青梅変電所の鉄塔 圏央道青梅インターの近くにある、青梅変電所のマイクロ鉄塔です。豊岡変電所の鉄塔と異なり紅白に塗り分けられており、いかにも無線塔という感じがします。この鉄塔自身も結構な高さがあるのですが直ぐ近くにある送電線鉄塔もかなりの高さがあり、鉄塔が林立している感じです。変電所の敷地は新所沢やら坂戸の変電所の敷地に比べるとそれはそれはせまいのですが、この近辺には送電線が集中しており、送電鉄塔で送電線が交差していたりもします。

 塔頂付近にはこの図から2つ白いレドームのついたマイクロのアンテナが見えます。この反対側が豊岡変電所方になります。圏央道で入間→青梅インターに向かって走行しているとインター流出手前でこの鉄塔が真正面に見えてきます。ついでですが、自動車電話基地局も左手に見えていまして、この基地局には塔頂に2つのオフセットが搭載されています(エントランス?)。電力保安通信業務やら電気通信業務とかで青梅インター付近には(周波数帯域は異なると思いますが)結構マイクロ回線(伝搬路)が存在していているみたいです。あと、青梅インターにもETCゲートがあり5.8GHz帯の電波も吹いています。

 レドームで覆われているのでパラボラなのかカセグレンなのかは不詳ですが、この型式のアンテナで電力関係だと6GHz〜7GHzないしは12GHz帯となります。この帯域だと給電線は導波管が選定されます(*)。同軸の場合、中心導体の熱損失、中心導体と外部導体との間にある誘電体に絡む周波数の平方根分に比例する損失が増大し、またこれらの導体間の間隔がλ/4以上になると生じる高次の伝送モードの影響も加えて特性が急激に劣化するとあります(損失を少なくしようとしてケーブルを太くするとこれにひっかかるジレンマ?)。

 そこで導波管の登場と成る様です。ただ導波管、特に円形導波管はわずかな変形で本来のTE11モードから他のモードへ変わりやすい欠点があるとかで施工や保守で注意する必要がある模様です。導波管は方形と円形に大別されますが、楕円導波管というのもあり、長尺可とう導波管と称され屋外で多様される様です(この鉄塔のものがそのものかは不詳ですが…)。



2004.07.24 13時すぎ カインズホーム青梅インター店の駐車場から


青梅変電所の鉄塔 左図は圏央道を挟んで反対側から同じ鉄塔を見たものです。鉄塔にアンテナ取り付けリングが3つ設置してあり、それぞれのリングに1つづつの(開口)アンテナが取り付けてあります。それ以外に塔頂や中間部に垂直系(後者の円筒レドームに収納されたもの)アンテナもあるみたいです。

 右手方を向いている一番上の(開口)アンテナは圏央道青梅トンネル方面より若干南向きに設置してあります。地図上でこの方向に延長線を引いてみるとおおよそ12キロ離れた武蔵五日市駅南方にある新多摩変電所にあたりますが(まだ現地へは行ったことがありませんので鉄塔の有無が不詳なので)ここが対向局かはわかりません。

 左手方を向いている中央のものは豊岡変電所にあたりそうです。豊岡変電所は入間インター近くにあり、青梅変電所からの距離はおおよそ5キロです。この付近は圏央道が掘削区間、周囲が茶畑(まっ平ら)となっていまして、青梅インター近くの圏央道を跨いでいる橋から豊岡の鉄塔が見えます。もし対向局が豊岡であればこの区間の圏央道が殆ど伝播路投影面(伝搬路中心線の両側100mを限度とする区域。つまり最大200mの幅を有する細長い範囲です。この範囲を伝搬障害防止区域として指定を受けることができます)にかかります。

 右手方を向いている一番下のものは青梅市街地の方みたいです。(東青梅に)東電の営業所があったかと思いますが、アンテナ(鉄塔)があったか記憶は定かではありません。



2004.08.13 18時まえ 青梅市今井4丁目畑のあぜ道(青梅インター近く)から


(*)電力保安通信規程(JEAC 6011-1991)

第4−4条 伝搬路の確保
 890MHz以上の電波を使用する固定無線の伝搬路は、伝搬障害防止区域の指定を受けることを原則とする。


第4−8条 給電線
 給電線は、次の各号により施設することが望ましい。

(1)給電線の選定
 給電線の選定は、使用周波数が3GHz以下の場合は同軸ケーブル、3GHzを超える場合は導波管を用いること。

(2)導波管の種類の選定
 導波管は、次の種類から選定すること。
 ア.方形導波管
 イ.円形導波管
 ウ.長尺可とう導波管

(3)同軸ケーブルのインピーダンス
 同軸ケーブルのインピーダンスは、50Ωとすること。

(4)整合
 空中線系の電圧定在波比(VSWR)は、次によること。
 ア.使用周波数が1,000MHz以上の回線 1.2以下
 イ.使用周波数が54MHz以上1,000MHz未満の回線 1.3以下


ひとつもどります

2004.08.08 初出
2004.08.18 図版追加・追記・誤字訂正