[東北近代建築スケッチブック 2]


 

旧肘折郵便局
[山形県大蔵村]

 山形「新幹線」の延伸した新庄駅からバスで約1時間15分。南西へ、月山をめざして山中に入る。
 雪はゆうに3mを超え、国道の両側には地層のような巨大な雪壁が続く。が、谷間の温泉街に入ると、融雪孔から吹きだす湯で、路面は雪が消えている。
 1300年前に地蔵権現によって発見されたというこの肘折温泉は含重曹の透明な湯。共同浴場の建物には共同の洗濯場もある。雪は本降りになってきた。身体があたたまったところでこの可愛らしい郵便局を描く。つい五年前まで現役だった。こんな隔絶された山の中にまで、擬洋風の風は届き、発芽して実を結んだということか。幸い取り壊しの予定はないそうだ。

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