シンプルな基地局 静内の街から静内川にそって上流に向かっていくと山の合間に牧場が広がる光景が見れます。静内は国内有数の桜の名勝地(桜並木)と聞きますが平成13年度最終日ではまだまだです。この基地局は道道71号から分岐した、農屋方面に向かう道路の脇で見かけたものです(農屋の先には笹山という名前の標高806mの山があり笹山無線中継所というのがある、と地図にあった)。この付近は既に静内の街から10km以上も山の中に入っていますが、手持ちの携帯電話のアンテナバーが3本のままで、どこかに基地局があると思っていたのですが、案の定牧場の隅っこにぽつんと立ってました。

 左の図はアンテナ本体を下から見上げたものですが、遠くから見ると避雷針だけの様に見えます。農作業時の避難場所(として、わざわざ避雷針のある場所に行くかは不詳ですが…)かなと思ってましたが、近くに寄って見ると平面アンテナの立派なのが避雷針の下に設置してあり、鉄柱の下の方には無線装置と電池が防水ケースに入ってくくりつけてありました。


無線装置全景 道路のすぐ脇から見れます。鉄柱の影を見ますと、スラっと立ってるだけに見えます。鉄柱には基地局銘板がついており(一番下の黒い板)、「NTT DoCoMo 静内御園無線基地局鉄柱」「規模 LLCH」「平成12年9月 完成」「製作施工 株式会社 郷葉」と記されています。また向かって右側上の箱の銘板も読み取れ、EM-852形「1」号「E」パケット用マイクロ基地局と記載されていました。エリクソン製です。

 その下の箱は受電装置(積算電力計あり)、その反対側のは蓄電池、その上が基地局装置、更にその上にアンテナ分配器らしきのと回線装置(DSUか??)がありました。この基地局には近くにあった電柱から2種類の電線が引き込まれていました。一つが電源(単相)、もう一つが電話線の様でしたが、この電話線の中にこの基地局で扱っている通信内容が流れているのか、単に基地局監視なのかはわかりません。静内の街中の局の電波を捕らえて周波数をスライドさせて再送信している類なら確かに監視用回線だけで済みますが…けれどもシンプルな作りが妙に周りの風景に馴染んでいると思いました。

 この様な長閑な場所でもi-mode(というかパケット通信)を使える様にしたのって、なんか農作業とパケット通信を結びつける様な事例があるんでしょうか?例えば一定時間毎に温度を記録する遠隔温度計とか、牛の分娩を通知するとか(商品名は失念しましたが、あるそうです)。巷で騒がれている様な高速なデータ通信は特に必要ない(温度情報なんかは9,600bpsもあれば十分でしょう…)けど、定期的(散発的)に回線が必要になる…といったソリューションにはパケット通信が向いてますよね。

 街中や郊外に設置された鉄塔の無線局はえらく迫力がありますが、この様にちんまりと設置されたものに興味を惹かれます。



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