アンテナ群 左図は長野県上伊那郡辰野町役場(と消防署)に設置してあったオフセットアンテナ、UHF帯のブラウンアンテナ(見難いですが地線がベンドされているのが観察されました)・垂直設置のUHF帯・VHF帯の八木宇田アンテナ・VHF帯の垂直ダイポールアンテナといった線状空中線です。

 山間部の固定間通信や移動通信のため、障害物があっても比較的回り込み伝播しやすいVHF帯、移動体(自動車や携帯機など)で空中線の小型化が図れるUHF帯の無線システムが採用されているため複数のアンテナが観察できました。

 衛星通信用のオフセットアンテナには自治体の名称が入っているのでここが「辰野町」ということもすぐわかります。平成24年は辰年なのでふと思い立ち都下から特急で諏訪湖の岡谷、ここからかつての中央本線(今は支線になってしまってますが…)を下って飯田線の分岐点である辰野町まで来て見ました。

電話局遠景 左図は町役場から飯田線ないしは天竜川を挟んで反対方にある電話局です。局舎の屋上に鉄塔が設置してある、市中で良く見かける電話局の構造ではありましたが、ここでも多聞にもれず開口アンテナは設置されておらず、搭頂にあるステージには携帯電話用の垂直空中線が複数設置されていました。

 鉄塔後方には中央道が通過し(辰野PAがあります)、塩尻方面に抜ける一般国道153号線とこれに沿った中央線(支線)と飯田線の分岐点でもある、長野県中部と南部を結ぶ交通の要衝の町であるため、これにより通信(電話)回線も相応に集線されているため大きめな電話局となったのでしょうか?かつて鉄塔に開口アンテナが設置してあったとも想像できます…

電話局全景 近くまで行って見ました。局には看板や表札がなく(見当たらず)、すこし寂しい感じもしますが、局舎は3階建てで採光用の窓がなく、外見は交換機満載の交換局の様に見えます。

 塔頂には左右方向(この位置からだと南北方向)に集中してレドームに収容された携帯電話基地局の空中線(UHF帯)が設置されています。辰野町の地勢上、南北方向に中央道・国道153号、中央線・飯田線が貫いていますのでこれらのレーンを移動する携帯(自動車)電話向けに設置したからでしょうか?

電話局建物 建物には電々公社のマークも刻印されています。最近このマークをみかけなくなりました(見ても電話関係、というのがだんだん判らなくなってきてますね…)。

電話局敷地境界 同じく、TTマークの入った敷地境界標です。これは電話局の近くでまだ見かけることが多いです。

電話局の前の電柱 これもたまに見かけることがあります。電話局の前の電柱に巻きつけてありました。岡谷電報電話局の文字ははっきり読み取れますが、その上にあるTTマークは…直射日光の影響でしょうか、退色して今にも消え入りそうです。しかし(電柱に巻きつけられた)プレート自体はまだまだ現役の様です。プレートの上部には(電柱に沿って)ケーブルが布線されています。かつてあったと思われるマイクロの代わりのメタルや光ケーブルでしょうか?

撮影 2011.12.30 10時半〜11時頃
初稿 2012.01.28

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