高背鉄塔 千葉県の北西部、(ほぼ)東西を利根川と江戸川に挟まれる醤油(キッコーマン)で著名な野田市、その真ん中を国道16号(東京環状)が通過しています。この国道16号は京葉コンビナートで富津、君津共同火力、袖ヶ浦、姉崎、五井、千葉の各火力発電所や(少し距離がありますが)房総変電所、新京葉変電所付近を通過しています。送電線が並走している、という状況ではありませんが、それでも所々で高背鉄塔に展張された送電線を見ることができます。

 左図はその国道16号線沿線にある新野田変電所のマイクロ鉄塔です。新野田変電所は国内(と言うか世界的にも)最大規模の出力を有し、電力大消費地郊外で黙々と稼働している設備です。そのためか…かどうかは不詳ですがマイクロ回線も集中している様で、高背の鉄塔に3段のリングを有し各リングに複数のレドーム付きパラボラ(たぶんカセグレン)が設置されていました。


上段リング 上段のリングを拡大してみました。こちら側(南側から見た方)から4基のパラボラがリングに固定されているのが観察されます。パラボラ焦点の背面から給電線が伸びているのが見えます。左側のパラボラからは黒いケーブルがなだらかな曲線を描いているのでフレキシブルな長尺可とう導波管…でしょうか。


中段リング 中段のリングは白色に着色されていますので快晴の時は空の青とのコントラストが映えますが、この日はところどころに雲があり、中段はそれにすこし被っています。リングとアンテナの関係では、白い基台にグレーのアンテナなので目立ちます。

 この段の中央部分に黒いケーブルが走っていますが、一部のケーブルが大きく弧を描いて引き下げられているのが観察されます。


下段リング 下段のリングまでが白色で、リング直下からは赤色の塗装に変わります。このリングには2基(この構図では見難いですが、ちょうど反対側にもう1基のアンテナがあります)のパラボラが実装されており、1つの鉄塔に10基近くのパラボラが設置され、相手局(近隣変電所や制御所など)とリンクしています。


撮影:2013.05.04 11時頃
初稿:2013.08.15


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