案内看板 苫小牧市植苗は牧草地ですが、この様な施設もあります。聞いた所によると中波放送帯の混信波の出所を探知する局の1つだそうです。全国でもここ苫小牧市植苗、他には1エリア(場所聞き漏らした)と福岡の計3局しかないのですが、その3局を駆使して国内中波放送に混信を与える局(の方向)を探知するそうです。道路わきにはこんな標識がありました。

全景 全景は左図の通りです。鉄塔が4本、その中心に木造の局舎があります。また、こんな表札が掲げてありました。
表札


 周りは牧草地で静かそうですが、すぐ裏手に新しい道路を造成してました。(2001.06.30時点では)まだ舗装されていませんが、1車線ながら歩道のある結構立派な道路になりそうです。

アンテナ給電部 鉄塔は4本、各鉄塔は垂直のアンテナとして動作するものと思われます。左の写真は鉄塔の基台を拡大したものです。よくよく見ると中波放送の送信アンテナと同じ様に絶縁されています。碍子の脇にある放電ギャップも観察されます。鉄塔を結んだ交点(4本の鉄塔で囲まれる部分の中央)に1本のエレメントがあり、この局において5本のエレメントがあることになります。これでNSEW方向に指向性を持たせたアンテナが構成されます。鉄塔自体がエレメントとなっているかと思ってましたが、よくよく見ると鉄塔にそってワイヤが張られていました。このワイヤがエレメント本体で鉄塔はその影響を与えない様に絶縁されているのでしょうか?それとも電気的にエレメントの直径を太くするための処置なのでしょうか?

 アンテナ工学ハンドブック(第1版第7刷 H4.12.30)の該当項目を見るとこのアンテナはU形アドコック方探アンテナと呼ばれるもので、ある高さの垂直アンテナを2組直交して配置し各々の組の2つのアンテナに誘起した電圧の差分をゴニオメータ(回転するコイルみたいなの)で取り出し入射電波の方位を知るそうです。このままだと8の字(ダイポールアンテナの指向性の様な前後に指向性がある)特性になってしまうので2組のアンテナの中央に設けたアンテナ(上の写真で局舎に垂直に降りてきている線)の出力と合成してカージオイド特性を持たせ、入射電波のMaxないしなMinの感度点を求め方位を定めるとのことです(同ハンドブックには「NHK石岡方探所」とありますした)。


きれいさっぱり… 最近でもないですが、この方向探知局は撤去されてしまいました。これは2002.05.01 17:26撮影のものです。(一番上の写真にある)「NHK植苗方探所」の標識も撤去されています。局裏手の道路はこの時点では供用されていませんでした。もう中波方向探知というのは行わない(必要ない)のでしょうか?この写真では見難いですが後方にコロイ山の中継所群が見えます。



2002.05.14追記

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