Relevance 関連性 (連載第205回)

 Twitter(ツイッター)については2009年後半にここでも何度か触れたが(『財界』2009年11月24日号掲載連載第201回同年12月8日号掲載連載第202回)、その頃からテレビなどでも頻繁に取り上げられるようになった。これが一種のブームに終わるのか、それともブログや動画投稿サイトのようにインターネットの普遍的なツールとして広く定着するかは予断を許さないが、政治家、アーティストなど著名人を含む個人や団体が続々と使い始めていることは確かだ。

 当初、Twitterのどこが面白いのかわからなかった私も、2ヵ月ほど使ってみて、おぼろげながらその魅力や効用が見えてきた。情報の受発信ツールとしての有用性については前にも述べたが、Twitterには、ユーザー間の横断的な交流を促す作用がある。つまり、従来型のブログやメルマガは読者が固定しがちだが、Twitterはプロバイダーやサービスの垣根を超えて、人々を結びつけてくれる。

 私が使い始めた頃のTwitterにはWhat are you doing? (いまなにしてる?)と表示されていた。「朝食なう」(「朝食中」の意)のように無意味なつぶやきが多いのは、たぶんそのせいだろう。この問いかけはその後、What's happening?に変わった。日本語では「いまどうしてる?」と表示されるが、「何かない?」とでもしたほうが、以前との違いがはっきりする。

 たとえ私には無意味なつぶやきであっても、書いた本人やその周囲の人々には意味があるかもしれない。折角なら、もう少し具体的に「朝食に○○を(××で)食べたがおいしかった」と書けば、それを読んだ人は「それなら今度それを(そこで)食べてみようか」と思うかもしれない。一見無意味なつぶやきであっても、自分の関心との関連性(relevance, relevancy)が見えれば、そこに情報としての価値が生まれる。

 Twitterの効果に目をつけた某政党が、党所属議員にその利用を薦めたそうだが、公人が安易にこれを始めるのは考えものだ。Twitterを使っている国会議員のつぶやきをいくつか読んでみたが、国民の声を聞きたいという真摯な態度に好感を覚えた議員もいれば、自慢話や悪口の連発に嫌気がさした議員もいる。つぶやきを途中で止めた人は、根気がないようにも見える。人にもよるが、公職者にはメルマガやブログなど、もっとスローなメディアのほうが向いているかもしれない。

 コミュニケーションツールとしてのTwitterは、メルマガやブログ以上に両刃の剣になりそうだ。

(『財界』2010年1月26日号掲載)


※掲載日:2010年1月27日/再掲載日:2015年2月12日
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