マイクロ 左図は静岡県御前崎土木事務所・御前崎港管理事務所にあった鉄塔です。レドーム付きパラボラ2基が上下に設置されている、鉄塔高はそれほどでもないのにすごく存在感のあるものでした。レドーム付きパラボラ以外にも折り返し放射器のある垂直設置の3素子八木宇田アンテナ(VHF帯)と(鉄塔骨格に溶け込んでしまい見難いですが)すだれ反射器の八木宇田アンテナ(UHF帯)も設置してありました。更に鉄塔の足元には反射鏡アンテナ(対衛星用)があり、陸上回線と衛星回線を収容していることになります。


反射鏡アンテナ 鉄塔足もとに設置してあった反射鏡アンテナ(Reflector Antenna)です。ここ等で見てきた県名入りの反射鏡のもの、久しぶりに丸いのを見ました。また屋外ユニット(ODU)がむき出し状態にあり、導波管の分岐や放射器の様子がよく観察できました。


ODU拡大 ODU部を拡大してみました。反射鏡に向かってホーンが設置されており、その上側には雨除けでしょうか、ホーンに沿った形状の屋根がありました。ホーンからの導波管が分岐しています。ストレートに分岐している方はそのまま真っ直ぐ引かれた後にベンドされ局舎方への導波管(フレキシブル導波管でしょうか)に接続されています。

 上方に分岐した導波管はユニット(函)に接続されています。この函のおしりからは導波管ではなさそうなケーブル2本(1本は函の外側に接続されていそうなので接地線?)が接続されており、これらはフレキ管に収容されODUを支える支柱に沿って導波管と同じく局舎の方に布線されていました。

 ホーン後方の分岐点はサーキュレータで、ここで送受を分けているのか(受信は函内の受信機でダウンコンバートして同軸送り、送信波は局舎内の送信機から導波管送り?)、あるいは2システム共用なのかは不詳です。しかしながらいずれの場合でも港湾近くの設置であるため潮風をまともに受けつつ静止軌道衛星との通信を実行しているタフな通信端末です。


鉄塔遠景 事務所の前からマリンパーク方へ向かって行く際に振り返って見た全景です。この図では下側のパラボラアンテナのすぐ下に一番上の図で見難かったUHF帯の八木宇田アンテナが見えます。レドーム付きパラボラは駿河湾方を向いていました。この方向を地図で確認すると対向局が牧之原台地方であろうと海岸(相良など)であろうと海上伝搬区間にかかりますので、そのためのダイバーシチでしょうか。また、ここから見ても反射鏡アンテナ(オフセットアンテナ)が大きく見えています。

 画面中央付近に木々の生い茂った部分が見えます。ここは御前崎港から少し海抜のある(40m前後の)台地状になっており、御前崎港を囲む様な地形になっています。御前崎は伊豆半島先端(石廊崎)とほぼ同じ緯度上にあります。このため海路上も重要な位置となり御前埼灯台が設置されています。

 御前埼灯台は映画喜びも悲しみも幾年月のロケ地にもなったそうです。また太平洋に突出している地形のため(灯台の近くに)レーダーサイトもありました。


御前崎港 → 静岡県建設部ホームページ


撮影 2008.11.15 13時頃
初稿 2008.11.23
訂正 2009.12.24(御前崎港ポートセールス実行委員会 → 静岡県建設部ホームページ)

(11月1日は灯台記念日でした。御前崎港に行った11月15日は犬吠埼灯台の設置点灯日(明治7年11月15日)でした。御前埼灯台は明治7年5月1日設置点灯、犬吠埼灯台よりおおよそ半年早く灯を点しています。)


ひとつもどります