全景 中央道釈迦堂パーキングエリア近くにあった鉄塔(勝沼無線中継所)です。ここからも見えましたが、その時は見ただけ。今回再訪する機会があったので近くまで行って見ました。なお、この場所も釈迦堂パーキングエリアから歩いて行ける程度の距離です。釈迦堂パーキングエリアの近くに釈迦堂遺跡博物館があり、ここへ行く道への出入り口があります(…とは言ってもパーキング近くの道に出るための門がある程度です)。

 甲州市勝沼町(2005年11月1日塩山市、大和村と合併して市制)は甲府盆地の東端にあり、左図右手側は笹子峠のある方向となります。鉄塔には大小幾つかのマイクロ回線用のオフセットパラボラが設置してありますが、殆ど笹子峠と反対方(甲府方面)を向いています。基幹回線でなく、携帯電話基地局向けのエントランス回線のでしょうか…。


スタック 鉄塔の下から見上げた感じです。ここのカテゴリに入れましたので、無線呼出し用と思われるアンテナを拡大してみました。300MHzのちょっと下の帯域でかなりの電力で送信している(かも知れない)垂直ダイポール5段スタックです。ここ(NTT木更津)ここ(銚子)にあった同じシステムの(と思われる)アンテナと比べると、反射板が後方に広がっています。前者は平面、後者は放射器を囲むような角度で反射板が設置してありました。このアンテナの後方は笹子峠方なので、その反対方を広くサービスエリアにすべくの方策でしょうか?

 他の二つに比べ、見た感じ小振りなアンテナなので(垂直エレメントが短く感じるので、もしかしたら)UHF(300MHz〜)帯の別のシステムかも知れません…


コーナレフレクタ
 電波を一方向に鋭く放射させる目的で2枚の導体板をある角度で組み合わせ、その稜線に平行に半波長ダイポールアンテナを設置したものです。良く見かけるものは頂角(導体板の開き角)が90度や180度(←反射板が平面状になります)ですが、この開き角を180度以上にしたものは磁界面内指向性が広範囲で一様に近い特性が得られる、とありました。

 導体板は金属すだれ(左図の網みたいな形状のもの)が用いられることが多く、受風面積を少しでも小さくする様にしています。すだれの間隔は使用波長の10%以下にすればいいとのことです(300MHz付近のシステムであれば10cm程度の間隔)。


撮影:2005.12.11 13時半頃


参考図書
・アンテナ工学ハンドブック(電子情報通信学会;1992年12月30日 第1版第7刷)


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