Party people パーティーピープル (連載第462回)

 新型コロナウイルスへの感染を避けて家にこもる生活(stay-at-home life)が始まって半年が過ぎた。私の場合、日課だった近所での買物も週に2回ほどに減り、外食は全くしない。もともと健康に自信が無いし、中高年に分類される年代なので仕方が無い。

 それでも何とか生活が成り立っているのは、今日のように物質的に豊かな社会を築いた先人の努力の賜物だろう。感染拡大初期の混乱により発生した一部商品の品薄はほぼ解消した。買物のほか各種サービスの利用や社交活動も、家にあるタブレットなどの安物の機材を使ってオンライン化を進めた結果、外出しなくても済む。ネットを通してありとあらゆる映像でも世界中どこの景色でも見られるし、その気になれば画面上で相手の顔を見ながら会話もできるので、退屈することはまず無い。

 誰もが自分のような暮らしに徹すれば感染拡大は終息に向かうはずだが、現実社会では外で働かないといけない人も多いから、それは叶わない。自分がほとんど家にいる生活を送れるのも、通販や宅配のようなサービスがあってのことだ。

 どれほど感染防止に気をつけていても、人と接する機会が多いほど感染リスク(risk of infection)は高まる。ウイルスは飛沫や接触により人から人にうつるのだから当然だ。それでも、公共交通機関で移動したり、マスクを着用したまま少し離れて話したりするくらいでは感染しないことも経験的に分かってきた。

 だが社会的動物たる人間はそれだけでは満足できないものらしい。特に欧米型の社会ではそうだ。伝染病が蔓延している最中に飲食店や自宅での会食を止めようとしない人達がいる。ひと昔前からパーティーピープル(party people)、または英語の原音に近いパーリーピーポー、もしくはそれを略したパリピというカタカナ語で呼ばれる比較的若い年齢層に多い。この国では昼間からカラオケに興じる中高年が集団感染した例もある。グラスを片手に食べ物をつまみながら談笑し、または高歌放吟している人の中に感染者がいれば、かなり高い確率で人にうつす。国によってはその種の行動を禁止または制限しているところもあるが、無分別な輩は後を絶たない。感染者の増加が一時的に止まったように見えても結局、その辺からまた感染が広がってしまう。

 危機感に乏しい一部の人達のせいで多くの人々の健康や生命が損なわれるようなことがあってはならないと改めて思う。

(『財界』2020年10月7日号掲載)

【注】本稿で取り上げた英語表現については筆者ブログに解説記事を載せてあるのでクリックしてご参照ください。→ party people 【パーティーピープル(パーリーピーポー、パリピ)】


※掲載日:2020年10月22日
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