[中四国近代建築スケッチブック 23]


 
定森本店
[広島県三原市]

 三原出身の神楽坂建築塾研究生の強い勧めで、三原駅北東の旧街道筋を歩いてみたら、築250年といわれる造り酒屋の建物に出会った。「定森本店」である。身舎と下屋の清楚な屋根、誇らしく吊るされた杉玉、上品な格子など、まわりの新しい建築たちではとうてい太刀打ちできない見事な風格が感じられた。特に内部の小屋組みは縦横に梁と貫が飛びかい、外観からは想像できないその垂直性は見るものを圧倒する。
 現在は酒つくりは止めており、美味なる奈良漬けを売っている。
 他にも近世商家や近代建築が立ち並ぶ中四国きってのまちなみたちも、まもなく道路拡幅工事により姿を消すことになる。

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