送信所全景、向かって右に富士山 静岡放送三島の中波放送送信所です。静岡放送は県東部に御殿場、熱海、そしてここ三島に(中波の)中継局を開設しています。送信周波数は本局と同じ1,404kHz(100W)となっています(熱海局は1,557kHz)。

 おそらく同期放送だと思いますので、国道1号箱根峠を西進して行き、越えた付近で1,404kHzに合わすと約150km先の浜名湖の先までそのまま快適に受信できると思います(他の同期局との等電界地区が発生していなければ)。送信所は国道1号や東海道線(三島駅)からちょっと離れた郊外にあります。例によって富士山が見える様な構図で撮ってみました。

 郊外でしたが、左図では鉄塔(アンテナ)の周囲に家がびっしりあります。これは本局と同じく送信所敷地内に住宅展示場が併設されているためです。鉄塔基部は展示場管理棟の裏庭にありましたので見るだけに留まりましたが、基部絶縁碍子やスパークギャップは見れました。左図を見ると頂部負荷(わっか)、円管鉄塔、支線と典型的な中波送信所の雰囲気が醸し出されています。

中継回線アンテナと、もうひとつ 鉄塔の周りは展示場の管理棟やいろんな住宅メーカーのモデルハウスがあります。その中で送信機の納まっている局舎も(当然)ありましたが、他の建物と比べると倉庫の様にのっぺりしたもでした。

 華やかなモデルハウスの中に送信所の中枢設備を収納した局舎があり、その敷地はフェンスで囲ってあります。敷地の端にコン柱が建っており、それに5素子と20素子の八木宇田アンテナ、グリッドパラボラが設置されていました。20素子のものはUHFテレビ用とそれとなく思えるのですが、5素子のものがTTLでしょうか。パッと見ではパラボラの方が中継回線用に見えてしまいます。



コン柱に設置してありました どうもグリッドパラボラは無線LAN用の様です。このアンテナは高利得狭指向性を有するので長距離区間で使用する場合に採用されることが多い様です。

 2.4GHzか5GHzどちらの帯域かは不詳ですが、局装置の監視等に使われているのでしょうか?これまでは電話線(携帯電話回線もあり)でしたが、これからはLAN直接?自営にすれば回線料金低減できそうですし…


頂部負荷 無線LANとか、それ使われているパラボラとか見ると無線技術は周波数の高い方へどんどんシフトしていますが、中波送信所の鉄塔・基部碍子・支線そして左図のわっかを見るとなんとなく落ち着きます。中波送信所によってはこれら4種がすべて揃っていない場合がたまにありますが、その場合はちょっと珍しい形式のものが拝めますので、これはこれで楽しく見物できます。


支線の避雷部品 碍子の部分にあるチョークコイルです。局によっていろいろな形状があります。左図のは御殿場等で見たコイルむき出しのものではなく、白いモールド品の様でした。快晴の空に映えて見えてます。


撮影:2009.03.21 お昼前
初稿:2009.03.22


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