Can Reach 連絡が取れる (連載第415回)

 今年は自然災害が多い。9月に入って猛烈な台風が近畿地方を、続いて強い地震が北海道を襲った。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げたい。

 北海道は自分の身内が多く住んでいるだけに他人事ではなかった。6日午前3時過ぎの地震発生から1時間ほど後、たまたま目が覚めた私は携帯電話に防災速報メールが入っていたのに気付いた。テレビを点けて速報を見ると実家周辺の震度はさほど大きくなかったが、念のため母の携帯電話にショートメール(SMS)を送ったところすぐに電話がかかってきた。停電・断水しているが落ちて壊れたものは無く、札幌より震源に近い親戚も全員無事と連絡があったと母は言った。電話がつながったおかげであまり心配せずに済んだのは幸いだった。

 災害時に停電しても常に自分に連絡が取れる手段(how you can reach me)を身内に知らせておくことは重要だ。電話が通じない事態も想定してツイッター等のSNSや災害伝言ダイヤル等の活用も考えておきたい。

 今回の災害報道で初めて目にしたのは、長時間にわたる停電(blackout, power outage)中にスマートホンに充電しようとする人々が街中で長蛇の列を成しているニュース映像だった。私の家族は消費電力が少ない(low power consumption)昔ながらの携帯電話(conventional mobile phone)、いわゆるガラケーを使っているおかげでバッテリーが長持ちする(the battery lasts long)。今回は長話を避けメールを多用した甲斐もあって、実家が停電していた40時間以上にわたって一度も充電しないで連絡が取れた。今後の備えとして母には乾電池式の携帯電話充電器を送っておいた。

 固定電話(fixed phone)のほうはアナログ式(黒電話)の時代は災害時もよくつながったが、今時の電話機は電源が途絶えると着信音(ringtone)が鳴らず役に立たないことに改めて気付いた。次回電話機を買い替える際は、本体に充電池を搭載してあって停電中も使える機種を選ぶつもりだ。

 公衆電話(pay phone)は災害時でもつながりやすいといわれているが、昨今はどこにあるのか分からないほどその数は少ない。災害時の通信インフラとして役立てるつもりなら、通信キャリアや政府当局は携帯電話事業の儲けや税収をもっと公衆電話の維持整備に還元するくらいの考えがあってもいい。

(『財界』2018年10月23日号掲載)


※掲載日:2018年10月23日
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