鉄塔全景 諏訪湖岸から少し内陸方にNHKのラジオ局があります。ここで見るとNHKの鉄塔の方が結構高く見えます。案内看板(下図)によると67mとなっており、3方6段の支線でがっちり支えられています。鉄塔基部は局舎の後方にあり見ることはできませんでしたが、垂直型頂冠付空中線とありますのでたぶん基部絶縁で、ここでも碍子が鉄塔を支えていることと思います。それにしても青空に紅白の鉄塔は映えますね。


案内看板 施設のあらまし(案内看板)がありました。空中線設備と記載してあるのは珍しかったです。第1、第2放送の共用アンテナとなっています。また良く見かけるパターンでは、第1放送の周波数<第2放送の周波数…なのですが、岡谷諏訪では第1放送の方が高い周波数になっています(原則は第1放送には第2放送に比して低い周波数を割り当てる、そうです)。


ふたつき 局舎の隣にある数mの高さの鉄塔にレドーム付きパラボラと(11か12素子)ループアンテナが設置してありました。パラボラは諏訪湖方を向いていますが、その対岸の対向局は確認できませんでした。しかしながら対岸まで4キロ程度とは言え大半の区間が水上伝播になるので相応のフェージングは避けられないと思いますが…


ループアンテナ ループアンテナは市街地の方を向いています。マストすぐ隣のループがケーブルなのかエレメントか判断つきませんので素子数を11か12としました。マスト側の2〜3のループが若干大きめ、その先にある9つのループは若干小さめになっています。この構造は指向方向に向かって徐々に素子長が短くなって行く八木宇田アンテナに似ています。またループが1波長とすればループ内部の放射電流はループ上側下側とで同一方向に流れるとのことです。そのためループからの放射特性は半波長ダイポールアンテナを約0.27波長の間隔で重ねた(スタックした)ものと等価になるそうです。

 このことより左図のアンテナは11(or12)素子の八木宇田アンテナを0.27波長でスタック設置したものと同等の指向特性を有することになります。マスト下側にある函がなんかテレビアンテナと一緒にある混合器に似ているので、これってテレビのアンテナでしょうか?目測わっかの直径が20センチ程度だと、円周約60センチ強、500MHz付近(現行UHFテレビ周波数帯域)と見ますが…


 この局の一番上の支線には良く見かける碍子を跨ぐチョークコイルが設置されていませんでした。鉄塔が高いせいか支線の碍子もかなり大型のものであったのでおそらく基部にあるであろう放電ギャップで電荷をスルーさせるまで、支線碍子の絶縁耐力が持つと判断されたのでしょうか?やっぱり各局それぞれ(数百m離れているだけでも)違うので見ていて興味を惹かれます。


撮影 2006.10.21 15時頃
初稿 2006.10.26


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