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大腸がん体験記



◇◇◇ はじめに ◇◇◇



                    
                    

ある日、突然夜中に目が覚めた。おなかがおかしい。三度も便所へ行く。この感覚は普通と違う感じがしたが、これが症状の進行途中だった。

病院へ行ってみようと思った。ただ、外科より内科に見てもらいたくて初診のように問診を受け待合廊下で待っていた。

そしたら、外科から名前を呼ばれ、「あれっ?」と少々不満に思った。

と言うのも、胆のう摘出以来外科には、3ヶ月に一度予約通院している。
術後の経過観察が主で、高血圧を理由に薬を処方されているので、休まず薬をもらいにいかなくてはいけない状況がある。

で、外科のY先生が「今日はどうされましたか?」と聞かれたので、左下腹部を指し「ここが痛いんですが。。」と言うと、そこ以外の腹を触診して「ここは痛くないですか?」「痛くないです。。」(なぜ痛いところを見ないんだぁ?)

と、不思議に思いながら言われるがままに、「整腸剤を出しておきます」と簡単にすまされた。医者が言うので安心して帰った。(23/3/25)

整腸剤を飲むと何となく、おなかの調子も良くなった感じがした。(笑)

                   

それから数ヶ月過ぎた夜中、おなかに違和感を感じてトイレに行った。3回も起きた。で、3日目の夜中とうとう排便しようとすると、痛みが出て排便に支障がでてきた。朝一番の血便もあった。

4日目の夕方、日曜日だったが、恐らく今晩は痛みで眠れない予感がしたので、救急外来で痛み止めをもらいに行った。先生に明日必ず診察に来てくださいと言われた。

今度は内科で見てもらうぞ!と思い、待合廊下で待っていると、内科4番から呼ばれて診察を受けた。検査結果を見ながら「炎症反応が出ています」

と言われて触診を受けたが、若い先生だったので判断が難しかったのかベテランの先生に診てもらうので、内科2番に回って下さい、と看護師の
指示に従った。

ベテランの内科の先生が検査結果を見ながら、スケッチを書いて説明してくれた。S状結腸の部分に炎症が見られるので腸炎か、或いは腸壁に
小部屋を作り便がたまり炎症をおこしているらしい。

患者の私に気を使って「大腸がん」とはあえて言われなかった。無用な心配をさせない配慮だと思う。私は別にありのままでよかったのだが。。。

                   

結論は「今から即入院して下さい」との事。

え、えええ、急に言われても仕事の段取りがあるので。。、と言いながらも病状からして即入院は正解だと理解した。で、すぐその日に入院した。

※外科のY先生には腸の症状の話は一切言った事がなく、それまでは腸の異常は全く見られなかった。外科のY先生の名誉のために書いときます。
実際の執刀医は若いH先生で前任者から「ファイター」だと聞いた(笑)



1日目
23/10/24

■緊急入院

内科の先生の即断で関係者に入院依頼をしていただきました。また担当医が外科に変わる事も言われて、やはり「手術になるな」と直感した。

★書類関係
・外来通院ノート、診察券
・入院申込並びに医療費支払保証書
・身元引受人
・連帯保証人
・基準寝具個人貸与台帳
・印鑑

・承諾書
・輸血用血液製剤使用同意書
・血液由来医療品使用同意書
・行動制限に関する説明及び同意書
・上部消化管内視鏡同意書/問診表
・下部消化管内視鏡同意書/問診表
・鎮痛・沈静(セデーション)に関する同意書

■入院準備のため自宅に帰り急いで必要な物を用意した。以前、胆のう摘出の経験から、メモをコピーしてそろえたので参考になった。
※胆のう摘出体験記の日記からコピーする
PM3:00頃 
入院してまず体重測定し、さっそく点滴をする

2日目
10/25


■緊急外来でお世話になったT女医先生からスケジュールの説明を受ける
■点滴(栄養剤、抗生物質)
3日目
10/26

■点滴(栄養剤、抗生物質)
4日目
10/27
 
■点滴(栄養剤、抗生物質)
CT、レントゲン、大腸内視鏡検査
(大きい内視鏡がS状結腸から先が通らず、小さい内視鏡にかえた。)

■腸内写真の説明を嫁と2人で受け、明らかに大腸癌だと知る。外科の先生に最短で手術できるようにお願いする事にする。
5日目
10/28
 
■点滴(栄養剤、抗生物質)
仕事を病室に持ち込む
呼吸法の練習中(元素潜り漁師の私に呼吸の練習とは。。)笑

■胃カメラ(午前中)
肺活量検査
点滴以外に栄養ドリンクを補給する
■午後から外出する(仕事で契約書等の書類作成)

6日目
10/29

■点滴以外に栄養ドリンクを補給する
(デンプン味とチョコレート味?とカロリーメイト味の3種類を飲む)
7日目
10/30

■点滴以外に栄養ドリンクを補給する
(デンプン味とチョコレート味?とカロリーメイト味の3種類を飲む)

