遠景 中央線の快速電車の方向字幕に大月と表示されているものを見かけます。新宿駅から90分程度の距離、中央道でも八王子インターから4つめのランプで大月になります。大月では笹子川(西方から)、桂川(南方から)、葛野川(北方から)の3つの川が合流し、桂川(後の相模川)となって東方へ流れて行く地形で、これらの川に沿って市街地が形成されています。

 大月市は東京方から来ると甲府方面と富士五湖方面の分岐点であり、中央道大月JCT、富士急行線乗り換え、国道20号と139号の交点などとなっており陸上交通が集中しています。その市内にあった電話局を見ると山方面とのマイクロ回線がある様で、アンテナは西の方を向いて開口していました。

 左図は市街中心部にある電話局を駒橋方面から見たものです。望遠レンズで見ていますのでちょっと遠近感が薄れていますが、こんな感じで山間の街に建っていました。マイクロのアンテナがあり、電話局という感じを醸し出してはいるのですが、塔頂にある携帯電話基地局のアンテナも結構目立ってます。

 この日は快晴とはなりませんでしたがまずまずの天候で、画面左下方に見えるお寺さん(光照寺?)付近の桜も満開でした(撮影点近くにある駒橋水力発電所周囲の桜も満開でした)。

撮影 2006.04.09 11時頃

全景 市外と通信路しようとすると道路沿いにそってケーブルを布線するか周囲の高い山に中継局を置いて無線回線を設定するかのどちらかになります。甲州方面のマイクロ回線は東京からポンポンと高い山の中継局を経由してこことかに行っているみたいで、その間にある都市は高い山の中継局からの分岐回線で結ばれている様です。とは言ってもここ大月と富士吉田の2つかしか見当たりませんが…光におされてしまっているのでしょうか?

 大月の近くでは三ツ峠山(1,786m)に幾つかのマイクロ回線中継局が設置してあり、左図NTTのカセグレンアンテナはそっち方面に開口しています。大月市街地には左図以外にも東京電力や国土交通省出張所のマイクロ局がありました。これらの局のアンテナもみんな三ツ峠山の方を向いています(猿橋方にある東電の葛野川PRセンター屋上のパラボラは別の方を向いてましたが…)。

 鉄塔には塔頂にカセグレンアンテナと自動車電話基地局用のアンテナがあり、ステージの下側には無線呼出し用とおぼしきアンテナがありました。


カセグレン ここのページ(下側の韮崎)のものと同じアングルで、ここの図をそのまま持って来た様にも見えますが、上の鉄塔の拡大です。


スタック 鉄塔には金属すだれを反射板とした反射器つき空中線もあり、このアンテナは2箇所、それぞれ上野原方(東)、笹子方(西)に指向性を持たせるように設置してありました。反射板をよくよく見ると完全に平面(180度)でなく、ほんの僅かですが「く」の字形になっています。

 ここのページであったものとは違い、反射部がほぼ平面(180度)となっていました。この反射器つき空中線は反射板の頂角(コーナーアングル)の開き具合と、反射板と放射部分(縦棒;励振ダイポール)の距離でアンテナの入力インピーダンスが変化し、ほぼ平面の場合では反射板とダイポールの距離が約0.2λで50オームになる様です。90度の場合では約0.3λ…等変化していく様です。

 双方を見比べると180度以上に広がっている方が反射板とダイポールの距離、あります。同じインピーダンスの給電線(ないしは同じ出力インピーダンスの送信装置)を利用するとなればアンテナの構造で電気的な特性を合わせ込んでいるのでしょうか?指向性・利得(サービスエリアの問題)、インピーダンス(設備の問題)…なかなか一筋縄では行かないものですね。
撮影 2006.03.26 12時頃


初稿:2006.04.13
追記:2006.04.16(写真追加)

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