あまりにも有名な餌昆虫で、昔から釣具屋などで野鳥の餌として用いられてきた。
なぜに釣具屋かといえば、この中部地方では「釣り人=生き物に興味ある人」であった(過去形)。釣り人は山に入り渓魚を釣り、山菜を採り、自然の恵みを享受することで楽しみを得る人種であった。
もちろん、小鳥だけでなく、小動物一般に対して便利な餌として用いられ、本来は穀類の害虫というレッテルが貼られるはずが、手軽な餌昆虫ともてはやされた。しかし、両生爬虫類の飼育が広まると共に、栄養が偏る劣悪な餌という不名誉な扱いを受けた。勝手なものだ。
ミールワームは高蛋白、高脂肪で、外骨格の消化はよくない、とはいえ、たまに与える分には全く問題ないと思う。
カップラーメンを毎日食べ続ければ栄養失調になり、体調の悪いときにステーキを詰め込めば下痢をする。そういったものだと思う。
もちろん、ミールワームを食べなくても何の差しさわりもない。カップラーメンしかり。
ガットローディングやビタミン剤を併用すればかなり使えるようだが、我が家では面倒なのでカップラーメン扱いとなっている。
個人的には、栄養だけでなく、味や食感といった刺激も大切にしたいので使っている。
幼いヒョウモントカゲモドキが、初めて見るミールワームを食べ物とみなし、抵抗されながらもブンブン振り回しながら胃の中に収めていく、そんな姿を見ながら「世の中にはこんな食べ物もあるんだよ」と笑みが浮かぶ。
このミールワームは、いわゆるオヤツなので自家繁殖をしていない。年に数回釣具屋かペットショップで購入してくるだけだ。
ライフサイクルは最適環境で3ヶ月、メスは1ヶ月ほどの成虫期の間に160個ほどの卵を生むという。卵から1ヶ月ほどで餌サイズになり、7回の脱皮をして蛹になる。ジャイアントミルワームと同様、蛹は幼虫に食べられ易い。3週間で羽化するが、成虫は強烈な匂いを出すため餌としての利用はほとんど無い。食べられるのは、羽化直後の色白の間だけだ。
「Futtertiere」 F.Bruseら より
ペットとしての価値: 我が家で一番小さい容器で暮らしている。シロワラジムシより世界が狭い。同じ仲間のコクヌストモドキと同様、非常食的な扱いにも耐え、なんだか健気さを感じる。