Acknowledge (受領・受信)を確認する (連載第353回)

 昔と違って今のこの国では、送った書簡や荷物が届かないことはほとんどなくなった(と思う)。ネットで注文した商品は宅配便で確実に届くし、照会番号(reference number)をオンラインで入力すれば、それが現在どこにあって、いつ頃届くかまでわかるようになっている。

 これが海外となると―たぶん今でも―必ずしもそうとは限らない。私がメーカーで輸出を担当していたその昔は、たった1年かそこらで、輸送機関の事故等による荷物の延着(delay in arrival)はもとより、荷抜き(pilferage)や強奪(robbery)などの原因で荷物の一部または全部が不着(non-delivery)になるという事故が何度かあった。

 そういう経験もあって、今でも誰かに物を送ったり送ってもらったりするとき、もしかしたら予定通りに届かないのではないかという一抹の不安が心をよぎる。

 荷物でも電子メールに添付する文書ファイル(document file)でもそうだが、私のような心配性の人は、受領(受信)した時点でそれを確認した(acknowledge)旨のメッセージをやりとりするといい。相手から確認をもらいたければ、Please acknowledge the receipt of this message.(このメッセージの受領をご確認ください)などと書いておく。受け取った側はI have acknowledged〜(〜の受領を確認しました)と返してもいいが、Thank you for sending me〜(〜を送ってくださってありがとう)と書いたほうが感じはいい。

 電子メールには、そのような手間を省くために開封確認を自動的に返信させる機能もあるが、私は使っていない。メールを送った相手のパソコンに着信したことは確認できても、そのメールに添付した文書ファイル全部を相手が確認したかどうかまではわからないからだ。ファイルが複数個ある場合、もしかしたらひとつくらい見落とされる可能性もある。

 欠品や紛失を確認しやすくするために、荷物であれ文書ファイルであれ、人に送る物には通し番号を振っておくといい。私は依頼を受けて翻訳した文書ファイルを客先に電子メールで送信する場合、たとえばそれが和訳(Japanese translation)なら、元のファイル名の頭に(J1), (J2)…と連番を付けた上で、メール本文にそれらのファイル名を列記して、ファイルを全部で何個添付したか書くことにしている。これなら、複数回にわたって分納(partial delivery)する場合でも、何個中の何個目まで届いているか相手にも一目瞭然だ。

(『財界』2016年3月22日号掲載)


※掲載日:2016年4月2日
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