局舎全景 日高本線汐見駅から国道235号に至る間にある、航行援助用無線施設です。鵡川VOR/DEM(標識符号MKE, AXX116.4MHz/VXX1,198MHz;注)と局舎にあり、距離測定装置(DME)併設です。VOR;VHF Omnidirectional Radio rangeは地上、つまりこの鵡川局から見た航空機の磁方位を与える施設とあります。白いきのこの様な物体がアルホードアンテナといい、数えてませんが50個有る様です。その中央にある赤い垂直のアンテナは周りのきのこの親玉みたいで、これもアルホードアンテナと称する様です。

 方位によって位相が変化する30HzのAM信号(可変位相信号)と全方位に渡って位相が同一の30HzのAM信号(基準位相信号)を生成します。磁北(0度)に相当する地点で可変位相信号と基準位相信号が一致する様に位相制御した電波を発射し、これらを受信した航空機のVOR受信機内で位相を比較し、磁北からどのくらいずれた方位に向かっているかを方位指示器に表示するとのことです。この変調波は116.4MHzで送信されています。

 併設されているDME;Distance Measuring Equipmentは航行中の航空機に既知の地点(つまり鵡川局)からの距離情報を連続的に与える「二次レーダ」であり、航空機からの質問信号を受信して「異なる」周波数の応答信号を送信するものです。この応答信号を受信して、質問信号からの時間を測定して距離をはじき出します。航空機にある機上DME(インタロゲーダ)からの質問信号を受信した地上DME(トランスポンダ)は送信機を自動起動させ、応答信号を1,198MHzで送信します。質問信号に同期してトランスポンダが応答するため、質問信号の発射間隔を「不規則」にすると、質問した航空機のみが安定に同期受信でき、トランスポンダから他の航空機への応答信号は除去され、複数航空機へのサービスが可能になる…と平成12年7月施行の無線工学A(A-14)の問題にありました。「太字」が問いになった個所です。

 鵡川の近くまで来て「距離はどうよ?」と問いかけ、それに応答するまでの時間で距離を調べてるというのはなかなか面白い…ですね。あとこの近辺ではウトナイ湖のすぐ近くに千歳VOR/DEMがあります。作りは左図と同じですが、なんかこれより大きめなきがしました。



こういった施設なので有刺鉄線つきのフェンスで囲まれて、入り口は厳重に施錠、そいでこんな表示。

局舎前


(注)
航空無線航行業務に使用する電波の形式及び周波数等
平成11年8月30日 郵政省(当時)告示第592号から引用しました。

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