送信所遠景〜受電設備 日光街道の国道4号線、(埼玉県)栗橋町先で利根川を渡ります。利根川が県境になっており、橋を渡ると(茨城県)古河市になります(下り方向)。橋を渡ると新4号バイパス方への案内標識があり、これに従って(茨城)県道56号線を道なりに進んで行くと東北新幹線の高架線をくぐり、新国道4号バイパス柳橋(立体)交差点に至ります。この新4号をくぐって更にに東進すると周囲が開けた場所になります。

 左図は旧猿島郡三和町、今の古河市東山田(ひがしやまた)にあるKDDI八俣(やまた)送信所…の隅にある高圧受電設備です。後方に紅白の鉄塔が見えています。また背後に高圧送電線鉄塔(鉄塔には、三和線七〇と記載されたプレートあり)があるので、パッと見街中にある変電所の様にも見えます。

 左図の鉄塔には、国際電々八俣線一と記載されたプレートがありました。一、とは構内一号柱のことでしょうか…?この鉄塔には6本の線路が懸架されていました。左側は国際電々八俣線1号、右側は国際電々八俣線2号と記載されたプレートがあり、3相交流2回線で受電している様です。送信所の規模が規模ですので、ここだけはちょっとした変電所の様でした。

短波送信アンテナ放射部 送信所は広大な敷地となっており、敷地内のところどころに一般道が縦走していました。このため空中線が良く見ることのできる場所がいくつかあり、左図はそのうちの一つです。線状アンテナ…であり、(遠くから見えていた)紅白鉄塔やそれより若干低い鉄塔はワイヤーを支える支持鉄塔でした。

 ここは短波放送送信所ですので、送信波の波長は50〜20m程度となります。このためここから西南方約20キロの位置にあるNHK菖蒲久喜送信所の鉄塔の様な大規模な構造物ではなくなります。従って中波帯域では製作困難である指向性(利得)のある空中線を構成することができ、特定方向に対して放送することができる様になります。

 左図では鉄塔間に複数のワイヤーが展張されています。手前側のワイヤーは折り返しダイポールアンテナ(放射器)を構成、後方は縦横適切な網目を(反射器)構成しています。ビームアンテナ(Beam Antenna)またはカーテンアンテナ(Curtain Antenna)と称されるこのアンテナ、手前側に指向性を有しています。


給電線路 ビームアンテナは複数のダイポールアンテナを励振させて動作しています。このためビームアンテナ後方には給電線路が縦横無尽の如く張り巡らされています。

 給電線は大電力(300kW)を扱うためこれに有利な多線式オープンワイヤとなっています。このため鉄塔に支持されている部分や、ワイヤ間の離隔距離保持のために棒状碍子(白い棒)が設置されていますが、これも傍目で見ると変電所の構内配線の様に見えてしまいます…。


撮影:2010.01.31
初稿:2010.02.01

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