鉄塔全景 左図は菖蒲町三箇より見た、東京第一放送(右側:JOAK 594kHz 300kW)・東京第二放送(左側:JOBK 693kHz 500kW)の送信アンテナです。江別で見た札幌第一・第二の放送所を彷彿する構図です。目標まではおおよそ1.5キロほど離れています。

第二放送送信アンテナ 第一放送送信アンテナ付近より第二放送送信アンテナを見た感じです。手前の白い支線が第一放送送信アンテナのものです。この付近は畑、もう少し先に進むと十字路になっており、右折すると敷地のほぼ真ん中を突っ切る道路になっています。その先は陣屋橋となり、久喜市の清久工業団地になります。

 橋があるということは川があります(備前堀川)が、小川の様です。この橋から双方の送信アンテナが良く見えますが、ともに広大な敷地(今の時期に相応しく緑の絨毯の様でした)となっていました。この地下には垂直接地アンテナの要、ラジアルアース(放射状銅線埋設式接地)があると思われます。

鉄塔基部 出力が国内最大(中波放送として最大の500kW)であるため局舎(送信アンテナ)は敷地中央にあり、上記陣屋橋付近からは基部を見ることが出来ませんでしたが、敷地沿いに移動すると基部が見える場所がありました。札幌第二(ここ)では基部へは給電線のみでしたが、東京第二は碍子の下側からアースバー(アース線、というレベルではない太さ)も局舎側に接続されていました。また上記にあるラジアルアースもこの基部を中心に展開されていると思います。

 中波送信アンテナの見かけの効率は(アンテナ利得)×(アンテナ能率)に比例します。利得はアンテナ高により、能率はアンテナ高の他接地の規模・大地の電気伝導率(電気定数)によりそれぞれ与えられます。見かけの効率の値は送信出力の区分により法令上規定されています。500kW局の場合130%となっています。


マイクロ 放送プログラムはマイクロ回線で送られている様で、江別の局と同じく独立鉄塔でレドームつきパラボラが設置されていました。これは陣屋橋付近から見たものです。

 この付近が菖蒲町と久喜市の境界になり、放送所敷地が双方にまたがっていることから菖蒲久喜と称しているのでしょうか?
撮影:2007.04.30 11時〜12時頃

参考(参照)資料
放送アンテナと電波伝搬、日本放送協会 編、日本放送出版協会 昭和58年4月 第1刷
(参照個所 第4章 中波送信アンテナ)

告示640号
放送区域等を計算による電界強度に基づいて定める場合における当該電界強度の算出の方法(免許規則第7条から呼ばれる)
昭和35年8月9日郵政省告示第640号、最終改正平成9年6月24日第308号
この中で空中線見かけの効率は下表の様な範囲になってました。

空中線電力
空中線見かけの効率
50キロワット以上
130%
10キロワット以上50キロワット未満
120%
3キロワット以上10キロワット未満
100%
1キロワット以上3キロワット未満
90%
0.5キロワット以上1キロワット未満
70%
0.5キロワット未満
70%

空中線見かけの効率
任意の接地空中線と当該空中線の位置において完全導体大地上に設置された使用周波数の波長に比してじゅうぶん短い接地空中線とに同一の値の空中線電力を供給した場合において、当該空中線の位置から約1キロメートル離れた同一の点に与える両者の電界強度の2乗の比をパーセントで表したものをいい、その値は空中線電力の別に従い、』上表の様になります。


■ 再訪分です ■
鉄塔遠景 左図は国道122号白岡町下大崎より見た、東京第一放送(右側)・東京第二放送(左側)の送信アンテナです。ここからは目標まではおおよそ3キロほど離れています。道路の照明塔などが林立しているのですが、それでも紅白の鉄塔はよく目立ちます。

 この時の経路は国道16号から国道122号を経由して菖蒲に至りました。国道122号、菖蒲町のほぼ中央を貫いていますが、今は若干市街地を東側に迂回するバイパス道路もあります。左図は旧道とバイパスが分岐するところで、数年後にはこの付近を圏央道が通過する予定です。バイパスは久喜市方に迂回し、(この図の通りに進むと)正面から右手方に紅白鉄塔を見ることができます。

 右手側に送信所(鉄塔と衛星地球局のカセグレンアンテナ数基も見えます)を見過ごす頃に左手方にはモラージュ菖蒲という、大きなショッピングセンターが見えてきます。ここで圏央道川島IC、または桶川北本ICからの県道12号(川越栗橋線)が交差しています。

撮影:2010.01.24 10時半頃

鉄塔遠景2 左図は国道122号バイパス(騎西菖蒲BP)から清久工業団地方に折れ、清久さくら通から見た送信所です。手前が第1放送、奥の方が第2放送の送信アンテナです。中継回線のマイクロ鉄塔(白いポール)も目立ってます。同じ白く塗装された7段3方に展張されている支線も青空に映えています。

撮影:2010.01.24 11時半頃

備前堀川 左図は清久さくら通をもう少し進み、送信所近くを流れる備前堀川(小川ですが…)にかかる山王橋から第2放送送信アンテナを見たものです。冬場なので土手などが寒々とした感じですが、春先には賑やかな光景になります。

撮影:2010.01.24 11時半頃


備前堀川2 左図は春先の様子です。上図からの撮影点(山王橋)は画面奥の方になります。送信鉄塔は第1放送のものです。川沿いは緑のじゅうたん状になっており、さくらの木もかなりあります。また清久工業団地を貫く清久さくら通はその名の通り桜並木(道路が桜で覆われている状況)になります。

撮影:2010.04.11 14時頃

清久さくら通り 左図は清久工業団地を貫く清久さくら通(さくら満開時)を見たものです。こんな感じの賑やかなものでした。

撮影:2010.04.11 14時頃

初稿:2007.04.30
追記:2010.07.11
(2010.03.23に南埼玉郡菖蒲町は久喜市と合併し、この付近は久喜市菖蒲町となっています)
追記:2010.11.03
(清久さくら通、追加 及び誤記訂正 すいません…)


ひとつもどります