送信所全景  戸田公園の近隣にTBSラジオの送信所があります。国内民間(中波)放送の中で最高の100kWの出力を有する放送局です。近隣は戸田公園(ないしは競艇場)で荒川沿岸ですので湿地帯です。また都心部に近いけれども付近は公園(競艇場)や河川敷でブランケットエリアの問題も多少は改善されるのではないでしょうか…?

 左図は送信周波数954kHz(λ≒314m)のアンテナで、頂部負荷(わっか)のあるものです。大電力局のフェーディング防止型とすれば0.53λ(≒166m)となる様ですが、目測…すぐ隣にある予備アンテナ高が57mとの表示があり、見かけその倍くらいあったので鉄塔高はおおよそ120mくらいでしたが電気的には鉄塔の高さと頂部負荷を併せてこの波長分になっているのでしょうか?


オン・ザ・アンテナ  TBSラジオの演奏所は都内にあるのでプログラムを送信所まで伝送する何らかの回線があります。一般にマイクロ回線、有線回線、中には親局の放送波を受信して再送信する例もあるそうですが、左図の様に鉄塔中間部に都内の方向を向いたパラボラ(レドームで覆われているので詳細は不明)が設置してありましたので、マイクロ回線で伝送してきているものと思います。

 マイクロ波帯域ですので導波管が使用されている(露出調整がへたくそなのでアンテナからの長方形の導波管とかが良く見えません…申し訳ありません)のが観察されましたが、100kWの送信電力を放出している空中線に沿って導波管が敷設されているのは驚きでした。

 画面左に鉄塔のステーが見えてます。このステーは鉄線なのでこれに電波が乗らない(空中線に対して影響を与えない)程度にするためおおよそ0.1λの間隔で碍子などを入れる…と無線(アンテナ)の教科書等に記載されていますが、0.1λかどうかはわかりませんがキチンと入ってました。碍子の部分にコイルの様なものがぶら下がっています。これは避雷対策らしく、高周波的に絶縁させつつ静電荷を通過させる(最終的にはステーのアンカー部で接地する)ものだそうです。


鉄塔基部  鉄塔基部は左図の様になっています。導波管はアンテナ鉄塔に沿って降りてきて給電線に平行して建物の方に引かれていました。この建物、碍子がありそこから鉄塔へ給電されているところから送信機が収納されていそうなのですが、なんか100kW送信機が収められているものだとすれば小ぶりだと思います。この建物から更にケーブルラックに収められた電線が奥の建物に引かれているので送信機本体はそっち、この建物は整合器(コイル舎)かなんかでしょうか?

フィルタ…の化けもん?  導波管は鉄塔に沿って下ろされ、直角にベンドされ建物上に設置されている物品に接続されています。この装置で導波管自体に乗っている中波成分を濾過するのでしょうか…


撮影:2004.10.19(お昼頃)



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