■剃毛 電気カミソリ使用

■下剤を飲む
8日目
10/31

手術当日

■AM9:30
隣の個室で浣腸する数リットルの液をお尻から注入され、便をもよおせばトイレに駆け込み数回繰り返す。

■AM11:30
手術による痛み止めのため背中に針を刺し麻酔導入の管を準備する

■PM2:00〜PM8:00
手術室に入る

■10/31PM8:00〜11/1AM10:30
ICU(集中治療室)で1泊する
夜中に麻酔が切れて目が覚めたら、先生がベッドに座らせてくれた。
座る事により背中の痛みが和らいだ。

それから横になり眠りについたが、背中の痛みが気になり寝返りを
繰り返すも、とうとう我慢できずに、看護師にベッドを起こしてもらい
座ったら痛みが和らいで、座ったままうたた寝していた。

再度、眠りにつくが背中のいたみが気になり熟睡はできなかった。
このへんが一番つらい時間帯だった。 

※この痛みは手術によるもので、床ずれの痛みではない。だから痛みを我慢せずに痛み止めを注射してもらえばよかったが、なぜか我慢してしまった。
 (写真は先生にお願いしていただきました)

※傷病名は『S状結腸癌』です。
(場所は左下腹部の腸の第4コーナー曲がり角あたり?笑)
レベルはステージ3の後半(リンパ節に転移している)らしい

★★★レベルについて(後述)★★★
癌組織の臨床検査結果が11/18に判明した。
ステージ2のようです。リンパ節への転移はなかった。
念のためにゼローダ錠300を半年間服用する事にする。
(※副作用の説明も十分聞いた上で決めた)

手術で取れるところは全部取ったが、他臓器への転移は経過観察を
要する。定期的通院で診ていくとの事

9日目
11/1

術後1日目

■AM10:30 病室にベッドごともどる
■すぐに処置室まで歩いて付替えに行く
■PM3:50 理学療法士(リハビリの兄ちゃん)よりマッサージを受ける
■PM4:40 吐き気がして薬をもらう
10日目
11/2
術後2日目

ベッドのリクライニングが手動式のため、嫁に付き添いで1泊してもらう
■AM12:00〜AM6:30 背中の管から痛み止めを4回注射してもらう
■PM3:00 理学療法士(リハビリの兄ちゃん)よりマッサージを受ける
 廊下で歩行訓練をする
■やわらかめの便が少しずつ出る
入院以来ずっと点滴だったが、昼食からおかゆがでる
11日目
11/3
術後3日目

再度、嫁に付き添いで2泊してもらう
■AM2:00に 背中の管から痛み止めを1回注射してもらう
■昼食から普通食になる
■便はもよおすたびに何度も行く

12日目
11/4

術後4日目

■背中の管が外れる
■PM4:00 理学療法士(リハビリの兄ちゃん)よりマッサージを受ける

13日目
11/5

術後5日目

■外出許可を申し込んだが却下される(痛み止めを点滴しているため)
■仕事を持ち込む
■理髪店(病院内の6階にある)
頭を洗いたいのと、退屈な時間を何とかしたくて散髪をする
散髪台の背中に、ローラーのマッサージが作動した時は、腹の傷は
大丈夫か?と少しあせったが元気のない機械で助かった(笑)
14日目
11/6

術後6日目

■小便の管が外れる
■院内をリハビリを兼ねて散歩する
■仕事を持ち込む

15日目
11/7

術後7日目

■11/7 退院(PM1:00)

入院費(国民健康保険限度額適用認定証交付)
23/10/23       診察         ¥1,120
23/10/24〜10/31 入院、検査、手術 ¥91,250
23/11/01〜11/07 入院         ¥56,660

合計   ¥149,030

※担当医は腸捻転他を気にしながら、「もう少し入院してもいいよ」と言ってくれましたが、私の体調が良好なことと、仕事が急務なので独断で退院をお願いしました。

■車を運転して自宅へ帰る

■シャワーを浴びて、仕事で営業に行く

仕事復帰
■11/8 現場調査へ
建物の定期調査のため、脚立を担ぎ天井裏を覗き写真を撮り3階建てのビルの内外を歩き回ったが、傷口には何ら問題はなかった

■11/9
パソコンで仕事

■11/10
パソコンで仕事
傷口も治った感じなので、湯船に入ったら快適で傷も、腹も癒された

縦に30cmぐらいの傷だが、見た目は痛々しいが痛みはあまりない
(傷口にはオロナイン軟膏を塗っている)

