Offenlegungsshriften
Auszuge aus den Auslegeshriften
Auszuge aus den Patenshriften
Auszuge aus den Gebrauchsmustern
Patentblatt
Jahresverzeichnis der Auslegeschriften und Erteilten Patents
Vierteljahrliches Namensverzeichnis
EPCEuropean Patent Application(公開)
European Patent Specification(特許)
Classified Abstracts('84公開分まで)
European Patent Bulletin(ヨーロッパ特許公報)
Official Journal of the E.P.O.
PCTInternational Application Published under the Patent Cooperation Treaty(PCTパンフレット)
公表特許公報,再公表特許公報
PCT Gazette
公表・再公表特許出願抄録
PCT GazetteのSection V

3−2.2次情報としての抄録類

 1次情報の明細書はページ数も多く、読むのに時間 がかかり、また保管スペースも問題になる。現在はC D−ROM化されて従来の紙公報に比較すれば、これ らの問題が軽減されているとはいえ、やはり抄録の方 が情報が大幅に圧縮されているため読みやすく、保管 スペースも助かるという利点がある。しかしその一方 で抄録故に発明の詳細な内容がつかめない点、また公 報発行から若干のタイムラグがあるという欠点がある 。現在国内で発行されている抄録類を表3に示す。こ れらは特許公報の合本発行区分と同一の発行区分合本 としたもの、IPC指定等による1件ずつのもの、技 術分野別の合本としたものに分けられる。

 海外の抄録については、表2の一覧に示す通りであ るが、特にCD−ROMによるものを表4に示す。

表3 主な日本特許(実案)の抄録類

編集法JAPIO日本発明資料、日技貿、中央光学出版、秀央発明通信社、日本アイアール情報管理研究社
区分別合本
7部門26区分別
公開特許出願抄録誌パテントダイジェスト、公開ジャーナル、公開チェックシート公開サマリーQPS(Quick Profile Service)
分冊(1件毎バラ)
IPC、出願人等で抽出
New-SDI抄録シートNEFシート、クレームシート、公開チェックシート、秀央インフォメーション公開サマリーシート版
技術分野別合本   SPS(Selective P.S.)
技術分野別合本(英語)公開特許公報英文抄録   


表4 主な外国特許明細書抜粋CD−ROM

名称内容 発行元記録法収録法・発行頻度
ESPACE-FIRSTEP&PCTEP&PCT公開フロントページEPOイメージ年6回
ESPACE-ACCESSEPヨーロッパ公開書誌(含抄録)EPOテキスト累積収納・年2回更新
PraCTisPCTPCT公開書誌(含抄録)WIPOテキスト全特許を1枚に収納
PATOSDEドイツ公開書誌・主クレームBertelsman社テキスト3分野別,年1回更新
CASSIS-BIBUSアメリカ特許書誌(含抄録)USPTOテキスト累積収納・年6回更新
OG/PLUSUSアメリカ特許オフィシャルガゼットResearch Publications社ミクスト1年分を6枚に累積
APSUSアメリカ特許書誌(含抄録)MicroPatent社テキスト毎月発行,3年分を1枚に累積


3−4.商用オンラインデータベース

 従来は特許調査と言えば、手めくりによる調査をい う場合がほとんどであったが、現在ではまずオンライ ンのデータベースによる調査を行い、必要であれば手 めくり調査を行ったり、必要と思われる明細書のみを 入手して更に内容を詳しく検討するという方法に変わ ってきている。特に公報がCD−ROM化されてから は、全文の検索が可能となったので、かなり詳細な内 容にわたっての調査もオンラインで可能となってきて いる。特に技術情報としての特許調査であれば、ほと んどオンライン調査のみとなっている。
 ここでは商用のオンラインデータベースで入手でき る特許情報について述べるが、現在では従来のホスト に無手順で繋ぐ商用データベースに対してTCP/I Pプロトコルで繋ぎtelnetやあるいはWWW経 由で利用できる商用のデータベースも増えてきている 。従来のオンラインデータベースがそのままインター フェスをインターネットむきに変更されたデータベー スも便宜上次項のインターネット上の情報源の方で触 れることにする。
 伝統的なホストタイプの特許の商用オンラインデー タベースの一覧は表5に示す通り。


