Purchase order 購入注文 (連載第330回)

 ハワイアンフラをたしなむ家内から、それに使う楽器や衣装の生地の海外への注文を頼まれることがある。「フラ」は世間でいうフラダンスのことだが、そもそもハワイ語のhulaは「踊り」という意味なので、玄人は「フラダンス」とは言わないそうだ。家内に叱られるといけないので、本稿でも「フラ」と呼ぶ。

 さてその家内は、フラに使うこれらの商品をわざわざハワイの専門店に発注する。日本国内で売っているものもあるが、選択肢が少なく欲しいものが見つからないという。海外からだと送料(shipping fee, freight)や保険料(insurance fee)も余計にかかるし、知らない業者にクレジットカードで注文するのに一抹の不安を覚えた私は、「○○○○(某通販業者)では売っていないの?」と難色を示した。

 私が面倒くさがるせいか、家内とその仲間はネットで見つけたハワイの業者に英文で注文を書いて、私にその校閲を頼んできた。私はその英文を一目見るなり、家内にこう告げた。「これでは何をいくつ欲しいのかわからない。普通このような注文は文章で書くのではなく、注文表(order form)に記入するものだ。」

 ところが、家内に促されてそのオンライン販売サイト(e-commerce site)を見た私はちょっと呆れた。商品の説明は日本語で書いてあるのに、(問合せや注文の電話、eメールは)「英語でお願いします」と注記してある。この種の通販サイトにたいてい用意されている注文記入欄がない。商品を識別するのに必要な型名(model name)も商品番号(product number)も表示されていない。

 そこで私は、注文したい商品の品名/摘要(description)、単価(unit price)、注文数量(order quantity)、合計金額(amount)を表にまとめ、それを電子メールに添付(attached to e-mail)して送るように家内に教えた。金額がわからないものがあればそこは空欄にしておいて、Please give us a quote.(見積りをください)とでも書いておけばいい。

 ついでに、I wonder if you could give us any discount.(何か割引はありますか)と書いた。ダメでもともとだし、聞くだけなら遠慮はいらない。

 商品注文の要諦は、注文する品目と必要な数量を明確に伝え、金額、支払(payment)方法、発送方法や納期(shipping method & time)などの条件を確認することだ。美辞麗句をごたごた並べることはない。真面目な方が気にする多少の文法的な間違いを意に介することもない。注文を正確に伝えればそれで事足りる。

(『財界』2015年4月7日号掲載)


※掲載日:2015年4月21日
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