送信所遠景 過日新潟方面に出かけてきました。長岡から柏崎を通って上越まで…ここから長野経由で戻るか、来た道(長岡経由)で戻るか迷っていました。国道8号から18号のバイパスを南下していた時に鉄塔が見えましたので、バイパスから降りて車の停めれそうな年金健康センターの駐車場に行き、ここから眺めてみたのが左図です。

 鉄塔に搭載されているレドーム付きのパラボラは良く見る形状ですが、鉄塔の格好がなんか油田にある掘削塔みたいな感じのものでした…。鉄塔は国土交通省北陸地方整備局高田河川国道事務所直江津国道維持出張所(…長い)に設置してあります。国交省の建物とマイクロの鉄塔の組み合わせは良く見かけます。

 で、鉄塔を撮っていよいよ長野経由か長岡経由かを決めなければならない状況でしたが、マイクロ鉄塔の右側…紅白の鉄塔が視界に入りました。中波送信所です。では先ずこちらへ、ということでバイパスの向こう側に向かって移動しました。


全景 目標へは周囲が田んぼであったため比較的容易にたどり着けました。バイパス付近には人家が結構ありましたが、送信所近傍では田畑が広がっており、左図の様に5段3方支線の鉄塔がやけに目立っていました。局舎の上方に古いロゴでNHKとペイントしてありました。NHK新潟の高田局です。


局舎 局舎の屋上に基部絶縁型の鉄塔の特徴である白い碍子・オースチントランスが目だってます(銀玉もかろうじて見えます)。局舎もちょっと嵩上げされた感じがします。雪害ないしは水害対策でしょうか…この付近の海抜は14m、関川(市内中央を流れる川)と幾つもの河川、用水が付近を走っています。こうなると接地抵抗的にはかなり有利になるのではないかとも思えますが、度が過ぎる降雨に対しては備えておかないと…というところでしょうか?


局舎屋上の給電部 この局は第1放送(792kHz、1kW)と第2放送(1,359kHz 100W)の共用空中線になっています。局舎からは2本の給電線が出ているのが観察されます。赤い方の給電線は碍子を跨いで鉄塔方に延びていますが、白い方は碍子の下側につながっています。つまりは赤い方の線(パイプ)が給電線、白い方の線(パイプ)が接地線なのでしょうか。

 航空障害灯への給電のための電力線は建物(壁)に埋め込まれた電線管から出てきています。この電線が知恵の輪の様な格好をしたオースチントランスに接続されています。このトランスを介して鉄塔に直付けされている航空障害灯に給電されます。わっかが傾いているのは雨天時に滴り落ちる水滴で、わっか間にて空中線の高周波電流が短絡しない様にするためだそうです。


頂部負荷 送信周波数の低い方は792kHzですので、波長は約380mでアンチフェージングとして約197m必要ですが、それよりかなり短いエレメントです。その分を補うため鉄塔頂部に容量リアクタンスを設置し等価的に長くしています。素直な接地型だとλ/4で100m程度(目測このくらいでした)で済みますが、籠型の頂部負荷を採用して電気的長さを稼いでいます。やっぱりアンチフェージング型のものなのでしょうか?

撮影:2007.09.16 17時頃


 上越市に着いた頃は曇りながらも時折日が差す天気でしたが、一番上のパラボラ見てから中波送信所に来て写真を撮り出した頃から雨が降ってきました。普段の行いかどうかは判りませんが、周囲もだいぶ暗くなってきましたので望遠撮影ができず(手ぶれが起きてしまいます)支線碍子や給電部拡大の写真が撮れませんでした。この付近は冬場に雷が多いとのことで避雷設備に何か特徴があるかと思ったのですが、見てきた限りは今まで見てきた局と大きな差異は無かったように思えます。折があったら再訪して見たいと思います。

 最後のカットを撮ったのが17時15分頃で結構雨が降ってきましたし、だいぶ暗くなってきましたので慣れない道より今来た道を選んで再度国道8号に戻り長岡方面に向かって進みました。柿崎から北陸道に入りましたが部分的に片側1車線になっていたりして夜間・雨という悪条件も重なり(復旧)工事区間が終わる西山ICまでかなり緊張した運転を強いられました。

ひとつもどります