表5 主な特許情報の商用オンラインデータベース

ファイル名(データベース名)提供システム 備考
特許(P)P 日本特許、書誌事項+抄録(要約)
JAPIOD,S,O,Q日本特許、書誌事項+抄録(英文)
INPADOCP,D,S,O 対応特許、抄録無し、66国・機関
WPID,S,O,Q対応特許、抄録あり、40国・機関
CLAIMSD,S,O,Q米国特許、書誌事項+抄録
U.S. PATENTS FULLTEXTD,S 米国特許、全文
IFIRXAS 米国特許、譲渡、再審査、期間延長、放棄等
EPATO,Q 欧州特許、書誌事項、第一クレーム
EUROPIAN PATENTS FULLTEXTD 欧州特許、全文
EUROPATFULLS 欧州特許、全文、図面
PATOSEPS 欧州特許、書誌事項、引例、抄録、法的状況
PCTPATO,Q PCT Gazette に含まれる書誌事項
PATOSWOSPCTの書誌事項+抄録
PATDPASドイツ特許の書誌事項+抄録、法的状況
PATDDS旧東ドイツの書誌事項+抄録
PATOSDESドイツの書誌事項+主クレーム
Chinese Patents Abstracts in EnglishD中国特許抄録(英文)
DPCID,S サイテーション、6国・機関
CLAIMS/CITATION D 米国特許のサイテーション

注)提供システムは以下の略号


 日本特許では、唯一と言っていいデータベースがP ATOLIS−Vのシステムである。このシステムは (財)日本特許情報機構(JAPIO)が提供しており、 日本の特許、実用新案、意匠、商標の他に62カ国、 4国際機関の書誌的事項および対応特許情報、20カ 国、2国際機関のリーガルステータスを収録したIN PADOCのファイルもある。特許に関する収録範囲 は公開制度導入以前の公告特許は昭和30年以降であ り、公開制度導入後の公開特許は全て、すなわち昭和 46年7月1日以降が収録されている。公開特許に関 しては、抄録は昭和52年以降に公開されたものにし かついていない。それ以前については要約文となって いる。また1次検索ではインバーテッドファイルを使 用するため抄録タームでは昭和60年以降でないと検 索できないが、2次検索では抄録の全蓄積期間である 昭和52年以降が検索できる。このようにキーワード のみによる検索ではどうしても漏れが多くなるのでI PC(国際特許分類)やFI(ファイルインデックス )やFターム等をうまく組み合わせて使う必要がある 。日本の特許に関しては、他にG−SearchやN iftyから使える図面を除く全文が出力可能なデー タベースATMSがあったが現在はWeb版だけとな っている。また特許、実用新案がCD−ROM化され て以降の全文検索可能なJAPIO分散処理システム もあるが、現在こちらもWeb版が主流となっている。 また日本特許に関しては、DAIALOG、Orbi t、QuestelおよびSTNで提供されているJ APIOファイルもある。これは技術分野によって若 干異なるが、1976年10月以降の日本の公開特許 について英語で提供されている。出願人の国籍が日本 である場合には英文抄録がついているので、日本特許 の概要を英訳する際の参考としても利用できる。

 次に国外の特許に関しては、各国毎の特許のデータ ベースと対応特許(通常パテントファミリーと呼ばれ る)が調べられるものとがある。各国毎のデータベー スも全ての国に関してあるわけではなく主要な国のみ である。また関連特許を調べたり、その特許の重要度 をある程度客観的に調べる際にはサイテーションのデ ータベースが使用される。これは特許の引用関係のデ ータベースである。各データベースの詳細は紙面の関 係でここでは述べないが表5の一覧に示す通りである 。

3−5.インターネット上の情報源

 まず従来のオンラインデータベースがインターフェ ースをインターネット上のWebにかえることにより 初心者やエンドユーザーに使いやすくしたものがある 。これらは、情報源は従来のデータベースそのままで あり、従来のデータベースの利用方法の一環とも考え られる。詳細な説明は避けるが、これらはPATOL IS Web、DIALOG Web、DAIALO G Select、STN Easyなどである。ま たJAPIO分散処理システムWeb版もこの中に含 めてもよかろう。

 次にインターネット上の日本特許のデータベースを 纏めると表6に示す通り。日本特許庁が無料で提供す るものと、民間企業が有料で提供するものとに色分け ができる。特許庁が提供するものでは、公報ジャーナ ル検索、公開特許公報フロントページ検索、PAJ検 索がある。PAJ(Patent Abstract s in JAPAN)検索は公開特許フロントペー ジ検索の英語版であり、平成5年1月以降の公開特許 の書誌的事項、要約、代表図面、リーガルステータス を提供する。また公報ジャーナル検索では平成10年 4月以降に発行の公報全文を提供する。また少し色合 いは異なるが、休眠特許の流通を促進するための(財) 日本テクノマートが提供する特許流通データベースも ある。民間企業が提供するものはNRI、G・NET NEF・NET、ATMS等があるが、特許庁より無 料で上記のようなサービスが開始されたので、何らか の形で差別化するようなサービスに変質していかざる を得ない状況にあるといえよう。