手術中に膀胱を傷つけたのでその痛みはある


■11/11
左側の腰部とお尻に、筋肉痛みたいな痛みを感じて、歩行に少し影響がでたため大事をとって休養する

■11/12
建物の定期調査のため現場を歩き回る
※体調は動けば多少の痛みがあるので、まだまだ全快ではない

振返れば
■症状として
年に1〜2回背中が痛み、横に寝て10〜30分ぐらい安静にしていたら治った。また背中を踏んでもらったら痛みが緩和された。

手術の1ヶ月前には
・便が細くなった。
・血便が朝一番に見られた。
・おなかがひんぱんにグーグー鳴り出した。
・横になって休むと急に重苦しい疲れが全身ををおおった。その時は冗談に癌の影響かも知れないと思いはしたが、まさか本物だったとは。。。

最後に
検査入院が1週間、手術後1週間の計15日間の入院生活だったが、関係者のみなさん全員の方が、「たいへん優しい方」ばかりで快適な入院生活を過ごせました。

事務員、看護師、掃除のおばちゃん、リハビリの兄ちゃん、医師、また入院患者のみなさん全員の方が「思いやり」がありました。

おかげで軽快な回復を遂げました。ありがとうございました。

                 小田新吉

今後は
癌細胞の他臓器への転移の推移を経過観察しながら、対策を立てていくので、病院とは長い付き合いになると思う。

最悪は死に至る可能性もある。結末がどうなろうとも運命と思い、ありのままを受け入れなければならない。

死ぬ事が怖くない訳ではないが、生きるも死ぬも、神のみぞ知る運命であるので、ジタバタしてもはじまらない。今まで通り好きな魚釣りを楽しみながら、天命をまっとうしようと思う。


願わくば母80才より後に死ねれば本望だが。。。まぁ、こればかりはなるようにしかならないでしょう(笑)

               

一年目
検査

24/10/24


       ★★★ 一年目検査 ★★★
                 (24/10/24)


術後一年目になるので傷口の様子やら、他に異常は無いかを腸内カメラで調べる。

前の日の夕方から絶食して、朝から検査を受ける。
採血、小便、CT検査(注射で造影剤?注入:体が温かくなる)

2gの下剤を1時間かけて飲む。

本日は4人(若い女性1人、私59才、男65才、男72才)の方がトイレの前で腸内清浄をした。

女性の方は「正」(トイレの回数)が異常に多く、他の方は12回前後で看護師のOKをもらった。

みなさんで世間話をしたり、自己紹介などをしながら時間をつぶすなかで、男65才の方が心配そうな話をしてきたので、手術が初めてなのか?と思い、私の上記の入院生活を得意に話していたら、

何と、この方は3回の大手術を体験され、腸内爆発で1か月の入院と、意識不明の大変な体験をされ、腹の傷も3回切腹されたそうで、私の予想をはるかに超えていた。

お互いの腹の傷を見せながら、2回目の切腹はへその反対側を切り、3回目は傷の上を切ったらしい。

私は大変勉強になり、人間の体の頑丈さを知った。
生死をさまよった人間は精神的にも強くならないと、生きられないので、もう、開き直るしか道はない。たくましく生命の炎を燃やすしかない。

腸内カメラの検査はだいたい30分で終えるが、私は1か所ポリープが見つかり、ついでに切除してもらった。5ミリ以下と小さかったので簡単に、痛みもなく取れた。

前日にポリープがあれば切除し、念のために1泊するので準備をして来るようにと、説明を受けていた。



説明を受けた通りになったので1泊した。4人部屋だったが、明日すぐに退院のためみなさんには、あいさつは失礼と思い止めて、朝、先生の問診を受けて退院した。


ポリープ
切除後

振り返れば、ポリープが出来た時は、何か体の節々が傷んだ感じがあり、何か体のどこかの異常は感じていた。でも、老化現象だろう?!とか、運動不足かな?とか思い、またどこかで開き直った心境があり、「なるようになるさ」と覚悟があるので、どうなろうとも心配はしない事にしている。(笑)

そんな楽天的なせいか、腸内は快調で食事も大食いの傾向にあり、体重も増えてきた。気を付けて食事量は管理しないといけない。

運動もサンドバックを10分ぐらいドつく程度で汗もかかないが、そのうち汗を少しかくぐらいは運動したいと思う。


調子にのって酒を飲んでいたら。。。
忘年会で腹いっぱい酒を飲んでみた。飲めば飲めるものだが、やはりアル中の癖が出てしまい、毎日少しづつ飲む誘惑に負けそうになる。

気づいて毎日飲むのは止めたが、正月に自分の還暦祝いをして吐くまで飲んだ。その後ももらった酒が無くなるまで数日飲んでいたら、体調が少しおかしくなってきた。(肝臓と膵臓に違和感あり)

またまた気づいて酒を飲むのを止めた。

2/13に採血してみると、さすがに肝臓の数値が上がっていた。
(γ-GTPが基準値10-47から136と高くなっていた)
酒を止めれば基準値まで下がるかもしれない。一度肝臓を悪くしたら簡単に元には戻らないかも知れないが、節制すればそれなりに体が楽にはなる。

LDL-C(悪玉コレステロール)基準値60-153は、薬を処方してもらい207から113に下がる



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