全景1 以前富士吉田に居た時は在京テレビ局が直接見れませんでしたが、寮にケーブルテレビが配信されていましたので、東京の民放が見れました。ただ、この時のケーブルテレビではゴーストのおまけが付いていたり、気候や時間によって妙にザラザラ感のする画像だった時もありました。そんな時山梨ローカル(NHK甲府やYBSやUTY)を見るとその綺麗さに感動したものです。その頃は特に自分が見ているテレビ局の送信所がどこにあるか…等は特に気に留めず、とりあえずUHFのチャンネルで見ると綺麗で録画向きだな…と思っていた程度です。屋根の上にある八木宇田アンテナの向きは多少なりとも気にはなっていましたが。

 その後転勤でこの地を後にして羽村や千歳に行ってしまいまして、再び羽村に戻されて時折こちらに来るようになったこともあり、またNHKとYBSの中波送信所を見てからそれではテレビも…と思うところがあり、捜して見ました(その間に無線や放送に興味が傾いたというのが大きいですが)。

 左図は富士吉田市の隣の南都留郡鳴沢村にあったYBSの送信所です。局舎の上に鉄塔がある、コンパクトな造りでしたがレドームつきのパラボラが妙に目立ってました。この付近の標高は1,200mを越えてまして、ぱっと見は冬の風景です。しかし羽村では桜が満開状態でした。ぱっと見だけでなく、足元には霜柱もありましたのでまだまだ寒かったです。

 ここまでは富士吉田の浅間神社脇から北麓公園に向かう道路より、富士スバルライン料金所手前の交差点(信号あり)を突っ切ってゴルフ場に向かいました。富士吉田市内が既に800mくらいあるのですが、それでも更に400m近く富士山ろくを駆け上って行きます(車でですが…)。


全景2 小金井や羽村では既に葉桜になっていますが、ここでは今が満開の様でした。平地部の桜前線はようやく津軽海峡を越えたとのことですが、標高1,200mのこの付近もやっとこさの様でした。


お隣さん テレビの送信所は受信宅の便宜を考慮して概ね同じ場所に固まって設置されています(そうしないと受信側のアンテナを局に合わせて何本も建てなければいけなくなるので)。YBSと同じ様に局舎の上に鉄塔があり、その根元にレドームつきパラボラがある(しかも保護色っぽい茶色系に着色)のも一緒でした。

 左図は右側がNHK左側がUTYの送信所です。地図上では富士山の裾野にあたるのですが、この位置でも富士山の格好が見えるので一瞬ですが本当に裾野か?と疑ってしまいます。なお、上2枚のYBSは画面右側(ちょうどこの文章がある辺り)にあり、どうしてもこの様な構図では撮れませんでした。


撮影:2006.04.01及び2006.05.05 09時頃


 この3局(NHKが2波あるので都合4局)によって、富士吉田市や富士河口湖町一帯にサービスされているのがわかりました。また全ての局舎の屋上にパラボラアンテナがあるのでこの帯域のリンクで親局から送りつけられているものと思います。マイクロ回線かもしれませんし、UHF帯の放送波かもしれません。アンテナはほぼ南の方…三ツ峠山の方を向いていましたが、対向局はいまのところ皆目検討がつきません。

 UHF帯のテレビ局の送信アンテナはカバーの中に収納されていて、なかなか実物を見る機会がありません。上図、左図も鉄塔上部にカバーに収納されたアンテナが2かたまりで3方向に向いていました。UHF帯の送信アンテナは概ね双ループアンテナが採用されているとのことで、あのカバーの中には2個か4個(もしかしたら6個)の1λ長(ループの短縮率を考慮して1.03λ長)のパイプが収まっているものと思います。アンテナの電力利得は4ループの場合、約12dB(1面)あるそうです。UHF放送はVHF放送に比べ電波伝搬上の損失、給電線(送信側、受信側も含めての)損失、受像機の雑音指数が大きいため大きな実効放射電力が必要になるとのことで、送信機の電力だけに頼らず高利得のアンテナを使用します。もちろん受信側も多素子の八木宇田アンテナを使用し利得を稼いでいます。波長が短くなるので多素子アンテナも比較的容易に実現できます。


初稿:2006.05.07
追記:2006.--.--(予定)

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