送信所全景 JR武蔵野線からJR埼京線への乗り換え駅である武蔵浦和駅、埼京線側のホームから紅白の鉄塔が見えます。機会がありましたので武蔵浦和駅の隣、西浦和駅で下車、首都高速高架下の国道17号を渡って少し北上して志木街道に折れ、荒川方に進むと左図の鉄塔に近づいていきます。

 最初に渡る鴨川の少し上流方…いわゆる川沿いの接地型空中線に適したと思われる開けた場所に6段4方支線を構える鉄塔がありました。NHKのラジオ送信所で、菖蒲久喜の予備送信所として機能しているとのことです。NHKラジオ深夜便(という、深夜放送)を聞いている時に時々25時頃から減力放送します旨アナウンスが流れる時があります。少しの減力(JOAK 300kW→200kW)であれば(まだ)菖蒲久喜からの送信ですが(少し雑音が多いかな?という受信状況)、この送信所に切り替わる場合は10kWまで減力されるとのことですので受信状況はかなり悪くなります。

 菖蒲久喜の予備局のため、送信周波数は同じです。後方の3階建ての建物と比較すると結構高い鉄塔ですが、それでも菖蒲久喜の鉄塔には敵いません。ただ、周波数(波長)が同じなので電気的な鉄塔高は菖蒲久喜と同じでないといけませんので、頂部負荷がわっかでなく籠状になって鉄塔の電気的な高さを稼いでいます。更に4方の支線で機械的(構造的)にも丈夫なものになっている様です。

鉄塔上半分 塔頂部から塔中間部を拡大して見ました。訪問した日は快晴でしたので青空に白く塗装された支線が映えてました。この局の鉄塔はマイクロ回線の空中線の支柱としても機能している様です。

下側のパラボラ拡大 赤い塗装部分に設置されているマイクロの空中線(たぶんカセグレン…レドームで塞がれているので見えないのが残念)です。反射鏡の焦点から引き出された導波管が良く見えました。空中線から引き出されている部分は方形導波管の様ですが、その反対側に上方の空中線からの給電線は黒いケーブル状になっています。これはフレキシブル導波管でしょうか。その黒いケーブル、作業台の少し上方でフランジで方形導波管に変換されていました。鉄塔基部では導波管が1本しか見えなかったので、この辺りで導波管が1本に集約されているのでしょうか?

 右上方には八木宇田アンテナが吊り下げられて設置されています。5素子のもので、放射器が他の素子より太くなっているのが観察されます。

 マイクロの空中線の鉄塔接続部分に木の枝(らしきの)が見えてます。鳥の巣とかでしょうか…

基部(給電部) 基部絶縁型の特長である基部碍子でコンクリの基台と鉄塔が絶縁されています。鉄塔の最下部(基部碍子直上)には局舎との間にパイプが2本、基台上部(基部碍子下)と局舎の間にもパイプが1本走っています。赤い方が給電(電力)側、白い方が接地側と非常に分かりやすい様になっています。

 鉄塔に沿って降ろされた導波管ですが、鉄塔からなだらかな曲線でこのパイプにガイドされ局舎の椀状碍子に至っています。その右隣の椀状碍子は中波送信出力、その下の椀状碍子は接地線の様です。


表札 局舎の壁に貼付してあった、この局の表札です。新開はしびらきと読みます。局敷地の周りはフェンスで囲ってありましたが、良く見かける局のあらましを記載した看板はありませんでした。

撮影:2010.03.20 14時頃
初稿:2011.01.07

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