塔頂付近 今日2月1日は1953(昭和28)年に日本放送協会東京テレビジョン放送がテレビジョン放送を開始した日です。東京タワーからの送信は1958(昭和33)年以降ですが、テレビ放送記念日ということでこれをもってきました。昨年はタワー開業50周年とのことで東京タワー関係の書籍などが結構目につきました。東京タワー50周年(鮫島敦・著、日本経済新聞出版社)によりますと、塔頂(左図)の6段スーパーターンスタイルアンテナ(及びその下側に設置されるスーパーゲインアンテナ)はユニットとして地上から塔頂に向けて吊りあげられ、最後は塔頂に向かって押し上げられ現在の位置に納まっているとのことです。

 この中でアンテナは精密機器との記述がありました。傍目で見ると金属パイプの塊ですが、パイプ…否、エレメント(素子)間隔や表面の凹凸が少しでも変化すると6MHz帯域の特性が劣化してしまい所望の特性が得られない様になります。富士山レーダーのレドーム(フレーム)も精密機器のため山頂で組み立てることが困難であるため地上で組み上げてヘリコプターで釣り上げたという、プロジェクトXで盛り上がる場面がありました。


特別展望台上方 上図のスーパーターンスタイルアンテナはVHF帯域で使用されるアンテナのため、あと数年もすると見かけることがなくなる可能性が大ですが、その代りにUHF帯域で使用される双ループアンテナやこれを複数用いた多面合成アンテナ(左図)を見かける様になることと思います。ただ、素子保護のためレドームに収納されているので、遠くからだと箱が並んでいる様にしか見えません…

 左図の赤い5段の帯が25ch〜27ch送信用のもの、白い5段の帯が21ch〜24ch送信用のものです。その下の3つづつ組になっているのがMXテレビ(東京のローカル放送)送信用のものです。この3つづつ分かれているレドームを一つにまとめたものがその上にある白と赤の帯状のアンテナとのことです。

 特別展望台直下にある金属すだれを反射板とするアンテナはデジタルラジオ放送用のもので、VHF帯で(7ch付近、190.214286MHz、2.4kWで実用化試験放送として)送信されています。


撮影 2008.12.21 14時〜15時頃
初稿 2009.02.01

※超短波帯のものと極超短波帯のものが混在していますが、(一つ上のページの)周波数帯域の区分は後者としました。

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