青梅トンネル青梅インター方 圏央道(国道468号)は青梅インターから日の出インターの区間で大部分がトンネルになっています。青梅トンネルは別段山岳を通過するトンネルでなく、青梅市街地を地下区間で通過するものです。この区間の圏央道は片側2車線の広さではありますが、地上の青梅市街地では圏央道が通過する南北に渡ってこれに匹敵する幅員の道路はありません。このため片側2車線の幅で市内を通過させるべく、(都道の幅にあわせるため)地下で上下2段の構造になっています。

 左図は青梅インターから日の出に向かって下ってくる区間の、地上最後の部分です。画面奥の方が青梅インターですが、外回り方面(左側)はかなり低い位置にあり、内回り方面の車線と同じ高さに網が張ってあります。地上からフェンス越しに見えるこの区間は内回り車線までおおよそ10m、網の下にある車線までおおよそ20mあります。

 掘削区間はここまでで、この図の背後からいわゆる地下区間になります。そしてその開口部の真上に青梅トンネル換気所があり、この建物も高さ20m程ある(*)この界隈ではかなり大きな建造物です。青梅トンネルは中央道都県境にある小仏トンネルより長いので換気や防災設備も大規模なものになり、大きな建て屋が必要になるものと思われます。なおこの開口部(換気所)周辺は青梅市が管理する緑地(…とは言うものの、芝生が植えてあり数個のベンチがあるだけのそのへんにある公園と同じ様なものです)となっています。


中継用のアンテナ この様に長いトンネルには防災無線設備の他、通行車両のために漏洩アンテナ方式による中波放送の再送信アンテナや自動車電話(携帯電話)中継用のアンテナが設置されており、地上区間とあまり変わらない無線サービスを享受できるようにはなっています。

 左図はトンネル換気所屋上に設置されたたぶん後者のためのアンテナだと思います。丸い円筒レドームに収納されているアンテナ4本が道路開口方面に照準を合わせて設置されているのが観察されます。また垂直に設置された八木宇田アンテナも見えます(これは管理業務用か?)。レドーム形式のものはよくトンネルの入口とかで見かけます。レドームの中は垂直の八木宇田なのか、ループなのか、ヘリカルなのか不明です…

 手前ので多摩川方面、右手方ので青梅インター方面(2方向)の携帯基地局の電波を拾いトンネル内部であたかも地上区間と同じになる(青梅インター方にある基地局のエリアと多摩川方にある基地局のエリアをトンネル内で重ねる)様にしているものと考えられます。このためトンネルの手前から通信状態であっても素直に基地局の移動(切り替え)が行われ、結果としてトンネル内でも途切れずに通話が継続される…はずなのですが…

 トンネル内では壁面の反射やら隣を走行する車両の影響で一時的(瞬間的)に電波が遮蔽されてしまうことがあるので通信が切れてしまうことは多々ありますし、地上区間でもたまたま基地局方に背の高い大型バスやトラックが並走しているとそれが影になり品質劣化、最悪切れたりします。特に並走車がアルミパネルのトラックだったりしたらまるで反射板が隣接車線に置いてある様なものと考えてしまいます。またこの帯域の波長は橋脚とか梁などの建造物でも多分に影響を受けるものと考えられますので、移動中に切れてもそんなもんかぁ〜とちょっとでも思っていただけると幸いです。


(*)換気所の高さは青梅トンネルの上下構造区間の上下高と同じとの説明がありました。
丸いレドーム式のアンテナ4本は、4事業者分と思いますが真偽の程は定かではありません…

ひとつもどります