ビルの屋上 左図は立川駅北口から200mほど離れた曙橋交差点から見たFMたちかわの送信アンテナで、ビル屋上の広告塔(のフレームの)上に3素子八木宇田アンテナが2段スタック90度開角状態で設置されている状況です。

 FMたちかわは2007年4月22日に開局した、立川市全域及び隣接市の一部を放送エリアとするFMコミュニティ放送局です。周波数は84.4MHz、空中線電力は他のコミュニティ放送局より低めの5Wとなっています。


2面組み合せ90度開角 FM放送局の送信アンテナと言えばVHFローバンドTV送信アンテナと共用した多段のスーパーゲインアンテナ等が真っ先に思い出されますが、コミュニティ放送局や中継局など小電力かつ特定地域に向けての送信が必要な場合は指向性アンテナの代表格である八木宇田アンテナも利用されています。

 左図の設置方法は2面組み合せ90度開角で、0度から90度(現地の地図に重ね合わせると開口方向は西方向になり、昭和記念公園などが含まれます)に指向特性が得られます。30度と60度の位置に若干落ち込みが発生する様です。

 FM放送では給電線と空中線の整合が取れていないとFM直線歪が発生し、この歪は給電線長・変調周波数・偏移周波数によって変化するとのことです。この歪がFM放送の技術基準を満たすためにはVSWRを1.5以下にする必要があるとのことで、整合には気を遣っている様です。放射器は折り返しダイポール(→広帯域)、放射器と反射器の間にVSWR改善のためのトラップが実装されていました。



参考資料:
(1)放送アンテナと電波伝搬(放送技術双書11) VHF送信アンテナの章
(2)FMたちかわ
(3)総務省 電波利用ホームページ
(4)キミにもできるコミュニティFM(ヒルズ水島・著 CQ出版社


撮影:2009.04.26 12時頃
初稿:2009.04.26
訂正:2012.06.11 FMたちかわ リンク先修正

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