Freedom of tweets ツイートの自由 (連載第393回)

 10月上旬に都民ファーストの会を離党した2人の都議会議員のひとりが、その理由のひとつに同会派からツイッターの使用を制限されたことを挙げていた。言論の自由(freedom of speech)という大原則から言っても、その主張は至極もっともと思われる。

 公職者がツイッターなどのSNSで見解を表明することには懐疑的な見方もある。例えば米国のトランプ大統領は今も大統領の公式ツイッターアカウントではなく個人アカウントで発言を繰り返している。最大の問題は、それが大統領としての公式見解なのか、個人の感想なのかが判然としないことだ。

 政治家のツイッター利用については私もかねてから疑問を抱いている(単行本『英語で夢を見る楽しみ』pp. 151-152「無駄な選挙運動」参照)。基本的には双方向のコミュニケーションツールである以上、膨大な数の有権者がツイッターを通して投げかけてくる疑問に逐一答える必要があるし、時には暴言や中傷を受けることもある。ツイッター以外のSNSやホームページもあれば、それだけ記事の更新(update)や読者への対応に忙殺されて、議員としての本来の仕事がおろそかになるかもしれない。議員個人のSNSの利用は原則自由だとしても、議員自身にも有権者の側にも当然ながら適度な自制と良識が求められる。

 一方、総選挙直前に結成した立憲民主党(The Constitutional Democratic Party of Japan)が開設したツイッター(@CDP2017)が僅か数日で十数万人のフォロワーを集め、先行していた希望の党(@kibounotou)はおろか最大政党の自民党(@jimin_koho)もあっという間に抜き去った。ざっと読んでみると、党首の街頭演説のさわりを文章や映像で配信したり候補者の演説予定を告知したりするツイート(tweet, つぶやき)が小気味良く並んでいる。読者の疑問や批判にも低姿勢(low profile)で答えており、このツイッターの中の人(担当者)にはSNSに相当手慣れた印象を受けた。

 ツイッターは使いようによっては実に効率的な情報発信ツールとなる。例えばリツイート(retweet)機能を使えば他人のツイートを瞬時に引用・転載できる。このような機能を活用しながら所属政党のSNS担当者と協議・調整した上で、政策や党首の活動などの共通情報については政党が、選挙区内の行事や議員個人の近況については候補者自身で発信するといった組織的な役割分担が望まれよう。

(『財界』2017年11月14日号掲載)


※掲載日:2017年11月14日
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