全景 千歳市の南側に苫小牧市があります。アイスホッケーで有名、また室蘭と並ぶ太平洋航路のターミナルでもあります。海沿いには石油タンクが並んでます。苫小牧からは札幌方面へ国道36号・JR千歳線・道央道が、岩見沢方面へ国道234号・JR室蘭本線が、日高方面には国道235号・JR日高本線がそれぞれ出てます。この様に交通の要所ではありますが、同じくマイクロ回線の分岐点になっているかと思われます。この局は1路線の中継局の様ですが、右側のアンテナの対向局(NTT)がマイクロ回線の分岐点になっている様です。

 この写真(の局)は過去幾度かページに掲載しましたが、その時は上空を通過する新千歳着陸機をわざわざ入れて撮影したものでした。この場所は新千歳空港滑走路の延長線上にあります。滑走路から線を引いていくとその線はこの局の西約400mの位置を通過しますが、殆ど真上を通過してました。このアンテナ鉄塔は紅白に塗られており、快晴の空にとてもよく映えてた記憶があります。今回は日没間際の寄り道でした。

 ここで見えるアンテナは2種類あります。右手の方にあるやつはカセグレンアンテナで、放射器がカバーに隠されて見えません。苫小牧市新開にあるNTT中継局の方を向いています。おおむねこの地にあるパラボラ系のアンテナにはレードームと呼ばれる雪除け(あるいはじんあい除け)のふたがなされており、のっぺりした感じのものになります。

 左手の方に2段構えになってるやつはオフセットアンテナで、こいつのレードームはぷっくり膨らんでいます。ものの本によれば導波管を通して空気を送り込み与圧してレードームがつぶれない様にしているとか。コロイ山より少し北側にある熊ノ頭山にある、同じ様な鉄塔の局(距離おおよそ20キロ弱)ではないか…と在千歳の時は考えてました。最初はコロイ山(ここにも中継局がいくつかあります)かと思ったのですが、アンテナの向きが若干西方に向いているので電力半値角度内にコロイ山が収まりません。


周囲… 路肩に侘しく停車しているリッターカーと、画面左側の紅白の鉄塔の一部を比較するとこの鉄塔がかなり大きなものであると改めて感じました。確かに結構大きく、帰路新千歳から離陸した飛行機の窓からも十分視認できます。場合によっては眼下にこの鉄塔と、その上空を通過する新千歳着陸機が両方見えます(過去に一度だけ見ました)。


撮影 2004.01.31 16:48頃
(付近の道は凍結路でした)


あれぇ…? 上図より約1年経過しました…その間に更地になってしまいました。DDIリレー局は(千葉県)袖ヶ浦、市原の各局がマイクロ回線用のアンテナを撤去されてもかろうじて携帯電話基地局の鉄塔として機能していましたが、苫小牧東局では純粋にマイクロ回線用のアンテナの鉄塔であったため、その任を解かれた後は鉄塔・局舎ともども撤去されていました。




 思わずこの条文が過ぎります…

空中線の撤去
電波法第78条

 無線局の免許がその効力を失つたときは、免許人であつた者は、遅滞なく空中線を撤去しなければならない。



更地… 鉄塔頂部にアンテナを構えていた、結構存在感のあったものでしたが、マイクロ回線用ということで(おそらく光回線に移行?)用済みになったら解体・・・周りにあったフェンスまで取り去っています。立て看板が無いと単なる工業団地の一角の空き地と見間違ってしまいます。

 鉄塔の規模はかなり大きなものであったのでその鋼材は結構な分量になったかと思います。パイプ状の鋼材で組み上げられてましたので、綺麗に解体して別のどこかでまた鉄塔として余生を送っているのでしょうか?またオフセットアンテナ、カセグレンアンテナ、導波管、端局装置…どうなっちゃうんでしょうか?アンテナはともかく端局装置のモジュールの一つでも見てみたい気がします、とても。あちらに居た時は鉄塔直下からアンテナ、導波管を見れる生の教材でした。


撮影 2005.01.08 16:10頃
(付近の道はやっぱり凍結路でした)


ひとつもどります