送信アンテナ 千葉県(房総半島)のくびれている部分のほぼ中央に長生郡長柄町があります。ここに市津湖(長柄ダム)があり、また長柄自然休暇村やキャンプ場などもあり静かな場所です。その中に国内で数少ない(…というか、民放では唯一の)短波ラジオの送信所があります。前からラジオたんぱの送信所は千葉県にあるとは聞いていたのですが、この場所にあったとは意外です。ここには例えば国道16号からだと浜野の県道14号千葉茂原線を道なりに進めば、青葉台からだと県道13号市原茂原線から同292号犬成海士有木線で東進すれば自然休暇村に着きます。

 左図は休暇村側から見た、送信鉄塔群です。水平(ワイヤー)アンテナが幾つか設置されているのが見えました。ここから鉄塔根元へ行くには再び県道14号に出て茂原方面に進まなければなりません(湖をぐるりと回る感じです)。県道を少しばかり茂原方面に進むと煌びやかな電飾な建物への案内標識があります。それに従って左折し、すぐあるY字路を今度はキャンプ場方面に進むと送信所に行けます。


送信アンテナ直下ですよ 今は人気(ひとけ)の無いキャンプ場を右手に見ながら進んで行くとそのうち林の中の一本道になります。ちょうど車が止めれる場所があったのと同時にそれなりの案内看板を見つけたので撮ってみました。この部分、右手がわにフェンスがあるのですが、これキャンプ場のものかと思っていたら実は既に送信所の敷地に入っていたのでした。水平アンテナへの給電線が高さ数mの位置に走っている模様です。看板を拡大するとこうなります。

看板
(電話番号の個所は消しました)


送信アンテナ 舗装されている道路の行き止まりに送信機が格納されているらしき建物がありましたが、立ち入り禁止の表示があったので給電線引き込み口とかは観察できませんでした。このパラボラの設置されている鉄塔は休暇村の方から見れなかったので、まだ湖岸への道のりはあるかと思います。舗装された道はここまででしたが、下り坂になった未舗装の道はまだ先に続いており、上で見た看板も立ってました。道に沿って水平アンテナと給電線が設置されている様です。

 鉄塔には演奏所(都内)の方を向いたパラボラが2基(左図では鉄塔上部が切れてますが、塔頂に小さ目のパラボラがありました。上下2基でダイバーシチ?)ありました。隣の鉄塔との間に数本のワイヤが架設されていまして、見た目で励振されているのは下側の2本ペアになったワイヤだけ、あとはこのワイヤを吊っているだけの様な気がしましたが…。アンテナハンドブックによると短波送信アンテナについてはわずか3行、「国内放送用としては、ダイポールアンテナなどの線状アンテナが用いられる」と触れられています。水平部分だけを見ると(アマチュア無線とかで)見なれたダイポールアンテナ…なんですが、2線平行の給電線や、その給電部なんかが特徴あるのかしらと、暫く見入ってました。ラジオたんぱの送信周波数は3.925/3.945/6.055/6.115/9.595/9.760MHzで、波長で言うとおおよそ76m〜30m、半波長ダイポールで38m〜15mといったサイズになりますが、50kWと云うとてつもない電力なので大掛かりなアンテナになってしまうのですね。

 以前実家の方でHF(3.5MHz/7MHz)のワイヤーアンテナを使ってましたが、素人設置だったからでしょう、風の強い日に長いエレメントがふらふらしそのため周囲(との距離とか)の環境が変化し(アンテナの抵抗が変化した結果)、整合がとりにくく難儀した記憶があります(挙句の果てには強風の時に切れてしまいました・・・)。素人設置のアンテナと比較するのも恐れ多いですが、そんなワイヤーアンテナ特有のエレメントのブレを押さえるのが鉄塔間に張られたワイヤーなのでしょうか?


送信アンテナ給電部 フェンスの向こう側には地上数mの高さに平行フィーダが張られていまして、そこから上図の空中水平部分に向かって給電線が伸びています。これって、垂直部分もアンテナなのか、給電線の機能だけなのかわかりませんが…実効高とか云々の本を見てると数式ばっかで頭が混乱してきます(今もって)。それ以外に、電車の架線設備でよく見かける錘がありました。常にテンションをかけてちょっとやそこらの風ではふらつかない様にしているんでしょう…さすが頑丈に設置されていますね。勉強になりました。




 ラジオたんぱ(旧・日本短波放送;NSB)は株式や競馬等、濃い内容の放送が多いですがその昔旺文社の大学受験講座なるものを聞き流していた思い出があります。でもこんな近くに送信所があったと云うのは当時知る由もなく、SSB受信モードの解除できないHFトランシーバで聞いてました。狭帯域のフィルタが入っているのでキンキン音だった…という記憶しかありません。放送内容はあんまし頭に入ってなかったみたいでした…


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