         表6 インターネット上の日本特許情報

データベース収録ベンダー 備考
NRI特:H5-野村総研 会員制有料、各社技報データもあり
G・NET特:H5-,実:H5-グリーンネット会員制有料、表示専用SOFT要
NEF・NET特:S52-,実:S52-ニッパツ会員制有料
ATMS特:H5-,実:H5-富士通会員制有料、専用SOFT要
PAJH5- 特許庁無料、公開、英文抄録
公開特許フロントページ検索H5- 特許庁無料、公開、書誌事項、要約、代表図面
公報ジャーナルH10.4月-特許庁無料、公開・登録・公表・再公表全ての公報、全文、全図面



 海外のインターネット上の特許情報データベースは 表7に示す通り。これらも各国特許庁が提供するもの の他に会員制の有料サービスがある。またIBMが提 供するように全く無料で提供されているサイトもある 。これらについても、それぞれの特徴を理解してうま く使いこなすことが必要である。

       表7 インターネット上の海外特許情報

データベース収録 備考
Shadow Patent OfficeUS '72-無料:最近3年のデータ、最近のPat.Noとタイトル.出力はタイトル,Pat.Noのみ
有料:'72以降全データ、料金体系委は従量制
US Patent Search
(USPTO提供)
US '76- 無料:Boolean search,Advanced Command-Line Search,US Class のブラウズ
出力はフロントページ+抄録
QPAT-U.S
(QUESTEL/ORBIT提供)
US '74-無料:検索およびフロントページ+抄録の出力
有料:フルテキストサーチ,料金体系は固定制
IBM Patent ServerUS '71-無料:検索,明細書全イメージが出力可
MicroPatent US '75-
EP,PCT '78-
無料:今週と先週のUS全文検索,表示,Gazette
有料:左記収録期間の検索,出力
PCT Database
(WIPO提供)
PCT '98-無料:PCT Gazette検索およびPDF形式でブラウズ
CANADIAN PATENT SEARCH
(カナダ特許庁提供)
CA '89-無料:検索、書誌事項
Patent Discovery
(Derwent社提供)
最近3W発行
40カ国特許
無料:検索,出力はタイトル,特許番号,発明者,出願人だけ
PatentExplorer
(Derwent社提供)
US '74-
EP-A '78-
EP-B '91-
有料:全文検索,出力は細かく設定、明細書のオンライン取り寄せ


3−6.1次、2次情報の閲覧と入手

 さて、このようにオンラインのデータベースやイン ターネット上の情報やあるいは抄録紙や目録等で必要 な特許情報を絞り込んでも、最終的に1次情報である 明細書を閲覧したり、入手する必要が出てくる場合が 多い。どこでどのように入手すればいいのか、またど こで閲覧ができるのであろうか。電子化されて以降に ついては、特許庁のCD−ROMを全て持っていれば 問題ないが、実際問題として大多数の企業では出願さ れた全ての特許明細書を持つ必要はなかろう。従って 特許CD−ROMから必要な分野だけ選択的に抜き出 したCD−ROMを入手するか、あるいは必要な都度 必要な明細書を入手するという事になろう。また電子 化される以前の明細書が必要なときはどうするかとい う事もある。
 現在、これらを閲覧しようとすれば特許庁資料館や 関西ならば大阪府立特許情報センター等がある。実際 には各地区に知的所有権センター等公衆閲覧施設があ り、そこで所蔵している資料についても内外国工業所 有権公報解題目録(所蔵目録)に記載されている。ま た最近では特許庁のホームページにこれらの情報が記 載されているので参考にされるとよい。また必要な明 細書のみ購入する場合でもJAPIOをはじめ民間の サービス会社が提供しているので、これらを利用すれ ば最近ではG4FAXを利用して即時に高品質のもの を入手することができる。またインターネット上でも 例えば米国特許ならIBMのサイトからならイメージ で全明細書が入手可能であるが、時間がかかる点と画 質が劣る点であまり好ましくはない。

4.今後の特許情報をめぐる動向

 特許情報の利用に関しては、特許庁がマージナルコ ストで提供を始めている。また特許電子図書館が特許 庁の所蔵する約4,000万件の特許情報をインター ネットで無料で提供する予定になっている。これらに 対して従来の特許情報の提供サービスは、更なる付加 価値をつけかつこれらに対抗できる価格体系で提供せ ざるを得ない。今後の特許情報をめぐる動向からは目 が離せない状況が続くと思われるが、いずれにせよ使 用する側からは安価でしかも使いやすいサービスが増 える事を期待したいところである。

5.おわりに

 現在、特許情報をめぐる環境は急変している。特に 今後インターネットを利用しての提供がますます増え るものと思われる。また特許情報そのものの他にそれ を利用するための資料類(例えばIPC、FI等の分 類等のサーチエイド類)もインターネット上で提供さ れている。特許情報に関連した情報についても、最近 ではインターネット上でいち早く知らせるのがあたり まえになっている。特許情報にたずさわる人間は、す べからく定期的に主な特許庁(日米欧およびWIPO )からの情報をチェックしておく必要があろう。

参考文献

参照URL