ビル屋上の鉄塔 JR山手線(ないしは京浜東北線ないしは東京モノレール)浜松町駅のすぐそばに旧芝離宮恩賜庭園があります。近所には浜離宮庭園があり、これに比べると非常にこじんまりとした庭園ですが敷地周囲には背の高い木があり、すぐ脇を新幹線や東海道線が通過しているのも関わらず喧噪さが感じられません。当日は数日ぶりの晴れ間で気温が高く、それらの木々で蝉がこれでもかと云うくらい鳴いていました。

 左図はその庭園の隣にある東京ガス本社ビル、の屋上にあるマイクロ回線の鉄塔です。紅白に塗り分けられた円柱鉄塔に3段のリングが設置され、それぞれの段に各方面に開口した(レドームに覆われて放射器自体は見えませんが)パラボラアンテナと八木宇田アンテナをはじめとする線状アンテナが幾つも設置されていました。


カセグレン裏側 庭園の木々の向こうに背中を向けた対衛星通信用のカセグレンアンテナが見えています。


放射器付近 庭園内をぐるりと回ってここを後にし、竹芝通りを首都高高架方に進み(その高架下の)海岸通りを少し南に向かって歩くと先ほどのカセグレンアンテナを真横から見ることができます。

 複反射鏡(dual reflector)系のカセグレンアンテナは右側の1次放射器の前面(主反射鏡の焦点になる位置)に副反射鏡(sub-reflector)を設置し、1次放射器からのマイクロ波を反射させ主反射鏡に照射します。主反射鏡で反射されたマイクロ波は鏡面系の軸、つまり1次放射器の延長線上の遥か向こうにある静止軌道衛星に到達します(受信は逆順)。

浜崎橋JCT側から_カセグレン鏡面 主反射鏡には東京ガスとペイントされていますが、直射日光によりアンテナ自体の温度が上昇するをの最低限に抑えるために白い塗装がなされています。

 画面下半分に車の屋根と高架橋の一部が写りこんでいますが、ここは首都高速都心環状線と羽田線の分岐である浜崎橋JCTになります。また日の出桟橋・竹芝桟橋もここから歩いて5分程度にある、海の近くでもあります。左図は日の出桟橋から浜松町駅への連絡通路(歩道)にある芝浦運河にかかる橋の上から見たものです。


浜崎橋JCT側から_屋上 左図は日の出桟橋方から見た、再び東京ガス本社ビル屋上です。庭園方からは見えなかった八木宇田アンテナのみが設置されている円柱がありました。この位置からは各リングに設置してある(パラボラの隣にちょこんと設置されている)垂直設置の八木宇田アンテナも確認できました。何れの八木宇田アンテナの放射器は他の素子と比べ太くなっているのが観察されます。


撮影 2009.08.01 16時頃
初稿 2009.08.02


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