鉄塔全景 京都市営地下鉄(東西線)が直通運転している京阪京津線浜大津駅の真ん前にある電話局の鉄塔です。夏休みに京都に行ってきましたが、半日余裕があったので急ぎ京都駅からJRで大津、ここから琵琶湖に向かって(というか、左図の鉄塔を目標に)歩いて行きました。1キロほど、途中から路面電車形式になっている京津線を見ながら20分弱の散歩です。


カセグレン 紅白の鉄塔にマイクロ帯域の開口アンテナがたくさん実装されていました。その殆どが太鼓みたいなオフセットアンテナ…自動車(携帯)電話基地局のエントランス回線だと思われるものでしたが、塔頂と下側のステージには親玉みたいなでかいオフセットとカセグレンが居座っていました。左図は塔中間あたりに実装してあるカセグレンです。沼津などで見た、遮蔽板の内側に貼付してあった黒いシールは見当たりませんでしたが、3時や9時の位置にスリット状のものが見えます。

 基地局へのエントランス回線が方々に出ていますが、この鉄塔自体にも基地局のアンテナが実装されていました。カセグレンアンテナと同じ色の円筒棒状のものが、扇状の指向性を有するビームアンテナが鉄塔の構造体と平行に設置されています。円筒から複数の給電線が出ています。


引いてみました 浜大津駅から2つ先の石場駅方に向かって歩き琵琶湖湖畔に出てみます(石場駅付近にNHK大津放送会館がありました)。琵琶湖をはさんで浜大津駅近くにある鉄塔がこんな感じで見えています。後方の山(紅白鉄塔の右上方)にもマイクロ局が見えます。


比叡山方 もう少し右側を見ると京都府との境である比叡山が見えます。比叡山は延暦寺(延暦寺の山号が比叡山)で有名ですが、京都市や大津市の至近で標高850m近くもありますので見通し外回線の中継局にうってつけの様で、左図を見るだけでも数本の鉄塔が見えます。

 東名阪マイクロ回線も比叡山に中継局を設置していたそうです。東名阪のマイクロ回線はおおよそ50キロ毎に中継局を設けており、比叡山の東側は大野木局…滋賀県と岐阜県の県境付近…で、少し長めの約60キロの中継区間でした。比叡山局とのリンクは近江盆地側の琵琶湖岸や琵琶湖上空を通過して結ばれていた様です。今はどうなっているのでしょうか…


撮影:2008.08.17 10時頃

市街地方から 大津市に再訪する機会がありましたので、以前見た浜大津駅近くにある電話局の鉄塔、山側(百石町通り)から観察してみました。塔中間の大きな開口カセグレン、塔頂のオフセットは健在の様でした。携帯電話基地局のエントランス回線の(方々向いた小型オフセット)アンテナや携帯電話基地局の(レドームに収納された)アンテナの増減は見た目判りませんが、3年ほど前に撮影した時に稼働していたデジタル800Mの空中線はその任を終えています。


京津線込み 上図から少しだけ琵琶湖方に進み、国道161号線京町一丁目南交差点(大津赤十字病院側)から見て見ました。架線や配電線、電話線でごちゃごちゃしていますので鉄塔観察、と言う訳にはいきませんでしたが、以前記述した「路面電車形式になっている京津線」と併せての観察ということにしておこうと1枚。


JR大津駅(京都方) 左図はJR大津駅上り線ホームの京都方に設置してある35N通過のモニュメントの説明看板です。大津駅の緯度が房総半島南端の千倉町(今は南房総市)と同じと言うのはちょっと意外でした。説明前半で地球はひとつの歌詞を連想してしまいましたが、それは置いておき通信絡みで締めないとこのページに持ってきた意味が薄れてしまいます…閑話休題。

 千倉町と言えばKDDI(KDD)の国際海底ケーブル陸揚げ箇所(Landing Station)があります。左図紹介文にあった島根県江津市(江津自動車道江津IC付近)から南西に10キロほど離れた隣の浜田市にKDD浜田国際中継所が運用されていたとのことです。浜田と大津の鉄道つながりとしては、寝台特急出雲(東京−浜田)でしょうか(大津駅は通過でしたが、列車はこの看板のあるホームを駆け抜けていました)。


撮影:2012.04.13 11時頃

初稿:2008.09.08
追記:2012.04.15(電話局周辺)
訂正:2017.03.27(冗字訂正)


ひとつもどります