セイブシシバナヘビ Heterodon nasicus
2009 10/28 公開
    11/18  更新
 北アメリカ原産の丸顔、ずんぐり、癒し系ヘビ。
 外観同様、仕草も何となくスマートさに欠ける、いや可愛い。素早さは今ひとつでモゾモゾモゾと動き回る。
 
 イメージにあるヘビ、例えば青大将のワカコなどが「鞭のようにしなやかな力強い筋肉で獲物を巻き上げ、抵抗されない状態になって初めて頭から飲み込む」のに対し、この子らはそれら全ての過程を省く。噛み付いた場所から生きていようが死んでいようが、黙々と飲み込んでいく。頭から口に入れれば直ぐに飲み込めるのに、脇腹あたりに噛み付いて、鯖折にしながら苦労?して飲み込む。どうせ飲み込まれる運命なら、一思いに絞められた方がまだ良いような・・・。もともとはカエルとかいったツルンとしたものを餌にしているのだから、こんな食事マナーになったのだろう。
 
 また、ゆるキャラではあるものの、シューッという怖ろしげな音を立ててアタックしてくることもある。しかし、青大将のワカコにそれをされたら必ず出血ものだが、彼らの場合、その名前の由来でもあるシシバナをコツンと当ててくるだけなので、痛くも痒くもない。シューッ、コツン、シューッ、コツンとされながらも手に取れば、それで終り。だんだんと馴れて来る。こういったコケオドシをするところが、またまた可愛い。
 
 
 先に家に来た♀を「ナチョ」、その後婿入りした♂を「ルチャ」と呼ぶ。メキシカンレスリングの覆面をイメージした呼称。年齢の差以上に、雌雄の体格差は歴然で、♀は実に堂々たる体格となる。ナチョはずっと90cm水槽に居を構え、ルチャはプラケース住まい。春の季節になったらルチャを90cm水槽に送り込む。
 
 ナチョは2年目の夏(2008年6月29日)、無精卵を10個産卵。
 翌年2009年の春、まだ一歳にもならない幼いルチャだったが、ナチョの水槽に送り込んだ。食べられてしまいそうな体格差だったが、ルチャは果敢にナチョに挑む。身体を平行にし、全身をカクカクさせるような独特の動きをして大女にアピールする。
 そして目出度くもナチョは4月27日に有精卵を19個産むのだったが、不幸にも産室を入れる寸前の産卵。産室無しで産卵された全ての卵はヒーターの熱で干からびてしまったのだった。そしてそれから1ヶ月程経た5月31日に2回目の産卵。この産卵では卵の大きさが大小不ぞろいであり、明らかなダメ卵も含まれている。10日目に穴の空いた卵を見つけ、開いてみたら胎児が発生していた。小さな心臓も動いており、ショック!
 
 
 結局残ったのが大中小の3つの卵。(大)は(小)の3倍ほど。産卵から2ヶ月近くの7月18日に(小)が最初に孵化。次いで翌日に(大)が孵化。(中)の卵からはなかなか出てこない。2日待って開けてみたら仔ヘビは卵の中で息絶えていた。早々に卵を開けてやればよかったのか、それとも生きている内に取り出しても、何らかの不都合で生きながらえることは出来なかったのか分らない。
 
 なんとか残った仔ヘビは2頭。それも卵のサイズから極端に違うため、生まれた仔ヘビの大きさも随分と違う。しかし、(小)は孵化10日目から毎日刻みピンク(ピンクMサイズを半分に)をモリモリ食べたのに対し、(大)は結局1ヶ月も餌を食べなかった。が、食べ始めたら何事も無かったように餌付いている。そして、最初の食事時期の差により、両者の体格差はそこそこ縮まってきた。
 
♂:ルチャ →
♀:ナチョ
 ↓
発生10日目の胎児
ようこそ、この世へ!
(小)
(大)
 先日、実家の父に持たせてみたところ、大人しくて可愛いという評価だった。♀のナチョはそこそこボリュームもあり、さらさらとした肌触りも気持ち良い。ハンドリングの際は、手指に巻きついてこないので、両掌の上で愛でる、あるいは膝の上に乗せるなど、鈍重さをカバーしてあげたい。
この顔でヘビなんです 
擬死行動(死んだふり)について
 
 飼育下ではあまり見られないという擬死行動だが、幸か不幸か(蛇には絶対不幸)遭遇したので紹介。
 
 私が発見したときには既に擬死の状態にあり、どのような経過を辿ったのか分らない。ただし、原因は我家の猫たちなのは明らかであり、私が見ていればこうなることは無かったに違いない。
 
 現場の状況からすれば、障子をぶち抜いたチビタン2匹が生物部屋に乱入、いつものデュビアケースは動かないようにしたので遊ぶことができない。次に狙うのがシシバナ90cm水槽。入る隙間はないが樹脂のネットに爪がかかるので引き剥がすことが出来る。恐らくガンマがやったと思うが、体が入るほどの隙間を作り、シシバナと相対する。前回は掃除中に開けた蓋から、2匹が水槽に入った時点で私に見つかってしまい、対決できなかったのを根に持っている。
 
 さて、どうやってヘビを外に出したのか?くわえて持ち出したのか?引きずり出したのか?あるいは中で追い回してヘビが逃げ出したかは定かではない。廊下で遊び盛りの仔猫2匹を相手に、威嚇も通じないシシバナはとうとう擬死行動をとったのではないかと思われる。
 
 で、その擬態の出来はどうだったかといえば、噂に聞いていた私だが「猫に殺されちゃった!」と、まんまと騙された。そして、猫たちの更なるいたぶりを免れたという結果からして、猫たちも騙されたわけである。
 仰向けになり、口を大きく開け、そして突き出された舌は干からびた状態になっていた。悪臭を出すと言われるが、臭いには気が付かなかった。
 
 出勤前にそのような事態となって、パニックになる私だが、チビタンたちの破った障子をガムテープで塞いだりしてオロオロしているうちに、干からびたはずの舌に血液が戻ってきた。そしてやっと、あ、これが擬死行動か、と気が付いたのだった。
 
 画像は死んだ真似をそろそろ止めようかな、となった状態。
 干からびた舌のリアルさを画像に残せなくて残念だが、彼女の思う壷にはまってしまったために、そのようなゆとりはなかったのだ。
 
 今後は猫の脅威から絶対に守りますから、どうぞ許してください。
(猛反省)
*犯人たち*
ごめんね